本丸広場での模擬店の復活や、高校生がデザインしたポスターで、中世の歴史伝える「城址まつり」を盛り上げます。
第30回目の記念すべき開催となる「小机城址まつり」(城郷地区連合町内会などによる実行委員会主催)は、今月(2025年)4月13日(日)に「小机城址市民の森」の本丸広場(小机町)など3会場で開かれます(小雨決行、荒天中止)。(※)4月9日(水)20時30分追記:主催者より連絡があり、雨天予報により全てのイベントを中止するとのことです。
昨年(2024年)の第29回目の開催から、2019年以来の復活となった鳥山町内での武者行列・パレードからイベントはスタート。
横浜市消防音楽隊とドリル隊のポートエンジェルス、小机小学校マーチングバンドによる演奏や、ボーイスカウト横浜第20団、手作り甲冑隊や城郷中学校剣道部、地域の有志や少年少女武者隊による「武者行列」や、岸根囃子連や鳥山町囃子保存会によるお囃子が場を盛り上げます。
10時に鳥山町の三会寺(さんねじ)から横浜上麻生線沿いに隊列は進行、10時15分に小机駅前、10時30分頃に小机辻(一部解散)、10時50分に市民の森の本丸広場に到着する予定です。
11時から本丸広場で「武者出陣式」を行うほか、前後の10時20分から13時までの間もステージや岸根高校吹奏楽部の演奏、「歴史を知って〇×クイズ」などのステージ企画を実施。
小机駅前広場(10時~15時)でも、ステージ演奏やダンスの披露、模擬店の出店が行われる予定となっています。
金剛寺会場(10時~13時)でも模擬店が出店するほか、城郷中学校吹奏楽部(10時30分から約15分間)の演奏も披露される計画です。
今年は、「新型コロナ禍」前のにぎわいには至らないといいますが、本丸広場での模擬店が復活。
ポスターやパンフレットの表紙には、岸根高校美術部から提供された原画を使用するなど、地域の学校との連携を深めています。
関係者によると、特に「武者行列」の実施における衣装代など、パレードの実施には、約200万円を超える多額の費用がかかっているとのこと。
初回開催時から30年以上の時を経て、最盛期と比較すると商店街などからの支援についても厳しい状況になっているといい、「地域ぐるみ」でどのようにイベントを維持していくかという大きな課題にも向き合いながらの開催になるとのことです。
城郷小などで「小机城」の学習も活発化
一方、エリア内に位置する城郷小学校(鳥山町)や小机小学校(小机町)では、「小机城」についての学びを深める機会が設けられているケースも。
昨年度(2024年)の城郷小学校3年生クラスの「総合的な学習の時間(総合的な学習)」では、城郷小学校の創立(1900年)にまつわる出来事や歴史を調べる授業を実施しました。

「小机城址」での特別授業(城郷小学校提供)
「城郷(小学校、地名)の“城”は、どこから来ているのだろう」という疑問が子供たちから出たことから、その後の社会科の探検学習で立ち寄った小机駅から見える小高い山に、かつて城があったことを子どもたちが知ることとなったといいます。
地元で活動を行う「小机城のあるまちを愛する会(城まち会)」(木村光義代表)のメンバーや、横浜市歴史博物館(都筑区中川中央1)の担当者、港北区役所との連携により、「実際に小机城址に行って、城のしくみを教えていただいたり、紙芝居を見せていただいたりしました」と、授業を担当した土屋貴世教諭は、小机城址の歴史を学ぶ機会を得られた経緯を説明します。

横浜歴史博物館や地域の人々の協力を得て「小机城址」についてより深く学ぶことができた(城郷小学校提供)
今年2月には、歴史博物館での学習成果の展示も行われたとのことで、これからの城郷地区の未来を切り開く子どもたちにとっての「小机城」の存在感を高める意味でも、貴重な経験になったといえそうです。
この先、「小机城址まつり」が、どのように地域内外の人々に浸透し、受け継がれていくかにも、さらなる注目が集まることになりそうです。
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です
【関連記事】
・【前年記事】“来られなかった人”に伝えたい、「小机城址まつり」ダイジェスト動画を公開(新横浜新聞~しんよこ新聞、2024年4月21日)
・【前年開催】<小机城址まつり>本丸広場で5年ぶり出陣式、鳥山スタートの“武者行列”盛り上がる(新横浜新聞~しんよこ新聞、2024年4月14日)
【参考リンク】
・2025年「小机城址まつり」は4月13日(日)に鳥山三会寺→小机城で武者行列、3カ所にイベント会場(港北区連合町内会)
・小机城址まつりとは(港北区地域振興課)
・小机城址まつりとは(港北観光協会=事務局:港北区地域振興課)