悲惨な交通事故をなくしたいと子どもたちが“地域まちづくり”を考え、「足あとシール」を通学路に設置。登校を見守る人々には「横断旗」のプレゼントも行われました。
横浜市最大規模の児童数を抱える市立箕輪小学校(箕輪町2、井上強校長)の4年生1クラスの児童が取り組む総合的な学習の時間(総合的な学習)で、「まちの課題をアートで解決したい」とのテーマで授業を実施。
「交通ルール」を守ってほしいとの取り組みに授業が発展、昨年(2024年)10月には横浜市港北区役所(大豆戸町)の担当者、11月には港北警察署(大豆戸町)署員を招き、疑問点をぶつけながら交通ルールなどを学習したといいます。
今年(2025年)1月には、警察署のアドバイスを受け、区役所の地域まちづくり担当のほか、道路の管理・メンテナンスを行う港北土木事務所(同)の担当者を招いての授業も行い、児童から「子どもたちに安心・安全を伝える」ための提案を受けるに至ったとのこと。
「行政側の受け止めとしても、箕輪小学校では近年人口が増加し、交通上危険な箇所に対してはさらなる安全対策が必要と考えました」と、同区区政推進課の池田直紀さん。
児童と一緒に考えた上、注意喚起を通りかかる子どもたちにも視覚的に伝える「足あとシール」を設置することでの「交通安全対策」を実施することが決定したといいます。
当初は、3月12日(水)の午前中に実施する予定でしたが、「雨が降ってしまうと、シールが貼りにくいため、延期することになりました」と池田さん。
翌々日の3月14日(金)11時から行われた設置作業は、港北土木事務所の道路工事の関係者が中心となり担当。
この日は無事晴天に恵まれ、約30人の児童とともに、綱島街道沿いの「マツモトキヨシ日吉箕輪店」前の交差点を渡る場所に対面で2枚まず設置します。
その後、場所を箕輪小学校前に位置する市道の横断歩道の2カ所に設置。
「交通量によっても変わるが、耐久年数は3、4年程度」(同土木事務所担当)だというアルミ素材も含まれているという「足あとシール」を、ハンマーを使用ししっかりと貼り付ける共同作業を行っていました。
「まちの課題をアートで解決」と当初掲げた課題も実践、“交通安全に役立ててほしい”という思いから、登下校を見守る地域の「見守り隊」のメンバーに約10本の「横断旗」を手作りし贈呈する試みも初めて行い、地域との“絆(きずな)”を深めていました。
箕輪小学校は、来年度(2025年4月)以降、横浜市内で最多レベルの1200人を超える児童数となる見込みです。
昨年(2024年)10月には、同小学校から徒歩約10分の日吉宮前地区の交差点で、小学生が大型車両にはねられて死亡する事故が起きており、交通安全に対する意識を高めるためにも、今回の試みを広く地域内外に伝えていく必要がありそうです。
【関連記事】
・市最大規模でも「授業の充実」目指し5周年、箕輪小で戦争体験者招いた特別授業(2025年3月14日)
・<箕輪小>児童急増で4月から1000人超、「5階建て」校舎増築の説明会(2023年2月4日)
【参考リンク】