新吉田と樽町に浸水被害をリアルに想定する「ハザードマップ」看板が登場。“いざ”の水害対策を呼び掛けます。
港北区役所総務課は、今月(2025年)2月初旬から中旬ころまで、新吉田地区(新吉田連合町内会・新吉田あすなろ連合町内会エリア)の55カ所と樽町地区の35カ所、合計90カ所の「まるごとまちごとハザードマップ」の設置を完了しました。
新型コロナ禍中の2023年に綱島地区と大倉山地区、昨年(2024年)には新羽地区と城郷地区(小机町・鳥山町・岸根町)で設置が行われてきました。
河川が氾濫(はんらん)した場合に考えられる最大の想定浸水の深さ(浸水深=しんすいしん)を記した電柱巻付け看板(標識)を、洪水や浸水の想定区域内に設置することで、ハザードマップとしてのリアルでの浸水想定の認識が可能となっています。
水害に関する情報を“まちなか”に表示して自然に目に入るようにすることで、日頃から水防災への意識を高めるためにと、国土交通省(水管理・保全局)が2006(平成18)年に手引きを作成、国が推奨する取り組みとして日本全国で行われているといいます。
今回設置された新吉田地区の看板では、新吉田東3丁目の「四ツ家」と呼ばれるエリアの0.4メートルから、新吉田小学校にも近い新吉田東6丁目の「青山」と呼ぶ地域の4.4メートルまでの浸水を想定。

新吉田地区の最深浸水想定地点は新吉田小学校(新吉田東6)にも近い青山地区の「4.4m」。新吉田東エリアは早渕川(早淵川)にも隣接し、前方奥もちょうど鶴見川の“曲がり角”の場所。「青色のテープ」は2階に迫るほどの位置に撒かれていた
また、樽町地区の看板では、横浜樽町郵便局(樽町1)付近の2.3メートルから、川崎町田線沿い・鶴見区にも近い「一ノ瀬」地区2カ所で、3.7メートルを想定していることを明記していました。
国土交通省のデータによると、浸水の深さが0.3メートルから0.5メートル程度であっても、車のエンジンが停止し、車から退出を図らなければならないレベルの危険性があるといわれています。
また、0.5メートル(大人の膝)程度でも、歩行での避難が困難になり、0.5メートルから1.0メートルで床上浸水に至るケースも見られるとのことです。
港北区などの鶴見川流域では、今から40年超まで遡(さかのぼ)る1982(昭和57)年を最後に、大きな水害が起きていないこともあり、住まい通う一人ひとりはもちろん、水害発生当時を知る人々、また転入者や新たな来街者を交えての「地域ぐるみ」での水害対策を継続して行っていく必要がありそうです。
【関連記事】
・【前年記事】新羽・城郷地区に新たに100カ所、「まるごとまちごと」ハザードマップで浸水対策を(新横浜新聞~しんよこ新聞、2024年6月19日)
・綱島と大倉山に100カ所、「まるごとまちごとハザードマップ」で“水害に備えを”(2023年3月8日)
・港北区とイオン高田が“早渕川の洪水”を想定、初の「避難体験会」で対策呼び掛け(2024年12月18日)
【参考リンク】
・生活空間の水害リスクを見える化するため 「まるごとまちごとハザードマップ」を設置します!(横浜市記者発表資料)※2022年9月1日発表
・災害関係マップダウンロード一覧(横浜市港北区)
・まるごとまちごとハザードマップ(国土交通省)
・浸水深と避難行動について(国土交通省 川の防災情報)※車のエンジンは「30~50cm」で停止、「0.5m」の水深でも避難が困難になった事例なども紹介