2025年は新型コロナ禍以降で最多の参加者数となりました。
きのう(2025年)1月13日に横浜アリーナで「二十歳(はたち)の市民を祝うつどい」(横浜市、横浜市教育委員会、20歳の市民らによる実行委員会主催)が開かれ、午前と午後2回の式典に計2万2390人が参加し、参加率は63.1%となり、コロナ禍の影響を受けた2021年以降ではもっとも多い参加者数となりました。
今年からコロナ禍以前と同じ午前と午後の1日2回スタイルに戻して行われた式典は、1回目が市内最多の参加対象者となった青葉区(3367人)と、同区に続く港北区(3120人)など北部エリアを中心とした8区(青葉・旭・神奈川・港北・都筑・西・保土ケ谷・緑)の区民が対象。
2回目は戸塚区(参加対象者数2757人)や鶴見区(同2647人)など10区(泉・磯子・金沢・港南・栄・瀬谷・鶴見・戸塚・中・南)の区民を対象として行われました。
新たな「はじまり」へ大きな一歩を
両回とも挨拶に立った山中竹春市長は、「皆さんは10代後半の大半がコロナ禍と重なった。思うようにいかない時期もあったと思う。20歳を迎え、新たな“はじまり”に向かって一歩を踏み出そうと、今日の式典のテーマを『はじまり』に決めたと聞いている」と20歳の市民による実行委員会の活動を紹介。
「大切なことはあまり考え過ぎず、一歩を踏み出してほしい。挑戦すれば0(ゼロ)が1になる。ゼロは何をかけてもゼロだが、1になれば10や100にするチャンスが生まれる。私がみなさんくらいの年齢の頃に言われ、今も大切にしている言葉だ」と自らの思いを伝え、「一人ひとりのはじまりに向け、大きな一歩を踏み出される皆さんに心からのエールをおくります」と力を込めました。
第1回の式典で登壇した横浜市会(市議会)の福島直子副議長は、「皆さんが生まれた2004年・2005年は日本で地震や台風被害が多発し、自然災害への備えを政治課題とすべきという意識が芽生えた。気候変動枠組条約『COP3(コップスリー)』で採択された京都議定書が2005年2月に発効されるなど、地球環境と人間生活のあり方を見直し始めた年だった」と振り返ります。
そして、「これまで人々が当たり前と思って選択してきた生活スタイルや消費行動がこのままで良いのかを新たな眼で検証し、よりよき方向に変えていくための力を貸していただければ」と話しました。
第2回の式典では市会の鈴木太郎議長が登壇し、30数年前に自身が横浜市の成人式に出席した際に着ていたウールのコートを今日も着用してきたエピソードを紹介し、「時代はめぐるが、これからの歴史を刻んでいく主役は皆さんだ」と述べます。
そのうえで、「私自身の人生を振り返って後悔していることは、失敗の経験値が少ないことだ。人は失敗からしか学ばない。失敗を恐れることなく果敢にチャレンジし、失敗による挫折があったとしても、再びチャレンジを繰り返してほしい」とメッセージをおくりました。
動画に笑顔、式典後は清掃活動も
参加者を代表しての「二十歳の誓い」は、第1回は大学生の野本優菜さんが壇上に立ち、家族や地域の愛情に感謝の言葉を述べながら「これから先にどのような社会が待ち受けているのか先の読めない未来だが、常に周囲の方々の存在に感謝して変化に適応しながら、心優しき社会の一員として邁進していきたい」と宣言。
第2回は大学生の白戸葵さんが「たくさんの言葉と出会いに恵まれたあっという間の20年間だった」と振り返り、自分との違いに出会った時は「『どうしてあの人は違うのだろう』と考えるのではなく、『そんな考え方もあるのだ』というように、多様な考えを尊重できる人でありたい」との目標を披露しました。
今年の実行委員会では当日の司会進行や「二十歳の誓い」を担当するだけでなく、記念の小冊子とともに会場で放映する独自の動画を制作。
「横浜あるある」と題した動画では、「なつかしき みんなで踊った Let’s dance with yokohama(レッツ・ダンス・ウィズ・ヨコハマ)」とのテーマで、「横浜市立小学校体育大会 はまっ子スポーツウェーブ」(2019年まで実施)でもおなじみだった集団演技“Let’s dance with yokohama”の音楽を流すと、客席から「懐かしい」と歓声が起きました。
著名人からのメッセージ動画は、昨年に続いて「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」を盛り上げる「GREEN×CAPTAIN(グリーン・キャプテン)」をつとめるタレントの秋元真夏さん(元「乃木坂46」)が登場。
続いて今年は、港北区出身で神奈川区で生まれ育ったという俳優のムロツヨシさんが画面に現れると笑いの混じったどよめきが起き、ユーモアあふれる4分ほどのメッセージに幾度も笑いが起きていました。
今年は2回の式典に計2万2390人が参加しており、1回目終了後と2回目開始の合間となる時間帯には、新横浜駅前の円形歩道橋が動けなくなるほどの混雑を見せ、駅前東口広場や交通広場(JR駅)は振袖やスーツ姿の参加者でぎっしり埋まりした。
また、式典の模様はYouTubeでライブ配信され、両回ともに最大で1500人前後が動画を閲覧しています。
式典終了後には20歳の参加者と地元・新横浜町内会のメンバーが合同で横浜アリーナ周辺の清掃活動を実施。今回で3年目となりました。
今年は第1回式典で横浜市会の福島副議長があいさつ内でこの清掃活動に触れ、「ごみ拾いをしてくださる二十歳の皆さんの姿を見て、無責任にごみを捨てる人々の行動が変わっていけばと願わずにはいられません」と話すなど、活動が広がりつつあることをうかがわせました。
2025年「二十歳の市民を祝うつどい」の参加率
- 【第1回(10:30)】参加率:64.8%、11,612人(青葉区・旭区・神奈川区・港北区・都筑区・西区・保土ケ谷区・緑区の17,912人対象)
- 【第2回(13:30)】参加率:61.4%、10,778人(泉区・磯子区・金沢区・港南区・栄区・瀬谷区・鶴見区・戸塚区・中区・南区の17,538人対象)
- 全体参加率:63.1%、22,390人(横浜市内の対象者計35,450人)
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です
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・【前年レポート】20歳の横浜市民を祝う「旧成人式」、2024年は“コロナ後”で最多の参加率(新横浜新聞~しんよこ新聞、2024年1月9日)
・【2023年の記事】「成人式」終えた新横浜をきれいに、町の有志や“新成人”が初の美化活動(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年1月10日)
【参考リンク】
・横浜市「二十歳(はたち)の市民を祝うつどい」の案内ページ(2025年は1月13日に横浜アリーナで開催した、※当日のライブ映像を1月31日まで公開中)