慶應日吉でクラシック音楽の源流を、オーケストラ・小合唱など2つの古楽演奏会 | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

クラシック音楽の源流を知り学べる「古楽」の響きを、慶應日吉キャンパスで楽しんでみませんか。

慶應義塾大学教養研究センター(日吉4)とクラシック・ヨコハマ推進委員会、同大学日吉音楽学研究室(同)は、あす(2025)年1月8日(水)18時30分から19時40分頃まで「慶應義塾大学コレギウム・ムジクム・オーケストラ演奏会」、来週12日(日)14時から16時頃まで「慶應義塾大学古楽アカデミー・オーケストラ・小合唱演奏会」をそれぞれ行います(開場は各開始時刻の30分前より、いずれも終了時刻は予定)。

日吉駅前にある慶應義塾大学日吉キャンパス協生館内「藤原洋記念ホール(藤原ホール)」(日吉4)を会場として開かれる両演奏会は、いずれも日吉キャンパスに通う学生が受講する授業の“集大成”となる発表会として行われるプログラムとなっています。

慶應義塾大学日吉音楽学研究室「2024年度藤原洋記念ホール演奏会シリーズ」の案内ポスター。12月21日には慶應義塾大学の学生や一貫校生徒、教職員を対象とした「室内楽・ピアノ マラソンコンサート」も開かれた(同研究室提供)

慶應義塾大学日吉音楽学研究室「2024年度藤原洋記念ホール演奏会シリーズ」の案内ポスター。12月21日には慶應義塾大学の学生や一貫校生徒、教職員を対象とした「室内楽・ピアノ マラソンコンサート」も開かれた(同研究室提供)

まず8日に開催される「コレギウム・ムジクム」は、古楽復興を目指す愛好団体の意味。

今回は1、2年生の学生が参加する、音楽の実践の授業の一つとして毎週行っているという「オーケストラクラス」約60人全員がステージに上る予定とのことで、「それなりの規模となっているのではないかと思います」と当日の指揮を行う石井明教授は語ります。

今回のテーマは18世紀末から19世紀初期の楽曲となっており、カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826)の「歌劇『オベロン』序曲」、ロベルト・シューマン(1810-1856)の「歌劇『ゲノフェーファ』序曲」(作品81)、そしてルイ・シュポア(1784-1859)の「交響曲第3番ハ短調」(作品78)と、いずれもドイツの作曲家の作品を演奏する予定です。

「あまり演奏されることがない、シュポアによる交響曲がプログラムのメインとなっています。バイオリンの名手として知られていた、19世紀初期のドイツを代表する作曲家であり、交響曲を9つ完成させるなど、今日において再評価されつつあるシュポアの作品をこの機会にぜひお聞きいただければ」と、同研究室の平山香織さんは語ります。

今月(2025年)1月12日(日)開催「慶應義塾大学古楽アカデミー・オーケストラ・小合唱演奏会」のYouTubeサムネイル用画像(同大学日吉音楽学研究室提供)

今月(2025年)1月12日(日)開催「慶應義塾大学古楽アカデミー・オーケストラ・小合唱演奏会」のYouTubeサムネイル用画像(同大学日吉音楽学研究室提供)

また、12日の「古楽アカデミー・オーケストラ・小合唱演奏会」では、器楽クラスの28人と、声楽クラスの12人、合計40人が、古楽オーケストラと合唱とのコラボレーションによる演奏に臨む予定となっています。

全て18世紀の作品となっており、まずはオーケストラ演奏として、フランス・バロック期の管弦楽曲として、ドーヴェルニュ(1713-1797)の「コンセール・サンフォニー変ロ長調」(作品3の1)、ボワモルティエ(1689-1755)の「『ダフニスとクロエ』組曲」、ロワイエ(1703-1755)の「『愛の力』組曲」の3曲を演奏。

また、18世紀後期の宗教小作品として、アントニオ・ロッティ(1667-1740)の「まこと我等の弱さを」や、モーツァルト(1756-1791)の「教会ソナタ第7番ヘ長調」「天主の御母なる聖マリア」、アントニオ・サリエリ(1750-1825)の「神よ、たしかなものとしてください」などのプログラムを予定しています。

今月(2025年)1月12日(日)開催「慶應義塾大学古楽アカデミー・オーケストラ・小合唱演奏会」のYouTubeサムネイル用画像(同大学日吉音楽学研究室提供)

今月(2025年)1月12日開催「慶應義塾大学古楽アカデミー・オーケストラ・小合唱演奏会」のYouTubeサムネイル用画像(同大学日吉音楽学研究室提供)

「18世紀のフランスのオーケストラ音楽が、ピリオド楽器(古楽器)で演奏される機会は稀なので、貴重な経験になるのでは」(平山さん)と、当日の来場を呼び掛けます。

いずれの演奏会についても、石井明教授による限定配信動画で細やかな曲目などの解説を行っているほか、当日および演奏会後にも収録した映像を配信する予定です。

当日は入場無料(事前申込不要)で参加が可能ですが、開催主旨や楽曲について理解できる年代層からの来場を勧めており、「ほかのお客様の迷惑にならないような対応(特に子連れの場合など、静かに聞けない際には出入口近くに座り、すぐに退出するといった対応)をお願いできれば」(主催者)とのことです。

【関連記事】

慶應日吉でクラシック音楽の歴史を体感、6月30日(日)に「古楽アカデミー」演奏会(2024年6月28日)

【参考リンク】

慶應義塾大学日吉音楽学研究室 2024年度 藤原洋記念ホール演奏会シリーズ~コレギウム・ムジクム・オーケストラ演奏会/古楽アカデミーオーケストラ・小合唱演奏会(慶應義塾大学教養研究センター)

慶應義塾大学 日吉音楽学研究室の公式サイト ※演奏会情報の詳細(動画へのリンク)など

協生館へのアクセス(慶應義塾大学)


カテゴリ別記事一覧