横浜市全体では救急車の出場件数が過去最多のペースで増えているものの、港北区では減少する効果も見られています。
横浜市港北消防署(大豆戸町)は過去最多のペースで増える救急出場を、より適正な利用とするための協力を呼び掛けるチラシ(A4サイズ)を制作。
昨年(2023年)の港北区内での救急要請の割合について、軽症が最多の約40パーセント、不搬送が約22パーセントと合わせて6割を超えたことを受け、今年(2024年)9月中旬から港北区内で約8000枚を掲出・配布しています。
掲示用のチラシは「クイズ形式」で2問のクイズと回答を掲載、救急車が市で何分に1回出場しているかを問いかけるもの(約2分4秒に1回)や、港北区にある救急車の隊数(10月から7隊に増隊)についても触れ、「救急車は命をまもる車です」と、その適正利用を呼び掛けています。
また、15歳以下の「こども」、「おとな」、そして「高齢者」各世代向けに3種類制作されたチラシでは、まずは約6割超が軽症や不搬送であることを円グラフで視覚に訴えるように表示。
それぞれの年代別で、「119番」で救急車を呼ぶべき症状についても詳しく掲載しています。
今回のチラシの制作について、「高まる救急需要に対し港北消防署救急需要検討会を開催し、若手職員のアイデアを募りました」と、同消防署救急担当係長の穂積勇基(ゆうき)さん。
「目を引いて、手に取ってもらえる」をコンセプトにしたイラストを多く含めた広報物として仕上げたといいます。
これからの制作物の効果か、市全体での救急出場件数は増加しているものの、港北区では1万7615件(11月17日現在の速報値)と、対前年でマイナス71件となっています。
過去10年間に遡(さかのぼ)ると、横浜市内の救急件数は17万3772件(2013年)から25万4636件(2023年)と約1.5倍に迫る勢いで増加しており、救急隊1隊あたり1年間に約3000件(2023年末時点)も出場しているとのことです。
急な病気やケガで救急車を呼ぶか迷ったら、かながわ救急相談センター(11月から神奈川県に移管、電話で#7119もしくは045-232-7119、045-523-7119番、またはパソコン・スマートフォンから「横浜市救急受診ガイド」で検索=救急車や受診の必要性の確認が可能とのこと)の利用を呼び掛けます。
一般財団法人全国消防協会(東京都港区)が全国に配布した「救急車が来ない!」と頭を抱える女性のポスターもインパクトがあり反響が大きいとのことで、救急車が本来の「生命を救えるか」といった重大な局面での利用につながることが望まれます。
【関連記事】
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【参考リンク】
・あんしん救急ー知って予防!救急車(横浜市消防局救急企画課)
・港北区内の火災・救急状況について~港北消防署(2024年11月「定例会」資料~港北区連合町内会・PDFファイル)
・かながわ救急相談センター(♯7119)(神奈川県健康医療局)
・火災予防運動用ポスター等の配布(一般財団法人全国消防協会)