「高田学舎」として開校した1874(明治7)年から今年で150周年。記念式典や地域からのプレゼント“ミニ花火大会”で記念の日を彩ります。
横浜市立高田小学校(高田町)は、今月(2024年)11月23日(土)午後、「創立150周年記念式典」を開催しました。
「創立150周年記念式典」の日を迎えた高田小学校。各教室の窓に記念キャラクター「タカタロー」の姿も(11月22日)
地域内外からの来賓や関係者など含む約50人が出席・参加し学校の歴史の節目となる時間を共有。
過去10数年のPTA役員や学校地域コーディネータ―経験者らにより構成された、地域在住という「150周年記念行事実行委員会」のメンバーと、学校教職員により準備が行われてきたとのこと。
「オープニングセレモニー」では地元・興禅寺(こうぜんじ)(高田町)で活動を行う「横浜興禅寺雅楽会」の皆さんが演奏を行った
子どもたちが学年ごとにパーツを制作したという「紙のバースデーケーキ」や、児童会のテーマ「きぼうのわ」の壁面飾り、全校児童によるメッセージを合わせた「高田小150th」と2色の台紙の組み合わせで描かれた「全校でおめでとうメッセージ」や、各学年ごとに行われた「150周年」に寄せた学びや創作の発表を展示し、来場者を出迎えます。
記念式典の幕開けとなるオープニングセレモニーでは、1874(明治7)年8月に「高田学舎」として開校した際、本堂を借りてスタートしたという近隣に所在する興禅寺(こうぜんじ)(高田町)で活動を行う「横浜興禅寺雅楽会」が演奏を披露。
岩﨑裕一郎副校長が「開式のことば」を述べた後、横浜市教育委員会事務局の石川隆一教育次長が山中竹春市長のメッセージを代読、また石川次長自身も教育委員会としてのあいさつを行います。
昨年度(2023年度)から高田小学校に赴任した山本校長は「150周年ということもあり、いろいろなところでお声かけいただいた。高田の町で高田小学校が愛されてきたことを感じている」と語る
続いて、昨年度(2023年度)から着任した山本純(すみ)校長があいさつを行った後、午前中に行われた、子どもたちが企画したという「150周年児童記念式典」の模様を紹介。
来賓代表として、高田町連合町内会会長で、卒業生でもある相沢一夫さんが、父も卒業生で祖父がPTA会長だったこと、入学した1966(昭和41)年度には児童数が417人だったが、卒業した1971(同46)年度には992人まで増えていたこと、また校舎の変遷についても語り、その歴史の長さや深さを伝えます。
出席者代表としてあいさつした高田町連合町内会の相沢会長は、自身が4年生在学時だった「95周年」と、1999年の「125周年」冊子を持参。「95周年は盛大だった。また125周年の冊子はとても良くできている。これを見れば高田小学校の歴史が全部わかる」とこれまでの周年行事について振り返っていた
同窓会を30年間運営する中、結婚したカップルが4組あったことについても触れ、「私も、高田小学校や町内会活動などで携わっている際に、この地域の方がみえる、本当に幸せと感じます。小学校、中学校時代の友だちを大事にして、といつも子どもたちに伝えています。卒業生の皆さんは、母校の友だちをこれからも大事にし、地域をささえていってもらえたら」と、地域の未来を担う子どもたちへの熱き想いを伝えていました。
さらに卒業生からのメッセージ動画を紹介した後、実行委員長でPTA会長の村井善延さんから山本校長に「桜の木5本」の目録を贈呈。
村井実行委員長(PTA会長)から校章に描かれた「梅」とともに学校のシンボルとなっている「桜の木5本」が贈呈された
校歌斉唱の後、村井さんが「お礼の言葉」を述べ、式典は終了。記念撮影を行い、感動の余韻を分かち合いました。
学校カメラマンによる記念撮影。緊張をほぐす声掛けで「笑顔」に
記念の日を彩る“ミニ花火大会”は「地域からの贈り物」
記念式典が開かれた11月23日17時からは、高田小学校の150周年を祝う「高田花火大会」が同校の校庭で開かれました。
高田町内会と高田地域ケアプラザ(高田西2)の共催にて行われたもので、今年夏の7月20日に開催された「納涼盆踊り大会」時に実施予定だった花火の披露が中止になったこともあり、今回の150周年を祝うためにと企画されたとのことです。
「高田小150周年」を祝う花火大会を高田町内会と高田地域ケアプラザが共催で実施。港北消防団員5人も来場者整理といざの際の対応要員として活躍していた
この花火大会は尺玉の打ち上げ花火や手持ち花火ではなく、「色々な噴出花火」で秋の夜を彩るというコンセプトで、約10分間の予定、実際には約15分間と「短い時間」(主催者)で行われましたが、この日は校内で配布された案内や町内での掲示により来校した約300人の家族連れなどが、少しずつ花開く花火や、ラストの「ナイアガラ花火」の美しさを堪能。
高田の夏の風物詩となった「ナイアガラ花火」が晩秋に登場。その美しさに「消えるな」という子どもたちの大きな掛け声があがっていた
打ち上げ花火が上るたびに子どもたちから「たまや」との声が合唱のように会場から沸き起こるなど、忘れられない150周年の秋の夜の記憶として、後の50年間も語り継がれることになりそうです。
【当日の様子】
晴天に恵まれたものの、日中は最大4メートル台の風が吹く時間帯も。プレハブ校舎側にもお祝いのメッセージが掲げられていました
地域などからは約40人を招き体育館で記念式典を開催。過去には150人を招くなど盛大に行われたこともあったとのこと
入口では全学年の児童が制作した「紙のバースデーケーキ」を展示。「150周年キャラクター大投票」エントリー作品や各学年による学習の成果の展示も
マスコットキャラクターに選ばれた「タカタローができるまで」も詳しく書かれていました
各学年一人ひとりの想いが詰まっているかのようでした
記念の合唱曲として子どもたちが歌った「絆」(山崎朋子作詞作曲)の文字をかたどった作品では、体験学習を行った愛川繊維(せんい)会館レインボープラザ(愛川町)での藍(あい)染めを使用しています
6年生の展示では日光修学旅行で制作した栃木県の名産・かんぴょうを使用した「ふくべ細工」も飾られていました
オープニングセレモニーとして「横浜興禅寺雅楽会」の皆さんが演奏。曲目の解説の上、 平調音取(ひょうじょうねとり)と越天楽(えてんらく)の2曲を披露しました
厳かさと華やかさに満ちた時間・空間。拍手で退場を見送りました
元小机小学校副校長で今年着任したばかりの岩﨑裕一郎副校長が開式のことばを述べました
市教育委員会の石川教育次長は、来年度(2025年度)から「たかた科」の授業の創設を試みるという、地域とのかかわりや、横浜市で多くないという「併設型小中一貫教育ブロック校」として、高田中学校や高田東小学校との連携を行っての9年間の学びを通じ、自分らしく生きる子どもの育成を目指す取り組みに注目していると語っていました
子どもたちが企画したという「150周年児童記念式典」の動画では「誕生日ケーキ」入場のシーンも
「たかた科」の授業では興禅寺を訪問。来年度からあらたに独自授業としてスタートするとのこと
子どもたちにも流されたという卒業生の「メッセージ動画」には学校、地域や友だちへの想いがあふれていました
「輪唱は珍しい」という校歌を合唱
菅原道真公を祭る天満宮「高田天満宮」(高田西3)に由来する「梅の記章が 光ってる」との歌詞も
村井実行委員長がお礼の言葉として「今の児童が200周年に出るのかな(と想像している)。地域の皆さん、学校の先生、そして私も地域の一人として今の子どもたち、これからの子どもたちを温かくみまもっていきたいし、いけたらいいなと考えています」と語っていました
2011(平成23)年から3年間PTA会長を務め、初代「学校地域コーディネータ―」として活躍した小牧千代子さんが実行委員として活躍。感謝の想いを伝えていました
地域の皆さんからの拍手も
実行委員会の皆さんへの拍手も寄せられていました
最後は学校カメラマンによる記念撮影も
竹下幸紀港北区長、港北区こども家庭支援課の宮澤ゆう子課長も招かれていました
拍手を受けた小牧さん(右)と、高田西4丁目「塩谷寺」16代住職・光明幼稚園3代目の園長・福寿亮賢さん(左)の姿も。卒業生でもある福寿さんは「6年生の給食時に校長先生と校長室でグループ懇談を行い、『ここにいる友だちは一生の友だちになる』と言われましたが、実際にそうなりました」と、当時を振り返っていました
150周年の記念品。キャラクター「タカタロー」が躍動する「記念誌」は全34ページ・フルカラーで記念誌係が制作。美しい桜の花が彩る「学び舎」をイラストレーションした表紙・裏表紙に包まれています。児童には今の時代らしくタブレット端末で使用可能な「タッチペン」もプレゼントされました
学校やグリーンライン高田駅にも掲出された「高田小学校祝150周年」の横断幕
周辺地域のシンボルとして多くの人々が見守っています
同日17時から行われる「高田花火大会」の告知が掲示板に
風の影響を受けながらも無事に「花火大会」がスタートしました
150周年の「高田小学校」を彩る花火の美しさに大きな歓声も
時々打ち上がる花火にドキドキ・ワクワク感が強まります
約300人が集い花火の行方に釘付けになりました
50年後の「200周年」に向けて、一人ひとりの“夢”がより高く、より大きく花開く高田小学校でありますように
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【参考リンク】
・横浜市立高田小学校のサイト
・【150周年】150周年式典 (同)※「児童式典」についてレポート
・助けあいのまち 横浜高田(たかた)(高田地区社会福祉協議会・高田町連合町内会)
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