都筑区がボッシュと「協定締結」、イベント・文化・教育・経済など“多彩な連携” | 横浜日吉新聞

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都筑区ボッシュ「包括連携協定」を締結。にぎわい、文化振興、次世代育成や多様性、経済振興や防災、環境といった多彩な連携で、新たな地域まちづくりへの期待感が高まりそうです。

横浜市都筑区(茅ケ崎中央3)とボッシュ株式会社(中川中央1)は、今週(2024年)11月19日午後、「地域活性化に関する包括連携協定」を締結。

来年(2025年)3月の都筑区民文化センター「ボッシュホール(Bosch Hall)」のオープンも見据えての新たな地域まちづくりに本格的に取り組むことになりました。

「地域活性化に関する包括連携協定」を締結したボッシュのクリスチャン・メッカー社長(左)と都筑区の佐々田賢一区長

「地域活性化に関する包括連携協定」を締結したボッシュのクリスチャン・メッカー社長(左)と都筑区の佐々田賢一区長

ドイツに本社を置く世界的な自動車部品メーカーの「ボッシュ(BOSCH)」は、1911(明治44)年に横浜で日本の事業をスタート。

1990(平成2)年には日吉元石川線沿いの都筑区内に大型の研究施設「横浜事業所」(牛久保3)を設立以降、区内だけでも3カ所の拠点を置いていましたが、事業部やグループ企業の拠点を集約。今年5月に本社を東京都渋谷区からセンター北駅から徒歩約5分の新本社ビルに移転しています。

9月に竣工式を行ったほか、10月28日からは「ボッシュホール」の内覧会、11月1日からはホール利用の予約受付も開始されていました。

ボッシュ本社前にはドイツ、日本、横浜市、都筑区、そしてボッシュの旗が掲げられている

ボッシュ本社前にはドイツ、日本、横浜市、都筑区、そしてボッシュの旗が掲げられている

約10人のメディア関係者が訪れた中行われた「連携協定締結式」には、都筑区の佐々田賢一区長とボッシュのクリスチャン・メッカー社長、プロジェクトを手掛けてきた下山田淳シニア・ゼネラル・マネージャーが登壇。

両者のあいさつや連携協定についての説明、質疑応答や、高さ4メートルのクリスマスツリーをバックにしての写真撮影に対応し、両者による新たな地域まちづくりのスタートにあたっての未来への夢や決意を共有しました。

7つの分野で「将来への夢」、多様性あふれる街へ

協定に基づき想定される内容は、「にぎわい創出」や「文化振興」、「次世代育成」や「DEI」(ディー・イー・アイ=ダイバーシティ・エクイティインクルージョン、多様性多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包括性(Inclusion)の略)、「経済振興」や「防災」、「環境」の7分野

「にぎわい創出」として、双方で共用する「全天候型広場」を含めた一帯エリアを「ボッシュ・フォーラム・つづき」と命名。「全天候型広場」などでのイベント誘致共催イベントなどの開催、広場の大型ビジョンやデジタルサイネージなどを通じた情報発信での連携を計画しています。

メッカー社長、佐々田区長に続き、ボッシュ株式会社の下山田淳シニア・ゼネラル・マネージャーが登壇、現段階で行われる「連携協定」による事業の説明を行った

メッカー社長、佐々田区長に続き、ボッシュ株式会社の下山田淳シニア・ゼネラル・マネージャーが登壇、現段階で行われる「連携協定」による事業の説明を行った

社員食堂では「都筑野菜」を取り入れたメニューも採用している

社員食堂では「都筑野菜」を取り入れたメニューも採用している

「文化振興」は、至近の場所にある横浜市歴史博物館(中川中央1)や、地域の文化芸術団体などとの連携を視野に入れての活動や、季節に応じた文化振興イベントでの連携を行う予定です。

特に力を入れたいこととして、将来の人材発掘にもつながる「次世代育成」についても言及、ボッシュ社員などによる区内小中学生向けの授業の実施や、横浜市内で展開されている国際交流ラウンジ機能や青少年の地域活動拠点としての機能を有する「都筑多文化・青少年交流プラザ(つづきMYプラザ)」(中川中央1、ノースポート・モール内)との連携、国内外から多くの異なる背景を持つ人々が集うことによる「DEI」の促進を目指す必要性についても訴えます。

「ドイツの普及をどうより深めるか」との記者からの質問に対し、メッカー社長は「私はドイツとも国境を接するフランス・アルザス地方の出身です」と語り、多様な人々を受け容れる会社であるべきであること、また「防災」についての質問には「日本のように災害が多く発生しない国の出身者も多い」と、これからの防災対策にも力を入れていく旨の決意を語っていた

「ドイツの普及をどうより深めるか」との記者からの質問に対し、メッカー社長は「私はドイツとも国境を接するフランス・アルザス地方の出身です」と語り、多様な人々を受け容れる会社であるべきであること、また「防災」についての質問には「日本のように災害が多く発生しない国の出身者も多い」と、これからの防災対策にも力を入れていく旨の決意を語っていた

地元・都筑野菜を使用した社員食堂でのメニュー提供や、「メイドインつづき」と連携したワークショップなどによる「経済振興」、まだ実施内容は未定だという「防災」の取り組みや、ボッシュで力を入れているサステナビリティの取り組みによる「環境」に関することなど、多岐にわたる内容での協定の締結となっています。

クリスマスイベントや「デジタル鳩時計」上映開始も

11月3日に行われた、都筑区制30周年を祝う「都筑区民まつり」や、9日に都筑公会堂(茅ケ崎中央)で行われた「記念式典」にもボッシュは協賛を行い、地域との関係性を深めたといいます。

12月7日(土)10時から20時までと、8日(日)10時から19時まで行われる予定の、2012(平成24)年から参加してきたという「ドイツクリスマスマーケットin都筑」(2024年はセンター北駅前芝生広場で開催)では、サンタクロースのモデルになったといわれる「聖ニコラウス」からの子どもたちへのプレゼントの贈呈での協賛を計画しているといいます。

「ボッシュであったかクリスマス(JOYFUL FAMILY CHRISTMAS at Bosch)」イベントが開催されるボッシュ本社1階の多目的エリア・シアター会場(ボッシュカフェ前)

「ボッシュであったかクリスマス(JOYFUL FAMILY CHRISTMAS at Bosch)」イベントが開催されるボッシュ本社1階の多目的エリア・シアター会場(ボッシュカフェ前)

また、7日(土)8日(日)の10時から17時まで、「ボッシュであったかクリスマス(JOYFUL FAMILY CHRISTMAS at Bosch)」イベントの開催をボッシュ本社1階の多目的エリア・シアター会場(ボッシュカフェ前)で初めて開催。

自由に閲覧可能な絵本300冊を設置しての、クリスマスオーナメント制作のワークショップや、クリスマスにちなんだ絵本読み聞かせ多言語絵本読み聞かせを予定しています。

地元・都筑区を拠点に活動を行う「つづきブックカフェ」とも連携しイベントを開催する予定(プレゼンテーションのスライド画面)

地元・都筑区を拠点に活動を行う「つづきブックカフェ」とも連携しイベントを開催する予定(プレゼンテーションのスライド画面)

また、12月7日13時頃には、「聖ニコラウス」が登場し、クリスマスツリー前での写真撮影に対応する予定とのこと。

ワークショップで制作したクリスマスオーナメントはクリスマスツリーに飾り、クリスマスツリーの装飾を完成させる予定です。

多国籍のボッシュ社員・スタッフが多言語絵本読み聞かせなどをサポートします。ぜひお立ち寄りいただければ」(同社)と、多くの来場を呼び掛けます。

高さ4メートルの美しいクリスマスツリーが出迎えてくれる時間・空間を楽しみたい

高さ4メートルの美しいクリスマスツリーが出迎えてくれる時間・空間を楽しみたい

また、12月20日(金)からは、「オリジナルデジタル鳩時計」の上映をスタート。

都筑区を拠点に活動する「劇団かかし座」が制作した、ドイツの鳩時計を参考に制作されたオリジナル影絵コンテンツを、8時から19時までの毎時0分、1時間ごとに、デジタルサイネージにて上映する予定です。

ボッシュ本社のエントランス付近には「サステナビリティ(持続可能性)」の取り組みが反映された本物の自然の緑も壁面にあふれる

ボッシュ本社のエントランス付近には「サステナビリティ(持続可能性)」の取り組みが反映された本物の自然の緑も壁面にあふれる

メッカー社長は、特に「多様性」の部分において、「私はドイツとも国境を接するフランス・アルザス地方、日本でもよく知られている『最後の授業』(アルフォンス・ドーデ)の舞台の出身です。ドイツ発祥企業としてのドイツ関連の組織・団体とのつながりを深めながら、都筑区はもちろん、東京、横浜、そして世界中からの人が集まる企業として、多様な価値観を受け容れることができれば」と語ります。

様々なストーリーを持つ人々が集う場となることでの地域の活性化、さらにその先の“未来へ夢”を育む場所としての発展を志していく考えです。

協定書を手にするメッカー社長と佐々田区長。ともに歩む「パートナー」としてのさらなる連携に期待したい

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【参考リンク】

ボッシュ株式会社と都筑区が「地域活性化に関する包括連携協定」を締結しました!(横浜市記者発表資料~都筑区地域振興課)

ボッシュ、横浜市都筑区と「地域活性化に関する包括連携協定」を締結(ボッシュ株式会社のプレスリリース)


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