東京メトロ「南北線」が品川乗り入れ、白金高輪で目黒方面と分岐し延伸へ | 横浜日吉新聞

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日吉や新綱島でもお馴染みの「東京メトロ南北線」がいずれ大きく変化することになりそうです。

東京メトロはきのう(2024年)11月5日、南北線の白金高輪駅(東京都港区)から分岐して品川駅(同)まで延伸させる工事に着手したと発表しました。開業目標は「2030年代半ば」としています。

南北線の延伸計画区間(白金高輪~品川)の位置図(「都市計画案及び環境影響評価書案のあらまし~東京都市計画 都市高速鉄道第7号線東京メトロ南北線の分岐線(品川~白金高輪間)計画について」の図表を一部加工)

“品川地下鉄”と呼ばれるこの延伸計画は、白金高輪で目黒方面へ向かう南北線と離れ、新たに品川までの約2.8キロ区間に地下トンネルを掘るもので、開業後は溜池山王と品川間を約12分(現在約14分・乗換1回)で結ぶ計画です。

品川は2034年以降の開業を目指していると言われる“リニア中央新幹線”が始発駅とすることもあり、国土交通省の諮問機関である交通政策審議会が「早期の事業化を図るべき」との答申を2021年に出していました。

新綱島や日吉から都心部への通勤・通学時に通る「白金高輪駅」は東京メトロ南北線と都営三田線の分岐駅となっているが、さらに品川方面への分岐も計画(資料写真、2022年)

計画では溜池山王六本木一丁目などの都心方面から品川へ直通運転する計画としており、現時点で東急目黒線方面から品川への直通は行わない見通しです。

分岐線の延伸工事は白金高輪駅の目黒寄りに位置する既設の折り返し線をそのまま伸ばす形になるといい、目黒寄りの次駅・白金台付近までは目黒方面へ向かう南北線の下部にトンネルを掘削。

東京都都市基盤部の説明によると、延伸区間の最深部は地下60メートルに達するといい、地上から40メートル以下の深さであれば土地所有者の許可がいらない「大深度地下(大深度法)」の適用も検討するとします。

延伸計画区間(白金高輪~品川)の平面図、既存トンネルや計画道路の地下などを活用してトンネルを掘り、中間駅は設けない(「都市計画案及び環境影響評価書案のあらまし~東京都市計画 都市高速鉄道第7号線東京メトロ南北線の分岐線(品川~白金高輪間)計画について」より)

また、延伸区間は白金台駅高輪台駅(都営浅草線)の至近を通過しますが、「トンネルが非常に深い位置を通ることから、既存の駅と位置が上下で離れてしまうため、利便性の低い駅となる」とし、「地上からの掘削が生じるため事業費が高くなることが見込まれることなどを総合的に考慮し、将来的にも中間駅を設置する予定はありません」(2023年6月22日・24日説明会の都回答)といい、加えて品川で京急線と相互直通運転する計画も無いとのことです。

【関連記事】

白金高輪駅から延伸「品川地下鉄構想」、審議会が早期事業化を答申(2021年7月19日)

【参考リンク】

新たな未来へ向けた第一歩!有楽町線延伸(豊洲・住吉間)及び南北線延伸(品川・白金高輪間)新線プロジェクトが本日ついに始動します(東京メトロ、2024年11月5日)

東京メトロ南北線の分岐線(品川~白金高輪)計画(東京都都市基盤部)


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