旧港北区の名所だった川和町「中山恒三郎家」、年に一度の公開は10月27日に | 横浜日吉新聞

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かつて横浜市北部の名所だった旧家を見学できる年に一度の機会です。

今月(2024年)10月27日(日)に市営地下鉄グリーンライン・川和町駅近くの歴史的建造物「中山恒三郎(つねざぶろう)家」の建物内や蔵の内部が一般公開されます。

同家を管理する有限会社中山松林甫(しょうりんぽ)と、横浜市歴史博物館などを運営する横浜市ふるさと歴史財団が主催。

「令和6年度 中山恒三郎家公開」の案内チラシ、2024年の一般公開は10月27日(日)10時から15時に行われる(横浜市ふるさと歴史財団のニュースリリースより)

「都筑(つづき)郡」の中心地として明治期から栄えていた川和の町。江戸期から続く中山恒三郎家は、かつて菊園「松林圃(しょうりんぽ)」を敷地内に置き、明治期には1500種の菊を栽培し宮内省(現・宮内庁)にも献上。菊の名所として関東一円に広く知られました。

同家が代々経営していた酒問屋「中山恒三郎商店」が1980年代中ごろまでに事業を停止した後は、邸宅や蔵などがそのまま残されており、改修を行ったうえで2017(平成29)年から年に一度のペースで公開が行われています。

大正時代の菊園「松林圃(しょうりんぽ)」、観菊会の場には当時の皇族や政治家、文人、著名人が訪れた記録が残る(2022年の展示写真より)

今年は、かつて皇族が観菊に訪れた際の宿泊場所にも使われたという「書院」(横浜市認定歴史的建造物)と、中山家の民俗資料を保管している「諸味蔵(もろみぐら)」の内部と資料類を公開するほか、同様に市認定歴史的建造物の「店蔵(みせぐら)」と「麹室(こうじむろ)」などは外観見学が可能です。

横浜市認定歴史的建造物の「書院」は内部の見学が可能(2023年11月)

中山恒三郎家は、川和町駅から一本道の中山上麻生道路(バス通り)をららぽーと横浜方面へ徒歩約10分。新横浜駅からは東急バス「市03系統」で「川和団地下」バス停から徒歩約2分の距離です。

当日の公開時間は10時から15時までで、事前の予約は不要となっています。

グリーンライン・川和町駅から「中山恒三郎家」へのマップ、新横浜駅から東急バス「市03系統」を利用し「川和団地下」停留所からも近い(案内チラシより)

都筑・青葉・緑の3区を含んだ「旧港北区」エリアで明治から大正期の記憶を今に伝える貴重な史跡の姿を目の前で見学してみてはいかがでしょうか。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

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<旧港北区>地域屈指の「豪商」が伝える川和の繁栄、3年ぶりに公開された旧家(2022年12月7日、公開時の様子)

【参考リンク】

中山松林甫(しょうりんぽ)(中山恒三郎家の案内ページ)

2024年10月27日(日)10:00~15:00実施「令和6年度 中山恒三郎家公開」の案内(横浜市歴史博物館)

川和町「中山恒三郎家」の場所(グーグルマップ、「川和団地下」バス停近く。バス通りから丘の上にある同家までは上り坂、川和保育園が目印)


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