日本都市ファンド投資法人、旧ヨーカドー綱島店の信託受益権を90億円で譲渡へ | 横浜日吉新聞

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日本都市ファンド投資法人(東京都千代田区)はきのう(2024年)9月5日、旧「イトーヨーカドー綱島店」(綱島西2、8月18日閉店)の土地・建物などから運用益を受け取る「信託受益権」について、来年3月3日までに計90億円で譲渡する方針を発表しました。譲渡先は非公表。

1982(昭和57)年から営業してきた「イトーヨーカドー綱島店」は8月18日に閉店した。敷地面積は約5043平方メートルで、地下1階・地上4階建ての建物は築42年に達している(8月18日)

イトーヨーカドー綱島店の土地や建物は、今から20年前の2004(平成16)年6月に証券化されており、管理や処分を行う「受託者」を三菱UFJ信託銀行(当時は三菱信託銀行)とし、信託受益権は日本都市ファンド投資法人(当時は日本リテールファンド投資法人)がナイスコミュニティー株式会社(鶴見区)から50億円で取得していました。

このほど、メインテナントの撤退にともない、同投資法人はテナントを入れ替えて継続保有するか、譲渡するべきかなど「複数シナリオを検証」(日本都市ファンド投資法人)してきたといいます。

旧イトーヨーカドー綱島店の信託受益権を譲渡することに関する日本都市ファンド投資法人の発表資料(9月5日)

その結果、鑑定評価額に対し「75%上回る価格で、かつ約45.6億円の売却益を獲得できる資産の譲渡を選択することが、投資主価値の最大化に資するものと判断しました」(同)とのこと。譲渡は来年2月28日と3月3日に二段階で実施する計画です。

譲渡先については国内の事業会社だといい、「先方からの了承を得られていない」(同)として非開示としました。

今回、信託受益権の譲渡が決まったことで、譲渡が完了する来年3月までには旧イトーヨーカドー綱島店の跡地に関する何らかの動向が見えてくることになりそうです。

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【参考リンク】

国内不動産信託受益権の譲渡及び取得に関するお知らせ【譲渡:イトーヨーカドー綱島店、取得:クロス向ヶ丘】PDF、2024年9月4日、日本都市ファンド投資法人)

日本都市ファンド投資法人のポートフォリオ「イトーヨーカドー綱島店」(取得日2004年6月24日、当時の取得金額は50億円)


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