小学校に「大手テレビ局」が来校。過去の震災映像や著名アナウンサーの呼び掛けによる“特別授業”でリアルに防災を学びます。
今年(2024年)7月2日午前、横浜市立港北小学校(菊名2、山口昭代校長)で、大手テレビ局の株式会社フジテレビジョン(フジテレビ、東京都港区・港浩一社長)の制作スタッフやアナウンサー、社会貢献部門の社員らが来校。
昨年(2023年)12月に横浜市と株式会社フジテレビジョン(東京都港区、港浩一社長)が「防災・減災の市民啓発に関する連携協定」を締結したことによる防災活動の一環としての、市内小学校での初めての授業を行いました。
この日、まずは3年生から6年生まで「中・高学年」の児童に「『映像で学ぶ』地震の怖さ」をテーマとした初の授業を体育館で実施。
同テレビ局に寄せられた、2011(平成23)年3月に発生した「東日本大震災」(最大震度7、マグニチュード9.0)や、今年1月1日に発生した「能登半島地震」(石川県、最大震度7、同7.6)発生直後などの映像を、体育館じゅうに響きわたる“リアル”な音声や映像ともに、災害の発生の恐ろしさ、その“瞬間”に身を守る対応の必要性を伝えます。
また、入れ替わっての1年生と2年生の「低学年」児童には、より分かりやすく伝えるためにと、「クイズで学ぶ防災」授業を企画。
体育館のスライドイラストや写真、大きな文字を交えたスライドとアナウンサーのトークで、身を守る「みんなでダンゴムシのポーズ」や、同局の幼児番組から誕生したキャラクター「ガチャピン」を、毛布の端を丸めて作る“簡易担架(たんか)”で持ち上げる「ガチャピン簡易担架体験」も行いました。
中休みの時間には、全校生徒を対象とした「抜き打ち」での避難訓練を実施するという“サプライズ”も。
突然、「地震です」というアナウンスが流れ、身を守るためにと、とっさの判断で机にくぐる、ヘルメットを被る、安全な場所に移動するといった対応を確認し、校庭に避難。
避難途中に「余震」が発生するという想定での再びのアナウンスが流れるという状況も再現し、東日本大震災や能登半島地震でも見られた、実際に繰り返し猛威を振るう地震の恐怖をより“リアル”にイメージできるかの訓練を行っていました。
最後に、“報道のプロフェッショナル”としての番組制作スタッフも躍動。再びの“サプライズ”で、急きょ「ニュース番組」として当日撮影したばかりの訓練の模様を、生中継を交えながら各教室に配信し、子どもたちの記憶に当日の模様を焼き付けていました。
今年1月に発生した「能登半島地震」のほか、今月8月8日には最大震度6弱(同7.1)の宮崎県日向灘を震源とする地震が発生、初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が気象庁から出される(8月15日17時まで)など、地震や震災への備えの必要性が高まっています。
8月9日には、神奈川県西部の厚木市や中井町、松田町、清川村で震度5弱(マグニチュード5.3)の地震も発生するなど、より身近な場所でも“不安”を感じざるを得ない状況となっています。
横浜市でも、東日本大震災(2011年)の教訓から、「南海トラフ巨大地震」のほか、「元禄型関東地震」(震度7、マグニチュード8.1)、「東京湾北部地震」(マグニチュード7.3)、そして「慶長型地震」(東京湾への大きな津波をもたらし満潮時には横浜市内でも海抜約4.9メートルまで浸水)の4つのタイプの地震発生の可能性を想定しており、いつ起こるかわからない「大地震」への備えをより一層行っていく必要があるといえそうです。
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です
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【参考リンク】
・株式会社フジテレビジョンとの防災・減災にむけた連携について(横浜市総務局 地域防災課)