今なら朝ラッシュ時でもかなり空いています。
2023年度(2023年4月~2024年3月)の鉄道主要区間における「混雑率調査」の結果が今月(2024年)8月2日に国土交通省から発表され、初めて調査対象となった東急新横浜線は「46%」とほぼ着席できる程度の空き具合でした。
この調査は、各路線の主要区間でもっとも混雑する時間帯と区間における1時間平均の混雑率を調べたもので、主に昨年(2023年)10月から11月の1日または複数日のデータをもとに計算したもの。
新型コロナ禍を機に大きく緩和されていた混雑率ですが、近年は多くの路線で上昇に転じています。
注目は昨年3月に開業した東急新横浜線で、朝7時30分から8時30分までラッシュ時間帯における混雑率は46%(新綱島→日吉間)にとどまりました。
混雑率は100%で「定員乗車。座席につくか、吊り革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる」(日本民営鉄道協会「鉄道用語事典」)という状態を指しており、東急新横浜線の46%という数値は、ほぼ着席可能な車内環境といえます。
一方、東急電鉄では、東横線と目黒線ともに1編成あたりの平均車両数を増やしたものの混雑率が上がっていました。
緩和も東横線より高いグリーンライン
一部列車の編成を4両から6両に増やしていた横浜市営地下鉄グリーンラインは前年度と比べてマイナス4%の123%となり、混雑緩和に一定の効果が見られます。
それでも東横線(祐天寺→中目黒間、120%)より3%高い混雑率となりました。
なお、東京圏の平均混雑率は136%(前年123%)でした。
2023年度の主な周辺路線の平均混雑率は次の通りです。
2023年度(2023年4月~2024年3月)の平均混雑率
※右側の数字は対象時間帯における1編成あたりの平均両数と運転本数
<市営地下鉄グリーンライン>
- 2023年度:日吉本町 → 日吉(7:15~8:15)123%(-4%)4.5両×18本
- 2022年度:日吉本町 → 日吉(7:15~8:15)127%(0%)4.1両×18本
- 2021年度:日吉本町 → 日吉(7:15~8:15)127%(+18%)4両×18本
- 2020年度:日吉本町 → 日吉(7:15~8:15)109%(△54%)4両×19本
- 2019年度:日吉本町 → 日吉(7:15~8:15)163%(+2%)4両×19本
<東急新横浜線>※2023年3月開業
- 2023年度:新綱島 → 日吉(7:30~8:30)46%(―%)8.3両×15本
<東急東横線>
- 2023年度:祐天寺 → 中目黒(7:50~8:50)120%(+2%)9両×24本
- 2022年度:祐天寺 → 中目黒(7:50~8:50)118%(+2%)8.8両×24本
- 2021年度:祐天寺 → 中目黒(7:50~8:50)116%(△7%)8.8両×24本
- 2020年度:祐天寺 → 中目黒(7:50~8:50)123%(△49%)8.8両×24本
- 2019年度:祐天寺 → 中目黒(7:50~8:50)172%(0%)8.8両×24本
<東急目黒線>
- 2023年度:不動前 → 目黒(7:50~8:50)127%(+7%)7両×24本
- 2022年度:不動前 → 目黒(7:50~8:50)120%(+20%)6.3両×24本
- 2021年度:不動前 → 目黒(7:50~8:50)100%(△26%)6両×24本
- 2020年度:不動前 → 目黒(7:50~8:50)126%(△52%)6両×24本
- 2019年度:不動前 → 目黒(7:50~8:50)178%(+4%)6両×24本
<横須賀線>
- 2023年度:武蔵小杉 → 西大井(7:26~8:26)134%(+10%)13両×10本
- 2022年度:武蔵小杉 → 西大井(7:26~8:26)124%(+14%)13両×10本
- 2021年度:武蔵小杉 → 西大井(7:26~8:26)110%(△7%)13両×11本
- 2020年度:武蔵小杉 → 西大井(7:26~8:26)117%(△78%)13両×11本
- 2019年度:武蔵小杉 → 西大井(7:26~8:26)195%(+11%)13両×11本
【関連記事】
・【前年記事】まだ混んでる「グリーンライン」、2022年度も東横・目黒線より高い混雑率(2023年7月24日)
【参考リンク】
・三大都市圏の平均混雑率が増加~都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和5年度実績)(国土交通省、2024年8月2日)
・混雑率について(日本民営鉄道協会「鉄道用語事典」)