日吉駅にツバメは戻るか、日本野鳥の会が東急電鉄の“見守り”を表彰 | 横浜日吉新聞

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日吉駅構内でまた来年以降にツバメと出会えるシーンはやってくるのでしょうか。

1934年(昭和9年)に創立、今年(2024年)で90周年を迎えた自然保護活動を行う「日本野鳥の会」(公益財団法人、東京都品川区)は、先週7月12日午前、東急電鉄株式会社(同渋谷区)を表彰。

ツバメの巣や生息環境を温かく見守っている団体として、田園調布駅(同大田区)での感謝状の贈呈を行いました。

「日本野鳥の会東京」大塚豊代表から田園調布駅の岸達也駅長に感謝状が手渡された。新宏之副駅長はじめかつて日吉駅で勤務した社員も多く来場していた(田園調布駅)

「日本野鳥の会東京」大塚豊代表から田園調布駅の岸達也駅長に感謝状が手渡された。新宏之副駅長はじめかつて日吉駅で勤務した社員も多く来場していた(田園調布駅)

ツバメの「子育てを見守ってくれてありがとう」という言葉とイラストが描かれたステッカーもプレゼントされていた

ツバメの「子育てを見守ってくれてありがとう」という言葉とイラストが描かれたステッカーもプレゼントされていた

東急電鉄や公益財団法人日本野鳥の会からも担当者が来訪し懇談の時間も

東急電鉄や公益財団法人日本野鳥の会からも担当者が来訪し懇談の時間も

同会では、全国的に数を減らしているツバメを守るため、2019年から、ツバメの子育てを応援している企業や団体などに感謝状を贈呈しています。

現在、東急電鉄では沿線の12駅ツバメの巣を見守っているとのこと。

田園調布駅でもツバメの巣を見守っている。最左が日吉在住の福澤さん

田園調布駅でもツバメの巣を見守っている。最左が日吉在住の福澤さん

今回の受賞は、日吉駅(日吉4)でのツバメの“見守り”活動がきっかけだったといい、全社での取り組みであったことから、会社全体としての表彰に至ったといいます。

近郊に約40年来在住している「日本野鳥の会東京」所属の福澤賢治さんは、「引っ越してきた当初は、商店街のあちこちで巣を作っていたように記憶しています」と、まだ地上駅だった頃の日吉駅の風景を思い起こします。

岐阜県出身の福澤さんは小学校時代の担任が「日本野鳥の会」会員でもあり、「薫陶され、中学入学とほぼ同時に(同会の)会員になっていました」と語る

岐阜県出身の福澤さんは小学校時代の担任が「日本野鳥の会」会員でもあり、「薫陶され、中学入学とほぼ同時に(同会の)会員になっていました」と語る

1991(平成3)年11月に日吉駅が地下化されて以降、「ツバメが好む広大な吹き抜けができたため、2000年頃は10カ所くらい巣がありました」と、おそらく“最盛期”を迎えた日吉駅でのツバメとの“共存”を懐かしみます。

しかし、現在は「カラスに片っ端から襲われてしまい、ツバメが減少しています。カラスは、ツバメのヒナが巣立つ直前まで成長するのを待って巣を襲っています」と、駆除が進む東京都内から逃れ神奈川県にやってきているというカラス被害によるツバメの生息環境の悪化を嘆きます。

日吉駅構内に再びツバメが戻って来られるかが気になるところ(2020年5月、日吉駅改札内)

日吉駅構内に再びツバメが戻って来られるかが気になるところ(2020年5月、日吉駅改札内)

また、日吉駅では、コンコースや自由通路での天井リニューアル工事が今年4月から開始されており、完成は2026年春ごろまでを予定しています。

2年ほどかけて改札階にあるすべての天井を一新する計画となっていることから、来年以降、ツバメがまた無事に「戻って来られるのか」にも注目が集まりそうです。

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【参考リンク】

消えゆくツバメをまもろう(公益財団法人日本野鳥の会)


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