【法人サポーター会員による提供記事です】創業50年超、箕輪町での開店からは45年超の歴史を重ねた老舗の「理容店」が閉店。最後の来店客との別れを惜しみました。
箕輪町三丁目バス停から徒歩1分、日吉駅や日吉本町駅からは徒歩約12分の住宅街(バス通り沿い)にある「イケダ(池田)理容室」(箕輪町3)は、先月末(2023年)3月31日(金)を最後に営業を終了。
「地域密着」の店舗として知られる同店の閉店を知り訪れた最後の来店客を迎え、カットと顔そりを終えた後、半世紀以上親しんだ鋏(はさみ)を置く瞬間を迎えていました。
経営者で理容師の池田由蔵(よしぞう)さんは秋田県湯沢市出身。横浜商業高校理容科(磯子区)に進学した後、横須賀の理容室で修業、1970(昭和45)年に石川町(中区)で独立開業します。
しかし物件が「賃貸」だったことから、新たに現在地の物件を取得して1977(昭和52)年9月に移転オープン。
半世紀近い歴史をこの街でも重ね、仕事のみならず、1994(平成6)年から2017(同29)年11月までの「ギャラリー池田(レンタルホ-ル池田)」の運営や、地元の商工業者が集う「箕輪町商工会」での地域活動、子どもたちの交通安全を見守る「港北交通安全協会」のボランティアとしても参加するなど、箕輪町周辺の人々に愛されながらの“地域の一員”としての活動を日々行ってきました。
閉店理由は「80歳になったから」と池田さん。
妻のよし子さんとともに歩んだ日々の中で、最も大変だったのは「10年ほど前に、よし子(さん)が、アキレス腱(けん)を切ってしまった時。それでも仕事をやってくれて、本当に助かったのですが、本当につらい思いをしました」と、よし子さんの“支え”なくしては店が成り立たなかったことについても明かし、その労を労(ねぎら)います。
よし子さんは「女性が(自営業者として)働くのは、家事労働などもあり、とても大変なこと。睡眠だけはしっかりとって、身体を労ってほしい」と、自身の経験も踏まえて、地域で働く“女性”たちへのアドバイスを力強く語っていました。
池田さんは、「地域で長く事業を行う、溶け込むためには、“長く続けること”」としみじみとその歩みを振り返りながら語ります。
この日、最後の顧客として来店した箕輪町在住の斉藤忠一さん、愛さん親子と、箕輪町商工会の文岡広幸会長が池田さん、よし子さんに花束を贈呈し、最後の時間を“笑顔”で見送っていました。
池田さんは「港北交通安全協会」のボランティアからも引退し、「これから何に挑戦するかは思案中です。色々なアイデアは沸いてきているのですが」と、少し恥ずかしそうに語ります。
店舗前のバス通りがまだ未舗装だった時代から、現在までの箕輪町の発展を見つめ、支えてきた池田さん、よし子さん夫妻の、地域に密着しての「地道」にも見える生き方、その姿は、多くの人々にとっての“かけがえのない”存在として語り継がれていくことになりそうです。
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【参考リンク】
・1970(昭和45)年創業、箕輪町3丁目「池田理容室」が3月31日(金)で閉店いたします(箕輪町商工会)
(法人サポーター会員:箕輪町商工会 提供)