日吉の戦争遺跡を学び伝える、2023年の「ガイド」養成講座は4月から全4回 | 横浜日吉新聞

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日吉台地下壕を語り継ぐガイドの養成講座が2023年も企画されました。

1989(平成元)年から35年近くにわたって活動を続ける「日吉台地下壕(ちかごう)保存の会」(阿久澤武史会長)は来月(2023年)4月15日(土)から7月15日(土)まで全4回にわたって開く「日吉の戦争遺跡ガイド養成講座」の受講者を募集しています。

2023年の「日吉の戦争遺跡ガイド養成講座」の案内チラシ(同会提供)

日吉台地下壕は第二次世界大戦(太平洋戦争)の末期に旧帝国海軍が構築した地下施設で、主に慶應義塾大学日吉キャンパスの地下に約2600メートルの規模で広がります。

戦後は長らく“放置”されていた日吉台地下壕ですが、1989(平成元)年に慶應義塾の関係者と市民らによる保存の会が結成され、戦争遺跡としての調査や研究が進められてきました。

同会では「戦争の物言わぬ語り部」として地下壕の見学会を定期的に開いており、ガイドの養成も独自で行っています。

この間の新型コロナウイルス禍では見学会などの活動は制限されましたが、昨年(2022年)は3年ぶりにガイド養成講座を開講し、見学会などの催しも再開。港北区内の小学校などで出張講座も開いてきました。

日吉台地下壕保存の会の公式サイト

昨年2月にはロシアがウクライナを軍事侵攻したことを契機に戦争への懸念が高まっているだけに、講座での受講者の関心も高まっているといい、ガイドとなって身近な戦争遺跡を学び伝える意義はより大きくなりそうです。

ガイド養成講座(全4回)の参加費は2000円でハガキ又はFAXでの申込が必要となっています。

今回の開催日程と内容は次の通りです。

第1回:4月15日(土)13時~15時30分(慶應大学来往舎・中会議室)

→「私たちのガイド活動」として歩みや見学会の進め方などの概要を学ぶ

第2回:5月20日(土)13時~16時(東横線日吉駅前に集合)

→「キャンパス外から見る海軍地下壕群」と題してのフィールドワーク

第3回:6月17日(土)13時~15時30分(慶應大学来往舎・大会議室)

→「日吉の地下壕と海軍の動き」と題し、地下壕についての歴史などを学ぶ

第4回:7月15日(土)13時~15時30分(慶應大学来往舎・中会議室)

→「ガイドの手引き」説明、私たちのめざすものなど、講座のまとめ的な内容

【関連記事】

・【前年記事】今こそ「日吉の地下壕」の歴史を語り継ぐ、保存の会が3年ぶり養成講座(2022年7月7日)

<コラム>引き裂かれた日吉村、次に来たのは大迷惑な日本海軍とアメリカ軍(2016年1月10日、地下壕が掘られるまでの歴史)

【参考リンク】

日吉台地下壕保存の会公式サイト(総合案内)


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