「いっとき避難場所」で“近助”を実現、師岡町の町内会で3年ぶり防災訓練 | 横浜日吉新聞

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住み通う街の「いっとき避難所」を自分たちの手でつくり守る“3年ぶり”のチャレンジがおこなわれました。

港北消防署員を招きおこなわれたAED装着・使用訓練のようす(2月18日、師岡町会館)

港北消防署員を招きおこなわれたAED装着・使用訓練のようす(2月18日、師岡町会館)

横浜市港北区師岡町のうち、師岡郵便局から区役所前交差点手前まで環状2号線の左右に広がる「南谷戸」をエリアとする「師岡南町内会」は、きのう(2023年)2月19日(土)、13時30分から15時30分まで、2020年以来となる「いっとき避難所防災訓練」を開催。

港北消防署(大豆戸町)から講師となる消防署員を招き、町内会員自らが「いっとき避難所」の運営をおこなう際を想定しての防災訓練をおこないました。

横浜市のサイトによると、大地震などの大災害が発生した際、指定された小・中学校に設営される「地域防災拠点」(同町内会では横浜市立師岡小学校を指定)に限らず、近くの学校、公園、広場など、近くの安全な場所に避難するとし、その際に「いっとき(一時)避難所」もその一つとしています。

会館前に簡易トイレも設営し使用方法などの確認もおこなった

会館前に簡易トイレも設営し使用方法などの確認もおこなった

同町内会で「いっとき避難所」を設営した際に必要になるであろう簡易トイレの設営や受付対応、消火器を使用した消火訓練や簡易担架(たんか)作成と説明、心肺蘇生AEDを使用した訓練、民生委員などによる安否確認訓練、消防署員による講話など、“いざ”大地震が発生した際の対応についても知識や対処方法を共有していました。

「わが家は無事」とのサインとして、午前中の決められた2時間に、「玄関や郵便受けのあたりに白いタオルをかけてもらう方法での訓練も実施しました」と鈴木大成(ひろしげ)会長(師岡地区連合町内会長)。

防災訓練については掲示板や回覧板で告知。「いざという時の“防災の主役”はあなたです」と日頃からの防災対策や家族会議、訓練への参加を呼び掛ける

防災訓練については掲示板や回覧板で告知。「いざという時の“防災の主役”はあなたです」と日頃からの防災対策や家族会議、訓練への参加を呼び掛ける

「当町内会では5人の民生委員が、約80人の災害時要援護者を担当しています。いざという災害の際の安否確認をより迅速におこなうことができれば」と、“町内会ぐるみ”で一人ひとりの状況把握に努めたいとの想いを語ります。

この日は町内会の掲示板や回覧板を見た約40人が同会館に集合し、「いざ」に備える学び合いの時間を熱心に過ごしていました。

最後は参加賞として「携帯トイレ」や災害時用の保存パン、保存おかゆも配布をおこなったとのこと。

同町内会では、「いざという時の“防災の主役”はあなたです。この機会に家族で、連絡方法や集結場所などの『防災会議』を開き、隣近所のより良いつながりで“近助”(自助<近助<共助<公助=遠くの親戚より近くの他人)の環境を作り、災害時にあなたを気にかけてくれる方、またあなたの助けを必要としている方を確認しましょう」と、一人ひとりの災害対策を呼び掛けています。

災害発生時には「世代・血縁を超えた」街ぐるみでの助け合い“近助(きんじょ)”が必要になる

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【参考リンク】

広域避難場所(横浜市地域防災課)※「いっとき避難場所など近くの安全な場所」についてもイラストで掲載

師岡地区連合町内会の紹介(港北区連合町内会サイト)

【開催のお知らせ】もろおか減災ちえぶくろ展 2月25日(土)13時より(わが町もろおか~師岡町内会情報サイト)※師岡地区の「家庭防災員」により今週末に開催予定


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