<ST線フォーラムレポ7>新横浜線の先でもお待ちしています~相鉄・齋賀さん

横浜日吉新聞

【ST線フォーラムレポート(7)】今月(2022年)8月19日に慶應義塾大学日吉キャンパス内の協生館「藤原洋記念ホール」で行われた「相鉄・東急直通線フォーラム~開業後の“未来を語る”」(ST線フォーラム、一般社団法人地域インターネット新聞社主催)のなかから、今回(第7回)は株式会社相鉄アーバンクリエイツ・齋賀幸治さん(事業推進部長)の講演をお伝えします。

【講演】株式会社相鉄アーバンクリエイツ・齋賀幸治さん(事業推進部長)

ただ今ご紹介いただきました相鉄アーバンクリエイツの齋賀(さいが)です。皆様におかれましては日ごろより相鉄グループをご愛顧いただきまして、ありがとうございます。

相鉄アーバンクリエイツ事業推進部長の齋賀さん

相鉄アーバンクリエイツは、相鉄グループにおいて商業施設・オフィスビルの開発や面の整備事業などを担っており、私の部で沿線事業を担当しているので、今回このような高い場所からではございますが、ご登壇の機会をいただくことになりました。重ねて御礼申し上げます。

また、相鉄グループでは悲願であった都心直通を契機として、沿線においてさまざまな開発事業を推進してきました。本日はその一部をご紹介します。どうぞよろしくお願いします。

まず相鉄グループについてご紹介します。

相鉄ホールディングスを持株会社とする35社で構成されており、スライドの通り相模鉄道などの運輸業をはじめ「相鉄ローゼン」などの流通業、マンション・戸建住宅の開発分譲業と商業施設やオフィスビルの開発運営を行う賃貸業、「横浜ベイシェラトン」や「フレッサイン」などのホテル業、その他の分野で事業活動を行っています。

また、相鉄ホールディングスは1917(大正6年)12月に創業しており、2017(平成29)年に創立100周年を迎え現在に至っています。

2021年度の事業別営業収益ですが、新型コロナウイルス禍が大きく影響し、前年度比2%減の約2166億円でした。コロナ前と比較すると16%減となっています。

事業別の割合については流通業と不動産業で約70%を占めています。

主に西・保土ケ谷・旭・瀬谷・泉を走行

続いて沿線の位置関係をご紹介します。

相鉄線は「本線」「いずみ野線」「新横浜線」の3線合計で38キロの営業路線ですが、このうち約3分の2が横浜市の西区、保土ケ谷区、旭区、瀬谷区、泉区を走行しています。

羽沢横浜国大駅は神奈川区、新横浜駅は港北区となります。

このスライドでは走行エリアの保土ケ谷区、旭区、瀬谷区、泉区および横浜市全体の総人口生産年齢人口を1993(平成5)年と比較したグラフで表しています。

上の総人口においては、横浜市全体の総人口は1993年度と比較してプラス14%にあるものの、すでにピークアウトしています。

また、いずみ野線が走る泉区では高い伸び率を示していますが、本線の保土ケ谷区、瀬谷区は横ばいとなっています。

いずれもピークを過ぎており、旭区にいたっては減少に転じています。

下段の生産年齢人口については、横浜市全体で生産年齢人口が減少に転じているという状況です。

沿線の各区は横浜市全体より早くピークを迎えており、特に旭区については1993年度との比較で約4分の3とその落ち込みが顕著となっています。

高齢者人口については横浜市全体で3倍近い伸び率を示す中、泉区ではさらにそれを上回る数値となっています。

沿線では横浜市平均と比較して人口減少と少子高齢化が急速に進んでいるという状況です。

悲願の都心直通、大きな時間短縮効果

このような沿線の状況下において、2019(令和元)年11月30日に「相鉄新横浜線」の西谷駅から羽沢横浜国大駅の間が開通し、「相鉄・JR直通線」として相鉄は都心直通を果たしています。

関東の大手私鉄の中で唯一都心に直結していなかった相鉄線にとっては、まさに悲願を達成した歴史的な一日となっています。

そして、来年3月にはいよいよ「相鉄・東急直通線」も開業することになります。

相鉄沿線にとりまして直通線による時間短縮効果が大きく、こちらのスライドにある通り相鉄・東急直通線では都心や新横浜へのアクセスが大きく改善するとともに、神奈川県央部や横浜市西部から東京都心各地や埼玉に至る広域なネットワークが形成されることになります。

この直通線の実現を契機に多くの皆様が相鉄線の車両を目にされることで、実際に相鉄にお越しいただく動機となり、最終的には沿線を選んでいただけるよう、相鉄グループ創立100周年の戦略事業と合わせて、さまざまなプロジェクトや事業を実施してきました。

まず「相鉄デザインブランドアッププロジェクト」です。

多くの皆様の目に触れる車両を特に意識し、YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)という濃紺色を採用、また内装も快適にご利用いただけるようデザインされています。

駅なども統一したデザインコンセプトを採用することでブランドイメージや認知度の向上を図ってきました。

沿線開発の「6大プロジェクト」推進中

続いて沿線開発6大プロジェクトになります。選ばれる沿線の実現のため相鉄沿線では6つの拠点で再開発・土地区画整理事業などを推進しています。

スライドの通り、「海老名」「二俣川」「いずみ野線沿線」「星川」「天王町」「横浜」「ゆめが丘」の事業を対象としています。

このうち青色の3事業についてはすでに完了しています。スライド左側の海老名については駅西口の土地区画整理事業の事務局を担い、相鉄の分譲マンションである「グレーシアタワーズ海老名」なども建設しました。

二俣川においては駅南口の再開発事業を実施しました。

左の写真のように商業施設「グリーングリーン」があった周辺約1.9ヘクタールを再開発し、交通広場の整備、商業施設、オフィスビル、タワーレジデンスなどからなる一大拠点を建設しました。商業施設は駅舎と一体化した「ジョイナステラス二俣川」として2018(平成30)年4月にオープンし、多くの皆様にご利用いただいています。

いずみ野線沿線では駅前街区のリノベーション計画を実施しました。

いずみ野線は1976(昭和51)年に二俣川駅からいずみ野駅間が完成しています。

横浜のベッドタウンとして沿線に住宅を分譲し、それぞれの駅前には左の写真のような商業施設を整備しています。

しかし、老朽化と直通線開業までの準備として、これらの商業施設の建て替えと駅前の再整備を目的として計画をスタートさせ、第1弾として、2014(平成26)年にいずみ野駅のショッピングセンター「いずみ野フォンテ」を建て替え、「相鉄ライフ」を新たにオープンしました。

その後、南万騎が原駅弥生台駅の駅前でも「相鉄ライフ」のリノベーションを実施しました。

ラボの設置や多様な世代のライフスタイルに対応するため地元に密着した店舗の充実、認可保育園やサテライトクリニックの誘致などを行っています。

新しくなった駅前では地域の豊かな農的資源を活用したイベントを開発するなど、街の再生化にも寄与するよう努めています。

「星川・天王町」「ゆめが丘」などで進行

これから紹介するのは推進中の事業になります。

星川・天王町」では鉄道の高架下により創出された高架下空間の開発を推進しています。星川駅部については今年冬の開業を目指しています。

「『社会・地域に働きかけ、変化を楽しむ人』がつながる 生きかたを、遊ぶまち」をコンセプトにクリエイティブな居住者が創作や情報発信する拠点や、歩行者空間や広場、商業施設の計画を進めています。

続いて横浜駅では、「きた西口」の鶴屋地区において弊社が再開発組合の事務局となり、東急株式会社様をはじめとした関係者の皆様とともに横浜駅直結の地上43階建て複合再開発ビルの建設を進めています。

このビルは日本初認定国家戦略住宅整備事業として、グローバルな企業・人材の集結を目指しており、450戸超のタワーレジデンスのほか、国際交流拠点、ホテル、商業施設などが入る計画です。工事の完了予定は2024年3月となります。

最後に、「ゆめが丘」の土地区画整理事業になります。

1999(平成11)年にゆめが丘駅が開業していますので、その後、時間を要していましたが、弊社が土地区画整理組合事務局として、いずみ野線・ゆめが丘駅、市営地下鉄ブルーライン・下飯田駅周辺の23.9ヘクタール区域に、駅前広場や公園などのインフラ整備を行うとともに、大規模集客施設とマンション・戸建住宅を建設します。

その駅前4.3ヘクタールに弊社が建設する大規模集客施設においては、沿線にお住まいの皆様へのライフスタイルの提案や地域資源を生かした「食」を中心とした体験などの提供を行っていきます。

開業は2024年春ごろを予定しています。

相鉄線の魅力は、街のそばに広がる自然

ここまで相鉄沿線の開発事業をご紹介してきましたが、続いて沿線の自然や施設、グルメをご紹介します。

スライドに記載の4つの施設については、いずれも駅から徒歩圏に位置しています。

横浜市唯一の渓谷や随一のピクニックスポットなど、街のそばに自然が広がるのも相鉄線の魅力の1つだと考えています。

また、「よこはま動物園ズーラシア」や、弊社沿線外にお住まいの方に「ここだけは行ったことがある」と言われる「運転免許センター(二俣川)」があります。

今、大河ドラマで話題の鎌倉時代ゆかりの史跡が点在することはご存じでしたでしょうか。現在、相模鉄道では保土ケ谷区や旭区にある畠山重忠、源頼朝、和田義盛ゆかりの史跡のイベントを開催しています。

採れたての食材を使った「地産地消」の店

グルメとしては、相鉄線沿線には農業を営む方が多く、採れたての食材を使った地産地消の店が数多くあります。

相鉄グループでは「相鉄沿線名店プロジェクト」として、いずみ野線沿線にフレンチや和食、中国料理の名店を誘致し、多くのお客様にご利用いただいています。

最後になりますが、相鉄沿線には素晴らしい自然や施設があり、これからも皆様に選んでいただけるまちづくりを目指していきますので、ぜひ新横浜線で止まらず、もう一足伸ばしていただいて、相鉄沿線にお越しいただけることをグループ一同、心よりお待ちしています。

ご清聴どうもありがとうございました。

<フォーラム後の一言>

皆様のお話を伺いまして、直通線開業への期待感とともに、皆さんさまざまな思いがあることを実感できましたし、気付きも多く、知らないことばかりだということが大変有意義で勉強になったと思っています。今後、我々の事業に生かしていきたいと思っています。

フォーラム後に一言を語る齋賀さん(左2人目)

会社としてでなく、私個人で申し上げていることなんですが、二俣川駅では今現在1日平均8万人弱ぐらい、コロナで落ち込みましたので、そういった1日平均の乗降人員になっていますが、何とか1日平均10万人を目指していきたい、というのがささやかな夢です。皆さんお越しいただましたらと思います。

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