熱中症防止による“中止”を回避する新チャレンジもおこなわれました。
横浜市港北区(大豆戸町)が主体となる港北区交通安全対策協議会(会長:漆原順一港北区長)が春から夏にかけておこなっている恒例の「はまっ子交通あんぜん教室(交通安全教室)」。
今年度(2022年度)は初めて「熱中症予防」を理由として2校が中止に。
降雨などの理由も含むと8校が中止となり、実施は当初予定していた25校中、17校にとどまりました。
気象庁が統計を開始した1951(昭和26)年以降、最速となる先月(2022年)6月27日に梅雨が明けるという初めての事態に。
「校庭での実施が難しい場合、かつては体育館でおこなっていたのですが、今は新型コロナ対策でそれも難しくなってしまいました」と、同教室を運営する同区役所の東(あずま)裕子さん。
小学校1年生も多く受講することから、「中止は残念ですが、暑さばかりは仕方がないですね」と、突然やってきた厳しい暑さを嘆きます。
それでも「特に1年生は、受講後とその前とでは“歩き方”が全く変わるため、“暑さに負けない”方法で実施することを決めました」と、まさに“猛暑”となった6月30日に実施することになった横浜市立新吉田小学校(新吉田東6)の関谷道代校長。
講義部分は、放送室と各教室をつなぐ「校内放送」を初めて活用。
1年生にとって「とても大切」(関谷校長)だという「歩き方」については、クラスごとに実際の道を模した校庭に出て一人ひとり順番に歩き、終わった児童から教室に戻るという“流れ作業”のような手順を初考案、長時間校庭に滞在させないことで熱中症になりにくいアイデアを具現化させていました。
この日、本来は大型バスを乗り入れての教室も予定していましたが、残念ながらバスの来校、また運営に協力しているアネスト岩田株式会社(新吉田町)からの応援参加は中止に。
横浜F・マリノスのキャラクター・マリノスケや、公式チアリーティングチーム「トリコロールマーメイズ」の2人、また保護者らの手伝いにより、1年生は活き活きと手を上げての歩行学習に取り組んでいました。
暑さ、そしてコロナ禍といったこれまでになかった難しい課題が到来している日本社会ですが、何事も「新たに挑戦する」心があれば、その夢は実現する――“諦め”のシーンも、至極“当たり前”になってしまった今だからこそ、“決して諦めない”大人たちのチャレンジが、未来の子どもたちの心をより強く、そして大きく育むことにつながりそうです。
【関連記事】
・2022年も区内小学校で「交通あんぜん教室」、運営支えるそれぞれのチャレンジ(2022年5月17日)
・「日吉のヒーロー」富澤さんが母校に帰る、教室コーチ就任で“交通安全”も指導(2022年6月15日)
【参考リンク】
・児童・幼児の交通安全対策(横浜市港北区)*はまっ子交通あんぜん教室について