「鶴見川の百年」記録した記念誌が38年ぶり復刊、5月15日(日)にイベントも | 横浜日吉新聞

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鶴見川の百年を記録した“幻の記念誌”がこのほど38年ぶりに増補復刻版としてよみがえり、今月(2022)年5月15日(日)にはオンラインでの記念イベントも行われます。

今年3月末にNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(綱島西2)から刊行された「鶴見川水害予防組合史」と題した300ページにおよぶ書籍は、1984(昭和59)年3月に発行された記念誌の復刻版。

増補復刻版としてよみがえった1984(昭和59)年発行の「鶴見川水害予防組合史」、江戸時代から鶴見川の水害などを記録している(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング提供)

この記念誌は、今から100年前の1921(大正10)年に結成された運動組織「鶴見川改修期成同盟(きせいどうめい)会」を母体とし、運動の強化を目的として1934(昭和9)年に発足した「鶴見川水害予防組合」が解散する際に歩みをまとめたもので、これまで関係者以外の目に触れる機会はほとんどありませんでした。

昨年、同組合の設立に深く関与した大綱村(現在の港北区綱島・大倉山などの一帯)の飯田助夫村長の子孫にあたる飯田助知(すけとも)さんらが中心となって復刻委員会を設け、増補復刻版としての刊行が実現。

昨年(2021年)11月に港北区内で開かれた「鶴見川改修期成同盟会 設立100周年記念鼎談(ていだん)」(鶴見川流域水協議会主催)の模様なども新たに収録することで、1984年の刊行後に起きた変化もフォローしており、鶴見川の1世紀を振り返る歴史書となりました。

江戸時代からの水害や治水の歴史を振り返るとともに、鶴見川流域の住民目線から治水の苦悩が垣間見える記録が多数盛り込まれ、特に綱島や日吉をはじめとした鶴見川流域の旧家の名もたびたび登場しており、地域の歴史を学ぶうえでも目を通したい一冊です。

同書は鶴見川流域ネットワーキングが1冊2000円で頒布しているほか、綱島駅西口の「天一書房綱島店」でも取り扱っています。

5月15日(日)の13時30分から開かれるオンラインイベント「総合治水から流域治水へ」の案内チラシ(同)

また今回の復刊を記念し、「鶴見川流域の治水対策100年~総合治水から流域治水へ」(鶴見川流域水協議会主催)と題したオンラインイベント5月15日(日)の13時30分から15時30分に開催。

同イベントでは、復刻に携わった飯田さんをはじめ、慶應義塾大学名誉教授の岸由二さん、大倉精神文化研究所理事長の平井誠二さんが登壇し、鶴見川の水害と治水対策の歴史を振り返ります。

イベントはオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を通じて行われるため、参加には事前の申込が必要。なお、当日参加できない場合でも5月20日(金)から1カ月間にわたって当日の映像を希望者限定で配信するとのことです。

【関連記事】

鶴見川流域の住民は「水害」にどう立ち向かったか、100年をひも解く貴重な機会(2021年11月18日、このイベントの模様も盛り込まれている)

【参考リンク】

「鶴見川水害予防組合史 増補復刻版」完成(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング、記念誌の復刻版について)

5月15日(日)「総合治水から流域治水へ(リモート学習会)」(主催:鶴見川流域水協議会)の案内・申し込みページ(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)


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