“相鉄・東急タワーマンション”、43階建て巨大物件が横浜駅で進行 | 横浜日吉新聞

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相鉄と東急は新たな鉄道路線「新横浜線」を開業するだけでなく、“横浜駅前”といえる場所で巨大タワーマンションの建設も共同で進めています。

相鉄不動産株式会社と東急株式会社は、横浜駅西口の神奈川区鶴屋町で進める43階建ての超高層マンション「ザ・ヨコハマフロントタワー(THE YOKOHAMA FRONT TOWER)」についてきのう(2022年)1月26日に会見を開き、概要や現状を発表しました。

歩行者デッキから見上げた「ザ・ヨコハマフロントタワー」の完成予想図(再開発組合の資料より)

ザ・ヨコハマフロントタワーは、横浜駅の東神奈川駅寄りにある「きた西口」から徒歩約3分、鶴屋町1丁目の「きた西口鶴屋地区」(約6687平方メートル)と呼ばれるエリアで建てられている高層再開発ビル「ザ・ヨコハマフロント(THE YOKOHAMA FRONT)」の大部分を占める分譲マンションで、来年(2023年)12月下旬に竣工予定。

地上43階・地下2階建て再開発ビル(高さ約178メートル)のうち、13階から41階に1R(ワンルーム)から3LDKまで、44タイプの間取り(専有面積23.42~161.62平方メートル)の住宅459戸を設ける計画となっています。

住宅部分以外は「商業施設・子育て支援施設・クリニック」(1~4階)やホテル(6~10階)、「サービスアパートメント」(11~12階)、「国際交流施設グローバルスカイコモンズ」(42階)などが置かれる予定。

かつて地上に東横線、相鉄のバス拠点も

地上を走っていた東横線の跡地に歩行者デッキを設け、横浜駅西口の駅ビルと接続(再開発組合の資料より)

もともと、このエリアは低層の雑居ビルが密集している脇の地上部をJR線に沿って東急東横線が走り、付近にはJR東日本の鉄道関連施設や設備、相鉄バスの拠点「相鉄高速バスセンター」などが置かれていました。

その後、東横線の地下化によって生まれた土地などを使った再開発が進展。2020年6月までにJR東日本が26階建ての駅ビル「JR横浜タワー」を設けるとともに、旧東横線の線路沿いには歩行者デッキ「はまレールウォーク」を新設し、もっとも東神奈川寄りに建てたホテルなどの「JR横浜鶴屋町ビル」(9階建て)と接続。

2023年12月の竣工に向けて工事が進む、左手奥が「JR横浜タワー」、左側が「JR横浜鶴屋町ビル」(1月26日)

JR横浜タワーとJR横浜鶴屋町ビルの中間地点に建てられているのが今回の再開発ビル「ザ・ヨコハマフロント」で、横浜駅の「きた西口」や西口までは、歩行者デッキとJR横浜タワーを通じて接続されることになります。

もっとも近い横浜駅の「きた西口」までは徒歩3分で、さらに横浜駅西口へも濡れずに往来できる“駅直結”という環境の分譲マンションはめずらしいだけに注目度が高く、相鉄不動産によると今月1月11日の公式サイト公開後は1日100件以上の問い合わせ(物件エントリー)があるといいます。

既に129戸を販売、価格は1億~6億円台

モデルルームは横浜西口駅前の「横浜ベイシェラトンホテル」内に設けられている(1月26日)

同物件は国の「国家戦略住宅整備事業」として初めて認定されており、グローバル企業の誘致を促す目的も持っていることから、昨年秋ごろから公式サイトは公開しない形で戦略的に第1期販売を実施しています。

相鉄不動産によると、過去の顧客などから国内外で活動する企業経営者らに直接アプローチし、高層階の物件など129戸(専有面積55.48~161.62平方メートル)を1億30万円から6億6800万円という価格帯で販売。

横浜駅構内のさまざまな場所で「ザ・ヨコハマフロントタワー」の広告を展開中(1月26日)

今回の購入者のうち、約6割が横浜市内在住者で、東京都内は約3割となり、高額物件は50歳代から60歳代の企業経営者などが購入し、現金で支払ったケースも見られたといいます。また、購入目的の2割はセカンドハウスとしてのもので、投資目的も2割ほどあったとのことです。

第2期販売は4月上旬に予定されており、販売価格は未定。モデルルームは相鉄傘下の「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」(横浜駅西口)の4階に設けられています。

再開発組合の中山理事長(真中)ら相鉄不動産と東急の担当者ら(1月26日、横浜ベイシェラトンホテル内モデルルームで)

なお、この再開発は、同地にバス拠点や線路跡などの形で土地を所有していた相鉄と東急に加え、周辺のビルや駐車場の所有者らを含めた11人による「横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合」(中山久招理事長)が実施しており、マンション部分の販売については相鉄不動産と東急が50%ずつ行うとのことです。

今回は相鉄と東急の双方が重要視する一大ターミナル近くに土地を所有していたことからタッグを組む形となっていますが、来年3月までには鉄道部門でも「相鉄・東急直通線(新横浜線)」で両社が連携することになります。両鉄道が接続する新横浜駅など、港北区内でも相鉄と東急が共同で“まちづくり”に乗り出す機会が、これから生まれるのでしょうか。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

【関連記事】

横浜駅至近の“相鉄・東急タワービル”、下層階の商業エリアも両社で取得(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年8月7日、その後のレポート)リンク追記

<レポート>楽しくなった「横浜駅」、今夏の“小さな行楽”スポットに(2020年8月20日、西口駅ビルの完成など)

<東横線と近接>激変する「横浜駅西口」、26階建ての駅ビルや超高層タワーも誕生へ(2018年11月29日、周辺の再開発について)

【参考リンク】

ザ・ヨコハマフロントタワー(THE YOKOHAMA FRONT TOWER)(横浜駅きた西口、43階建て459戸)

横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合(相鉄と東急も一員)


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