※開催中止※世界的建築家が「原風景」とルーツを語る、港北区長らと“凱旋”講演会 | 横浜日吉新聞

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世界的建築家が幼少期を過ごした地元・港北区「大倉山」を熱く語るイベントが企画されています。

来月2月27日(日)13時30分から16時まで、港北公会堂(同)で開催される「『港北地域学』特別講演会~建築家 隈研吾氏 大倉山を語る」イベントの案内チラシ(港北区のサイト)

来月2月27日(日)13時30分から16時まで、港北公会堂(同)で開催される「『港北地域学』特別講演会~建築家 隈研吾氏 大倉山を語る」イベントの案内チラシ(港北区のサイト)

港北区区民活動支援センター(港北区役所内、大豆戸町)は、来月(2022年)2月27日(日)13時30分から16時まで、港北公会堂(同)で、「『港北地域学』特別講演会~建築家 隈(くま)研吾氏 大倉山を語る」を開催。※まん延防止等重点措置期間の延長を踏まえて「中止」となりました(2021年2月21日追記)

2月1日(火)から18日(金)まで、インターネット上の申込サイトで受講者を先着225人まで募集します(定員に達し次第締切)。

東京2020オリンピック・パラリンピック(東京2020五輪)のメイン会場・新国立競技場(東京都新宿区)を共同設計、また高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)をはじめ国内外の著名な建築物を設計していることで知られる隈研吾さん。

2014(平成26)年4月に刊行された自身による著書『僕の場所』(大和書房)で2章にわたって触れられている、幼少期を過ごした「大倉山」について基調講演で語ります。

また、基調講演後に予定されているシンポジウムでは、隈さんと同時期に大倉山をふるさととし幼少期を過ごした神奈川県消防協会(中区山下町)会長・港北消防団団長の飯田孝彦さん港北区随一の郷土史研究家として知られる大倉精神文化研究所(大倉山2)の平井誠二理事長のほか、建築を専門分野とする港北区の鵜澤(うざわ)聡明区長がステージ上でトークを繰り広げる予定とのことです。

地元・大倉山でプロジェクト、菊名の園舎設計も

1954(昭和29)年、大倉山に生まれ育ったという隈研吾さん

高野山真言宗の寺院・歓成院(大倉山2)では、隈研吾さんと同寺院による「大倉山歓成院プロジェクト」が進行。今年5月の竣工を目指しているという(1月21日)

高野山真言宗の寺院・歓成院(大倉山2)では、隈研吾さんと同寺院による「大倉山歓成院プロジェクト」が進行。今年5月の竣工を目指しているという(1月21日)

著書『僕の場所』の中では、典型的な「里山」だったという大倉山の風景やサラリーマン家庭に育ったこと、増築を繰り返した実家での想い出や、山裾にあった農家の「ジュンコちゃんち」周辺のエピソードなどを記述しています。

幼稚園・小学校時代には、東急東横線綱島駅日吉駅、そして元住吉駅“駅によっての特性”を感じながら田園調布駅(東京都大田区)まで通園・通学。

自身の建築に、それらの幼少期の“原風景”が、どのような影響を与えたのでしょうか。

プロジェクトの完成予想パースを公道側にも掲示していた(2021年12月)

プロジェクトの完成予想パースを公道側にも掲示していた(2021年12月)

「(隈さんと)同世代として、同じ時代を地元・大倉山で過ごした飯田(孝彦)さん建築を専門とする鵜澤区長が、どのようなトークを隈さんと展開するのかがとても楽しみです」と語るのは、自らの著書『わがまち港北』シリーズで隈さんの幼少期の記述についても触れている、大倉精神文化研究所の平井理事長

2020年12月に着工したという、隈さんが生まれ育った場所にも近い高野山真言宗の寺院・大倉山歓成院(大倉山2)でおこなわれている本堂耐震補強工事客殿庫裡(くり)建て替え工事庭園境内整備について、住職の摩尼(まに)秀法さんが、「建築は地に根差すもの。その地を熟知している方が設計することが一番である」(同院のサイト)と、建築・設計プロジェクトを隈さんに依頼。

2020年11月に新発売された『わがまち港北3』では、隈研吾さん書籍『僕の場所』に記載された幼少期のエピソードを紹介している(同年、港北区内書店)

2020年11月に新発売された『わがまち港北3』では、隈研吾さん書籍『僕の場所』に記載された幼少期のエピソードを紹介している(同年、港北区内書店)

思い出のある大倉山のプロジェクト。ぜひご一緒させてください」と隈さんが快諾したこと(同サイト)から大倉山でのつながりが生まれ、今回の講演会のきっかけになったとと平井理事長は説明します。

隈さんは、菊名7丁目にある「高木学園附属幼稚園」の園舎(学校法人高木学園=髙木暁子理事長、2018年3月竣工)も、隈さんらしい自然素材を多用した“あたたかみのある”建築物として設計したことで知られています。

多く隈さんのデザインに見られる自然や気候風土、日本らしい木を多用した設計の“原風景”としての大倉山の街の想い出が存分に語られることが予想されるイベントとしても、まさに“地元民必見・必聴”の機会となることが予想されます。

隈研吾さんが愛した大倉山の「原風景」にめぐりあえるかも(大倉山7丁目の鶴見川沿い)

隈研吾さんが愛した大倉山の「原風景」にめぐりあえるかも(大倉山7丁目の鶴見川沿い)

「隈さんが、出身地の横浜、ましてや生まれ育った港北区で講演会をおこなうという貴重な機会。新型コロナ対策で、やむなく先着順、定員人数を絞って開催しますので、なるべく早めのエントリーを」と同センターの担当者は呼び掛けています。

)新型コロナウイルス感染症による影響で、当イベントは中止となる可能性があります。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

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【参考リンク】

隈研吾さんが「港北地域学」で講演、古里と建築のつながりを語る(2022年9月12日)リンク追記、9月に開催した

「港北地域学」特別講演会~建築家 隈研吾氏 大倉山を語る(港北区地域振興課)※イベント詳細、申込サイト(応募フォーム)へのリンクなど

港北区の歴史と文化(シリーズ わがまち港北)~第201回 歓成院裏山の防空壕 -終戦秘話その20(公益財団法人大倉精神文化研究所)※書籍『わがまち港北3』90~93ページに掲載

隈研吾氏(建築家)✕歓成院(高野山真言宗 歓成院)※当イベント開催のきっかけとなった

隈研吾先生より『建築家になりたい君へ』(英理女子学院高等学校)


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