タクシーで「子育てシェア」は浸透するか、港北区内で“相乗り送迎”の実証実験 | 横浜日吉新聞

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地域で「子育てシェア」を共有したい――港北区内でタクシーを使用した“相乗り送迎”の実証実験がスタート。モニター参加者を募集しています。

「ひとりでがんばらない送迎はじめませんか」と呼び掛けるタクシー配車アプリ「タクアス」の実証実験サイト

「ひとりでがんばらない送迎はじめませんか」と呼び掛けるタクシー配車アプリ「タクアス」の実証実験サイト

大阪ガスグループの株式会社オージス総研(本社:大阪市、中沢正和社長)は、社内起業における「子育て支援サービス」の立ち上げにより、今年(2021年)10月からタクシー配車アプリを使用した相乗り送迎サービス「タクアス」の実証実験を横浜市内でスタート。

港北区や、市内北部の青葉区鶴見区でモニター候補者となる子育て世代へのインターネット媒体やチラシ、地域の子育て関連施設での告知をおこなっています。

今回のサービスの立ち上げをおこなった同社ビジネス企画部の早苗朋宏さんは、「私自身が、4歳、7歳、そして9歳の3人の子育てをおこなうなか、“送迎の大変さ”を実感。特に女性(ママ)に負担がかかりがちな送り迎えを支援するために、タクシー会社の皆様と共同で“チームでの送迎”を後押ししたいと、2019年10月から2年もの歳月を経てプロジェクトを推し進めてきたと説明します。

「タクアス」の事業を立ち上げた早苗さんがどろっぷサテライト(綱島東3)を訪問。実証実験の利用を呼び掛けた(11月14日)

「タクアス」の事業を立ち上げた早苗さんがどろっぷサテライト(綱島東3)を訪問。実証実験の利用を呼び掛けた(11月14日)

「ひとりでがんばらない送迎」がテーマとなっており、利用方法は同社が開発した「タクアス」のタクシー配車アプリをダウンロードし、カレンダー画面からいつタクシーを予約ができるかを確認、ライン(LINE)で誘った友人・知人らと配車予約をおこなった上、自動で割り勘したタクシー代をアプリで支払うというシステムになっています。

施設来訪者に配布された案内チラシ。「ひとりでがんばらない送迎」の考え方を広げていきたいと早苗さんは意気込む

施設来訪者に配布された案内チラシ。「ひとりでがんばらない送迎」の考え方を広げていきたいと早苗さんは意気込む

同社の調査によると、「ママ友など知り合いから送迎を頼まれら、送迎を引き受けてもよいと回答している人が8割超にものぼる」といい、早苗さんは、「頼まれれば引き受けられることでも、やりかたがわからない、という状況が一般的ではないのでしょうか」と、今回のアプリのシステムを活用して、身近な場所での“送迎シェア”を実現してもらえたらと呼び掛けます。

サービスのコンセプトとしては、送迎にタクシーを一緒に使う「同乗する関係」から、「送迎を任せ合う関係」にまで発展させていきたいといい、「“脱孤育て”の点からも、タクシー相乗り送迎の理念をまずは広げていきたいと、共働き世帯が多い横浜市北部エリアでの実証実験をおこなうことになりました」と、港北区での実験を成功させたいとの想いを熱く語ります。

全国子育てタクシー協会の畑中理事(びーのびーの地域担当)も多くのトライアル利用を呼び掛ける

全国子育てタクシー協会の畑中理事(びーのびーの地域担当)も多くのトライアル利用を呼び掛ける

タクシーの手配については、地元の旅行代理店である株式会社東横観光センター(綱島台)が「手配旅行」としておこない、またタクシーの運行は、子育て支援に力を入れているサンタクシー株式会社(本社:中区かもめ町、小机営業所:新羽町)が担当するとのこと。

今回の事業のサポートを港北区内でおこなっている特定非営利活動法人びーのびーの(事務局:大倉山2、奥山千鶴子理事長)の地域連携担当で、一般社団法人全国子育てタクシー協会(事務局:大倉山2)の理事を務める畑中祐美子さんは、「地元企業のネットワークを活かしたサービスとなっています。親しいママ友・パパ友ネットワークなどを活用いただき、まずは“子育てシェア”の想いを共有していくためにも、ぜひお近くの皆様とご利用いただければ」と同実証実験への多くの参加・利用を呼び掛けています。

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「子育て情報アプリ」港北区が開発を目指す、情報発信への期待感が背景に(2016年3月12日)※畑中理事が立ち上げに尽力

【参考リンク】

タクシー配車アプリ「タクアス」の実証実験サイト

株式会社オージス総研公式サイト


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