綱島駅東口の駅前再開発で、横浜市都市整備局は都市計画決定手続きの「公聴会」を書面で行い、意見を表明した2氏の意見書面が今月(2021年)11月16日に公開されました。地上27階建てとする現計画の高層ビル建設について疑問視する意見が寄せられています。
書面で行われた「公聴会」での2氏による意見要旨は次の通りでした。
<1人目の公述人による意見(要旨)>
- 超高層ビルを建設すること自体が新たな道路・歩道・駐輪場の整備を阻害している。この阻害を無くすために当方の土地を無断で再開発区域に入れて道路にすることは許されない。低層ビルによって「個性的な下町」を作るべき
- 超高層ビルによって生じる問題点は、超高層ビル建設が行われる区域内で解決するべきで、他の区域に問題解決を求めるべきではない
- 敷地に余裕がない場合は、広い駅前広場(約1100平方メートル)は不要。商業ビル内の1階と2階に設置すべき。タクシー乗場と一般車乗降場は別の場所に移すべき
- 綱島駅前を通る1日850台の路線バスのうち、半数が新綱島駅側に移るのなら、当方の土地を道路にする必要はない
<2人目の公述人による意見(要旨)>
- 高層ビルの建設により、当マンションの眺望・日照・プライバシーが損なわれることが懸念される。高層ビルの建設には反対だ
- 説明動画では、具体的にどのような施設が建設されているのかの説明が乏しく、市民への安全を謳っているものの実際の環境に即していない。駅周辺は道が狭いと言われており、建物ではなく、空間と道幅を確保すべき
- 計画途中から容積率が400%から500%に変更となり、その分、階数が高くなった感がある。条例の変更は“後出し”感が強い。その理由を明確にすべき
- 反対意見に対する説明・対応をすべて行ったうえでスケジュールを立てているのか
公聴会で寄せられた意見に対しては、市側が今後「考え方」を示す予定で、市の綱島駅東口周辺開発事務所(綱島西1)によると、時期は未定とのこと。
その後、都市計画案の「法定縦覧」による利害関係者の意見受付を行ったのち、「都市計画審議会」での決定を経て、都市計画が決定されるスケジュールとなっています。
【関連記事】
・綱島東口「駅前再開発」、新駅の定期券や駐輪場など生活者視点の質問も(2021年10月19日)
・綱島東口「駅前再開発」で説明動画、“350戸タワマン”や駅前広場の概要も(2021年9月21日、再開発の詳細)
【参考リンク】
・綱島駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業の都市計画決定等に関する公聴会について(2021年11月16日、意見の公開)
・市街地開発の状況「綱島駅周辺地区」(横浜市都市整備局)
・過去に開催した説明会(2021年度)の一覧(横浜市都市整備局)※「綱島駅東口駅前地区」の資料も