ネット浸透で役割終える“まちの広告板”、日吉に唯一残る掲示板を撤去へ | 横浜日吉新聞

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誰でも無料で使える“まちの広告板”と呼ばれる公共掲示板日吉の街から消えます。横浜市都市整備局は、市内に59カ所(2021年11月時点)設置している公共掲示板「まちの広告板」の撤去を順次進めており、来年3月末までに日吉本町4丁目の「コンフォール南日吉」バス停近くにある同掲示板も撤去の方針が決まりました。

コンフォール南日吉のバス停近くに残る「まちの広告板」と呼ばれる公共掲示板は今年度中に撤去されることが決まった

この公共掲示板は、市民がイベントなどの告知時や各種PR時に無料で使えるよう1975(昭和50)年ごろから設けられ、最大で市内165カ所に設置されていたとみられます。

横浜市議会(市会)で1996(平成8)年に交わされた議論では、屋外の広告物自治体の条例などで規制され、住民がビラやチラシを自由に貼れなくなったことから、“表現の場”を確保するため公共掲示板を設置するよう1973(昭和48)年に国が通達を出していたとの発言記録も残っています。

港北区役所(港北区総合庁舎前)にある「まちの広告板」もかなり老朽化している

これまで市では、公共掲示板を「基本的に人通りや広告の掲出が多い場所に設置していた」(市都市整備局)といい、現在も残る59カ所では新聞1ページほどの大きさ(縦60×横42センチメートル以内)までのポスター(紙)なら法令に違反する内容でない限り、誰でも10日以内は貼っておくことができるというルールで運用中です。

ただ、公共掲示板の設置から時間が経つにつれて老朽化が加速しているうえ、市民の利用頻度も低下。市では「インターネットなどの代替手段の確保が容易となったことと、再整備には多額の予算が必要となる」(同)として、2014(平成26)年度にはすべての掲示板を撤去する方針を決定しています。運用中の59基についても、年に10基から20基のペースで撤去を行っていくといいます。

落書きの“餌食”となってしまった「まちの広告板」も(小机駅近く)

今回、日吉本町に残っていた1基が撤去対象となったもので、港北区内に5カ所(コンフォール南日吉・新横浜駅前・菊名池公園前・港北区役所前・小机駅前)あるうち、北部エリアでは唯一の存在でした。

インターネットの浸透を背景に市民の誰もが使える公共掲示板を廃止する一方、市は各地域で自主設置された「自治会・町内会掲示板」向けには多量の掲示要請物を印刷・配布している現状もあり、この部分でもインターネット化に対応したいところです。

【参考リンク】

公共掲示板(まちの広告板)設置場所(横浜市都市整備局、2021年11月現在は市内13区で59カ所が残る)

横浜市公共掲示板利用規約(1回につき10日以内など使用ルールの説明)


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