日吉駅東口の綱島街道に「タクシー乗り場」が新設され、西口(商店街・ロータリー)側での乗車ができなくなります。
横浜市道路局と港北区区政推進課は、県内の全タクシー事業者が加盟する神奈川県タクシー協会(中区日ノ出町)と連携し、日吉駅東口の綱島街道沿いにタクシー乗車場所を新設することを決め、慶應義塾大学に向かう横断歩道(日吉駅前交差点)付近から、東急バスの降車場となっている場所との間に設ける計画です。
今月(2021年)11月中にも新設工事を開始。乗り場には、一般財団法人神奈川タクシーセンター(中区日ノ出町)が雨除けの上屋(うわや=屋根)を設置する計画で、工事が完了する年度内(2022年3月末まで)にも運用を開始。西口側ロータリーのタクシー乗車場所は廃止される予定です。
これまで利用されてきた西口側ロータリーの「乗り場」は、正式に整備されたものではなく、「なんとなく民間のなかで、『ここはタクシーに乗る場所』というような”暗黙の了解”によって人が並び、タクシーが来て乗る」(2016年12月9日の横浜市会質問、当時の酒井亮介議員=港北区選出)と指摘されていました。
タクシーを待つ列が歩行者通路のみならず、階段やスロープの通行をさえぎっていたうえ、列が階段に伸びる位置であることから、階段を利用することが難しい高齢者や、車いすやベビーカー利用者からも、多くの改善要望が寄せられていたといいます。また、西口側ロータリーは路線バスの降車が行われているため、バスの到着時には降車客とタクシー待ちの列で混雑する時間帯も見られます。
さらに、タクシーの待機場所がないため、待機の車列が日吉台小学校(日吉本町1)や慶應普通部(同)の通学路となっている普通部通りまで長く伸びていたり、西口側ロータリーへ向かうタクシーは商店街や住宅街を迂回しなければならなかったりするため、歩行者や児童・生徒の安全面から課題とされていました。
区の担当者は、「西口駅前の車両の錯綜(さくそう)や、普通部通りのタクシー待ち行列の解消によって、西口周辺の歩行者環境の改善につながると考えています」と、事実上の“乗り場の移設”に至った理由を説明。
新設される乗り場はタクシー4台分のスペースを設置し、綱島街道の交通の妨げとならないよう、歩道側に引き込むレーンを新たに設けるといい、「4台を超えるタクシーは車列をつくらない計画となっています」(同担当者)と、タクシーの滞留が発生しないルールを定めるとのことです。
「高齢者や車いす、ベビーカー利用者の皆さんも、駅からスムーズなアクセスでタクシーに乗降できるようになります」と同担当者。
今回の“移設”について区から説明を受けたという関係者からは、「特に下田町(サンヴァリエ日吉)方面にはバスも数分単位で走っていることもあり、大きな問題はないのかもしれない」との見方がある一方、「雨の際も濡れることがない現在の乗り場に慣れた利用者からは、『乗り場が遠くなる上、走行距離も長くなり不便』と感じる人がいるかもしれない」との声も聞かれました。
新たな乗り場の運用開始後は、西口側からタクシーに乗れなくなる一方、ロータリーや普通部通りにタクシーが留まることがなくなるため、商店街内を歩行する際の安全性向上に寄与することになりそうです。
なお、タクシー乗り場の新設にともない、「タクシー乗り場」の表示看板や案内サインを徹底する予定(区の担当者)とのこと。
また、日吉駅東口の「慶應義塾大学協生館(グリーンライン1番出入口側)」近くにある綱島街道(箕輪町・綱島方面行き)のタクシー乗り場は、現状のまま今後も使われることになるとのことです。
【関連記事】
・<日吉駅>新タクシー乗り場は2/1(火)朝9時から、西口側の廃止に注意(2022年1月11日)※リンク追記、運用開始(予定)日が公表された
・東横線の港北区内駅には「タクシー専用乗場」が存在しないという残念な現実(新横浜新聞~しんよこ新聞、2016年12月12日)※各駅のタクシー乗り場の多くは「正式な乗り場でない」状況について
・日吉駅前「サンロード」がタクシーのう回路に、ビル工事で普通部通りから一時変更(2018年1月17日)※工事にともない滞留ルートが変更となった時も物議を醸(かも)した
【参考リンク】
・日吉駅東口に新設されるタクシー乗り場付近(Googleマップ)※ 「綱島街道」沿いの仲の谷交差点、元住吉方面、日吉東急アベニュー側