3日後の(2021年)10月31日(日)に投票日を迎える衆議院総選挙では、与野党候補の一騎打ちとなった「神奈川7区」(港北区全域と都筑区の大部分)で激しい選挙が繰り広げられています。与野党の有名政治家に加え、関東圏の知事までが港北区や都筑区へ両候補者の応援に駆け付け、全国メディアも注目の選挙区として取り上げはじめました。
届出順に野党・立憲民主党公認の中谷一馬(かずま)氏(38歳)と、与党・自民党公認の鈴木けいすけ(馨祐)氏(44歳)が立候補している神奈川7区。
前回2017(平成29)年10月の総選挙では中谷氏は8万7819票、鈴木氏が10万3324票と1万5500票余の差を付けて鈴木氏が小選挙区で勝ち、中谷氏も「比例南関東ブロック」で復活当選しているため、両氏とも衆院議員の「前職」となっています。
4年前は中谷氏と鈴木氏のほか、当時野党だった民進党(旧民主党)所属議員の多くが合流した「希望の党」からも新人1人が出馬して2万8685票を獲得しており、中谷氏と同候補者の「野党票」を単純合計すると11万6500余票に達し、与党・鈴木氏の10万3324票を超えることになります。
与野党の2氏が一騎打ちとなった今回は、前回の票数から見ても両氏が接戦になるとみられており、新聞社などによる調査でも2氏が激しく競り合っている状況とされています。
前回選挙は比例区での初当選となった中谷氏は今回、“野党統一候補”として小選挙区での再選を狙う立場。今月19日の公示前から街頭宣伝時に菅直人・元総理らが訪れたほか、公示後は蓮舫・党代表代行(参院議員、日吉駅前)や泉健太・党政調会長(衆院京都3区、綱島駅前)に加え、埼玉県の大野元裕(もとひろ)知事(元民主党所属参院議員)も日吉駅で応援演説を行っており、投票日前日の30日(土)までに福山哲郎・党幹事長や枝野幸男・党代表も中谷氏の応援に訪れる予定。
立憲民主党の幹部以外にも、比例区で候補者を立てている「れいわ新選組」の山本太郎代表は、公示前の街頭宣伝会場に日吉駅前を選んだほか、公示後もセンター南駅前で演説を行い、両日とも中谷氏を壇上で紹介しています。
小選挙区では3回連続で当選している鈴木氏も、今回は票数では野党が上回る可能性がある危機感もあり、公示後序盤から自民党の幹部が相次いで応援に訪れています。
菅義偉・前総理(衆院神奈川2区、綱島パデュ広場)をはじめ、鈴木氏が所属する派閥の長である麻生太郎・元総理(衆院福岡8区、センター南駅前)や党総裁選で鈴木氏が全面的に支えた河野太郎・党広報本部長(衆院神奈川15区、綱島駅前・センター北駅前)、さらに同県の小泉進次郎・前環境大臣(衆院神奈川11区、綱島駅前・センター南駅)と、知名度の高い“大物議員”が続々と港北区や都筑区を訪れたほか、自民党参院議員から群馬県のトップに転じた山本一太知事は、県での公務後に日吉駅と綱島駅に駆け付け、鈴木氏の応援演説を行っていました。
著名政治家が次々と神奈川7区の応援に訪れていることもあって、全国系テレビ局でもニュース番組で取り上げられることが目立っており、TBSは「最激戦区神奈川7区“総裁候補”の右腕VS野党共闘 一騎打ち」などと放送したほか、フジテレビも「自民VS立憲が“若手ホープ”の一騎打ち」として「FNNプライムオンライン」が取り上げています。
政党もマスメディアもそれぞれ選挙情勢の独自調査を行っており、勝敗の確実性が高い選挙区では、応援に駆け付けたり、ニュースとして取り上げたりすることは少ないことを考えると、神奈川7区は現時点でも勝敗の行方は投票日まで予想がしづらい状況といえそうです。
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です
【関連記事】
・<衆院選>激戦の小選挙区は僅差で鈴木氏が5選、中谷氏は比例で再選(2021年11月1日、結果は僅差で前回と同じ形に)※リンク追記
・初の一騎打ち「神奈川7区」、10/20(水)から港北区役所に期日前投票所(2021年10月20日、両候補の経歴など)
・増える「期日前投票」、10/26(火)からトレッサと港北区役所の2カ所に(新横浜新聞~しんよこ新聞、2021年10月26日)
【参考リンク】
・中谷一馬候補(立憲民主党)のTwitter(最新情報を発信)
・鈴木けいすけ(自民党)のTwitter(最新情報を発信)