地域ぐるみでの「パトロール」を、コロナ禍に負けじと継続してきたといいます。
先月(2021年)7月20日、「市民防災の日」港北区推進委員長(鵜澤聡明港北区長)は、連続無火災期間の表彰基準を達成した大曽根自治連合会に対する「連続無火災」表彰を、港北区役所(大豆戸町)でおこないました。
連続無火災表彰は自治会・町内会の世帯数によりその表彰基準が設定されており、「5千世帯未満」の大曽根地区は、一昨年(2019年)6月13日から今年(2021年)6月12日までの2年間(730日)、「無火災」を達成したという地域ぐるみでの功績を称えるもの。
綱島より鶴見川以南、綱島街道より西側エリアにある大曽根自治連合会には21つの自治会・町内会が所属。
同連合会会長の高橋静明会長によると、各町会で月に2、3回ほどの「防災パトロール」を実施しているといいます。
昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で規模は縮小したものの、「パトロールは継続して実施しています」と高橋さん。
高橋さんは、防災パトロールを継続することで、地域の人にも防災に対する啓蒙活動ができているのではといい、さらなる無火災記録の継続のため、地域での防災予防の呼びかけを継続していきたいとの決意を表します。
同地区の消防団では、火災の発生時に消防車が入れない場所も多く存在することから、狭い路地裏などでの消火に活躍するというスタンドパイプ式初期消火器具の導入を進めており、すでに4台を導入したとのこと。
各町内会に1台設置することを目標に、横浜市の補助事業を活用し、毎年追加していくことでの火災への備えもさらに進めていきたいと力を込めて語ります。
港北消防署(大豆戸町)予防係長の千葉陽(あきら)さんは、「7月5日現在で、火災件数は昨年より2件減少していますが、建物火災に限っては9件増加しており、火災による死者は昨年1年間で発生しませんでしたが、今年に入り、すでに4人の方が亡くなっています」と、区内で発生した火災の被害状況を嘆きます。
出火原因では、たばこが原因の火災は昨年から6件増加、こんろが原因の火災も昨年から2件増えており、「コロナ禍」により在宅時間が増えたことが原因と思われる火災の増加に危機感を抱いているといいます。
初期火災の発見のため設置である住宅用火災警報器も、新築住宅が2006(平成18)年6月から、既存住宅は2011(平成23)年6月から設置が義務付けられていますが、既存住宅においても、設置義務付けからちょうど10年が経過したタイミングとなっています。
「電池の交換や機器の動作確認を行うことが必要です。万が一未設置ということがあれば、必ず設置することも“命を守る”ためにも大切です」と千葉さんは訴えます。
個人や企業などでもできること、そして地域ぐるみでの取り組みにより、日々の火災予防対策を徹底し、さらなる「無火災」期間の延長につながることが望まれます。
なお、区内では、今年(2021年)3月22日、高田町連合町内会(宮田寿雄会長)と菊名地区連合町内会(金子清隆会長)の2地区、4月22日に大倉山地区連合町会(秋本健一会長、同4月就任)が無火災表彰を受けています。
【関連記事】
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・「夏休み」に火災予防のアイデアを、港北消防が“好評”ポスターコンクール(2021年6月16日)
・高田地区が365日「連続無火災」で表彰、火事防ぐ“警報器”設置も呼び掛け(2020年4月6日)
・下田町・綱島西で死者が発生する「火災」相次ぐ、火の扱いに警戒呼びかけ(2021年1月27日)
【参考リンク】
・港北消防署からのお知らせ・イベント情報(横浜市消防局)※たばこが原因の火災が増加しています」といった注意喚起も
・交換しましょう住宅用火災警報器(同)※住宅用火災警報器の寿命は約10年となっている
・港北消防団(同)※多くの消防団で団員を募集している