子どもたちの命を守る“発電機”が、綱島・日吉の「放課後等デイサービス」に寄贈されました。
神奈川県と山梨県をエリアとする日本郵便株式会社南関東支社(川崎市川崎区、一木美穂支社長)は、毎年発売している「お年玉付き年賀はがき」の寄付金を配分する事業により、今月(2021年)6月11日、重症心身障がい児専門の放課後等デイサービス「わくわくさん綱島東の扉」(綱島東5)、「わくわくさん日吉の扉」(日吉7)を運営するNPO法人扉(綱島東5)に、非常災害用発電機1台を寄贈。
きのう6月14日午前、同支社による贈呈式が、「わくわくさん日吉の扉」で行われました。
この贈呈式には、同支社地方創生担当の中井英夫担当部長、倉本隆史係長、持田博史さんのほか、地元・綱島本通郵便局(綱島西3)の齋藤修局長、横浜日吉七郵便局(日吉7)の木村彰憲(あきのり)局長らが出席。
同支社では、先月(5月)行われた山梨県内に続いての贈呈式だったこともあり、郵政関連のメディアなど複数社が駆け付けての“注目度の高さ”を示しながらの開催となりました。
齋藤局長は、「弊社は1871(明治4)年に郵便事業を開始し、今年で創業150周年を迎えました。年賀はがきは、戦後の社会経済の復興という時代背景のもとで、国民の福祉の増進を図ることを目的として発行しました」と、その誕生からの歴史について説明。
“寄付金付き”年賀はがきについては、「寄付金の配分は1949(昭和24)年にはじまり、72年の歴史を重ねるなかで、これまでに寄せられた寄付金配分額の総額は、累計で約516億円になります」と、“日本固有の寄付文化”に発展したというその活動の意味、そしてその成果についても言及します。
同事業所については、地域で暮らす知的障害、発達障害、肢体不自由児、医療的ケアが必要となる児童が放課後や学校休校時に通所し、安心、安全に過ごせる場所と空間を提供、地域のイベント活動に参加しながら地域との交流の場も広げるといった地域福祉の増進に寄与している点を評価し、(発電機の)寄贈を決定したとのこと。
今回の寄贈を受けて、同NPO法人の山下容子理事長は、「2014(平成26)年からこの地域で活動してきましたが、2016(同28)年に『医療的ケア児』が法律に明記され、先週(6月11日)に参議院本会議で『医療的ケア児支援法』が成立し可決しました」と、国の施策にまずは触れながら事業所を紹介。
児童らが毎日通う中、「日々、普通に生活していくためにも、子どもたちは電力を24時間必要としています。近年各地で大きな災害が発生していることもあり、救助の方が来るまで、またご両親の元に帰るまで、命をつなぐために電力が必要です」と、今回、発電機の寄贈を申請した理由を説明します。
施設開設時にもガソリンを動力源とした自家発電機を設置したものの、「訓練の時にガソリンを入れるのに存外手間がかかり、また機器の扱いも事業所に多く働く女性では難しい部分が多くあり、蓄電池式で、車に搭載すれば電源を確保できる今回の発電機を選定しました」と、“いざ”という災害が発生した際に備えやすい31万5千円相当の機器が寄贈されたことを喜びます。
新型コロナウイルス禍の発生以降、感染症対策の観点からやむなく通所を控える児童も相次いだこともあり、山下理事長は、「コロナ発生以降の施設の運営は、創業以来最大の“試練”となりました。そんななか、郵便局の皆様からのご支援、また申請書類の作成から機器の選定までを行ってくれた職員たちに心から感謝したい」との想いを熱く語っていました。
特にコロナ禍において、「今、一番大切なことは、少しずつ、一人ひとりが協力しながら、子どもたちの“命を守る”こと」と語る山下さん、「わくわくさん」のメンバーの熱き想いが、今回の寄贈、日々の災害対策、そして国、自治体や地域エリアからのさらなる支援、子どもたちの安心・安全な生活につながっていくことが望まれます。
【関連記事】
・年賀はがきはどう書くの?日吉台小で郵便局が「手紙の書き方」教室(2020年12月17日)
・日吉に重症心身障がい児の「居場所」初開設、共感呼びネットで資金調達も(2017年6月5日)※「わくわくさん日吉」設立当時は株式会社での運営だったが、2019年8月からNPO法人を設立しての運営に変更となった
【参考リンク】
・2021年度日本郵便年賀寄付金配分団体が決定いたしました。(日本郵便株式会社)
・2021年度 日本郵便年賀寄付金配分団体およびその寄付金額の決定(同社のプレスリリース)
・医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案(概要)(衆議院のサイト)※PDFファイル