綱島東地区での「綱島街道」4車線化に向け、目に見える形での動きが出てきました。綱島東2丁目の先月(2021年2月)下旬には拡張の対象地となっているレンタカー店が閉店して更地化されるなど、複数の土地が横浜市へ道路用地として譲渡されたと見られ、市道路局も「地元は協力的で、予定通りに進んでいる」との認識を示しています。
綱島街道は「東京丸子横浜線」の名で、第二次世界大戦後の被災復興を目的とした国の機関「戦災復興院」が1946(昭和21)年8月に都市計画を決定したという歴史を持つ都市計画道路。
都市計画で道路拡張が計画されている土地は、事業化(土地買収や工事を実際に行うこと)の有無に関わらず、計画対象地となると同時に、ビルのような頑丈な建物の建設ができないなどの制限が発生。
そのため、日吉や綱島の綱島街道沿いでは、将来の拡幅予定地を避けて建物を建てたり、駐車場として活用していたりする土地が目立ちます。
現在、2車線となっている日吉駅東口から綱島駅東口間は、近い将来の4車線化が計画されています。
このうち北綱島交差点から綱島駅東口(綱島駅前付近交差点=コンビニ「ミニストップ」付近)までの0.97キロについては、2018(平成30)年11月に先行して事業化が決定。現在、測量や用地の買収が順次進められています。
拡張予定地に土地を所有する一人は、長年にわたって土地活用に制限を受け続けてきたこともあり、「今回の対象地で、道路拡幅に対して明確に反対している人はいないのではないか」といい、この所有者も含め、すでに複数の土地所有者が道路用地として市に土地の譲渡を終えたとみられます。
土地の買収や工事を担う市の道路局も「地元の皆さんは協力的で、予定通りに進んでいるという認識を持っている」と話し、合意が取れた土地から順次入手しているといいます。一定の用地を確保した場所から先行して工事を行いたい考えです。
一方、工事面では課題も指摘されており、混雑が目立つ2車線の綱島街道上で工事を行うためには、影響を最小限に抑えるためのう回路設定や車線規制の方法などの検討が必要な状況。
また、綱島東2丁目の丘の上に置かれた神社「綱島神明社」へ出入りするアクセス階段の一部が拡張予定地に含まれていることから、土地が狭められたなかで、アクセス路をどう確保するのかという技術的な課題も横たわっています。
加えて、綱島街道は市の「緊急輸送路」となっていることから、道路拡張と同時に、電柱の地中化工事も並行して行う計画です。
関係者によると、今回の拡幅予定地ですべての工事を終えられるのは、2024年度(2024年4月~2025年3月)以降となる見通し。
当面は、再開発が行われている新綱島駅(2023年3月までに開業予定)側などで、工事に着手できるだけのまとまった用地をいつ確保できるかが鍵となりそうです。
(※)写真はすべて2021年3月中の撮影。交差点名とした「デニーズ前」と「綱島駅前付近」は場所をわかりやすく示すため通称名を用いました
(※)この記事は読者の方からの情報提供をきっかけに取材を行い、記事化したものです。ありがとうございました。
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・綱島東エリアでの「綱島街道」拡幅、2023年3月までに“一定の進捗”図る(2018年3月15日)
・綱島街道の拡幅は「北綱島~綱島交差点」間で先行、2018年度中の着手を表明(2018年2月6日)
・再開発が一部完成した箕輪町で、新年度も「綱島街道」拡幅予算化は見送り(2020年4月1日、箕輪町側では事業化が行われていない)
【参考リンク】
・東京丸子横浜線(綱島地区)の状況(横浜市道路局)