2011(平成23)年3月11日(金)に発生した「東日本大震災」からきょうで10年。先月(2021年)2月13日(土)夜には福島県沖を震源とした大きな地震が発生し、日吉・綱島周辺でも大規模な停電が発生するなど、いつ被害が起きるのか分からない状況です。もし大規模な地震が発生したらどのような被害が想定されるのか、今一度、確認してみてはいかがでしょうか。
横浜市では、4つの大規模地震の発生を対象とした被害想定をまとめており、各区や地域ごとに震度の強弱や液状化の危険性が視覚的に分かるようまとめられています。
市が対象としている4つの地震のなかで、もっとも大きな被害が想定される「元禄型関東地震」は「想定外の事態をなくそうという考え」(横浜市地震被害想定調査報告書)から取り上げているものの、「発生確率は低い」(横浜市地震防災戦略)とされています。
また、「南海トラフ巨大地震」も同様に「東日本大震災を踏まえ、想定外をなくす考え」(同)から選定されたもので、もう一つの「慶長型地震」は津波被害の検討対象として選んだとのこと。
一方、「東京湾北部地震」はいわゆる“首都直下型地震”の一つで、「本市中心部から東京側では揺れ・火災により相当な被害が見込まれます」(横浜市地震防災戦略)といい、東京に近い港北区内では、この地震の被害想定に注目したいところです。
東京湾北部地震を想定した市の「地震マップ」では、高田駅から日吉本町駅にかけての東側一帯や、日吉の矢上川沿い、綱島東や樽町付近の鶴見側沿いで特に震度が大きくなると想定。
たとえば、日吉駅前のごく一部では震度が「5強」で済む一方、これらのエリアでは「震度6強」の揺れとなるおそれあるとされています。
もう一つ確認しておきたいのが「液状化マップ」で、東日本大震災では港北区南部の住宅街で大規模な液状化被害が発生し、全国的な注目を集めただけに警戒したいところです。
東京湾北部地震を想定した液状化マップでは、丘の上にある日吉本町や下田町、高田の一部と綱島台は、液状化の危険度が「かなり低い」とされ、このほかの周辺エリアも「危険度が低い」と判定。
一方、東急東横線の沿いに箕輪町から北綱島交差点付近までの周辺や綱島東エリア一帯、綱島駅西口付近は、「液状化する可能性がある」とされ、特に東横線沿いは「危険度が高い」と想定されています。
揺れの強さや液状化の危険性については、個人では対策が難しいだけに、まずは自らが住む場所の現状を認識したうえで、避難所の確認や防災用品の準備など基本的な準備をこの機会に確認しておきたいところです。
【関連記事】
・日吉・綱島・樽町・大曽根や井田・木月・駒岡など約5万7千軒で大規模停電(2021年2月14日、先月の地震による停電)
・東日本大震災時の身近な被害を思い出す、日吉・綱島・高田など港北区の記録(2020年3月11日、港北区内の被害一覧)
・<情報拡充>土地の「成り立ち」や「リスク」が見える便利な防災地図サイト(2020年7月22日)
【参考リンク】
・東京湾北部地震 地震マップ(首都直下型地震を想定した横浜市内18区の揺れの強弱をマップ化)
・東京湾北部地震 液状化分布図(首都直下型地震を想定した横浜市内18区の液状化危険度をマップ化)