今だからネット上で旅する、日本の風景に癒された「ライブカメラ」5選

横浜日吉新聞

昨年(2020年)春に続き、新年早々から二度目の外出自粛が求められている2021年。外出しづらくなった今、インターネット上で日本各地の様子をリアルタイムで見られる“ライブカメラの旅”を試してみてはいかがでしょうか。テレワークなどでの自宅作業中にも楽しめ、旅した気持ちでどこか心が癒される、そんなとっておきの“風景”を港北区在住のライター・田山勇一氏が紹介します。

北海道から沖縄の南端までライブカメラ探訪

静岡市はYouTubeを使って「薩埵(さった)峠」からの美しい風景をライブ配信する

かつてのライブカメラといえば、公的な団体が設置した防災用やテレビ局による天気中継用として、おまけでインターネット上にも公開しているというイメージだったが、現在ではインターネット回線の速度が速くなり、YouTube(ユーチューブ)のような配信プラットフォームを誰でも手軽に使えるようになったことで、個人が高画質カメラで配信するケースも増えている。

景色の良い場所に設置されたライブカメラも多く、ホテルの窓から眺めた風景のように、鮮明な映像がインターネット上から楽しめる。パソコンを大画面のテレビにつなげて観ると、まさにバーチャル旅行といった気分だ。

昨年春から満足に旅行や行楽に出かけられない状態だから、こうなればバーチャルで楽しむしかない、ということで日本各地のライブカメラ100カ所以上を探索。とっておきの5選をご紹介したい。

なお、今回は、近所に置かれた鶴見川や早渕川の防災カメラとか、渋谷のスクランブル交差点のカメラとか、今の厳しい現実を思い出してしまうような近隣地域のライブカメラは除外した。

)ライブカメラの配信のアドレス(URL)はたびたび変更されるため、配信者の「チャンネルページ」にリンクしています。そこから「ライブ」と書かれた画像(箇所)を探してクリック(タップ)。また、夜間や深夜、故障の場合などは配信していないことがある。

)転載した画像はいずれもYouTubeの配信中動画より

(1)雪と海と駅、秀逸な「函館ライブカメラ」

北海道の玄関口、函館駅前を24時間映しているライブカメラ。駅前に建つ高層マンションから撮っているとみられるアングルが素晴らしい。

函館駅の後方に広がる津軽海峡の入口「函館湾」の先に、天気が良いと渡島半島の山々まで見渡せる。駅前のバスターミナルや広場も映し出されているので車や人の動きも頻繁で、函館湾に出入りする船や、駅を発着する列車も含め、常に動きがあるので観ていて退屈しない。

音声も収録されており、海峡に吹く海風や列車の汽笛、時には街を走る救急車の音まで聴こえてくる。

一番の見どころは、冬の北海道の天候で、吹雪に近いような雪と鉛色の空が続いているかと思ったら、急に太陽が現れて、冬の澄んだ空気のなかで一気に視界が開けることも。そんな風景の移り変わりを見られたときは感動的。津軽海峡の海の青さにも目が癒されるはず。

もう一つ、密かな愉しみが夕暮れの風景で、冬だけ設置された駅前のイルミネーションは、4時から5時過ぎにかけての1時間がもっとも美しくカメラに映る。

鉄道の玄関口が新幹線の「函館新北斗駅」に移り、函館駅前から発着していた青函連絡船も消え、最近は駅舎の姿も一変しており、少し昔に北海道を旅した人には変化の大きさも見てほしいところ。

時おり、駅前のバスターミナルに現れる路線バスのデザインが見慣れた「東急バス」にそっくりなのはなぜなのかなど、色んな見方や楽しみ方が広がるライブカメラとなっている。

(2)南の海と空、離島を感じる暖かな風景

北海道から一気に沖縄へ、しかも南端の「石垣島」。先ほどの厳寒の函館とは違い、こちらは常に暖かそうな海が眺められる。函館では夕方5時頃には真っ暗になっても、石垣島はまだまだ“真昼”のままだったりするので、日本は広いと感じるはず。

石垣島からさらに遠く、日本最南端の「波照間島(はてるまじま)」や、日本より台湾のほうが近い位置にある最西端の「与那国島(よなぐにじま)」など、離島へのフェリーが発着する港の付近に建つマンションにカメラを設置。冬でもひたすら青い空や海が一番の見どころで、風の音や周囲の音も拾ってくれる。

港へ頻繁に出入りする船を眺めながら、どこの島へ行くのだろうか、と想像していると少しだけ南の島を旅をした気分に。

画面の中央奥に映る、石垣島と与那国島を結ぶ「フェリーよなくに」は週に2度ほどしか運航しない“レアキャラ”。冬場はよく欠航するので、偶然にもその出入港風景を見られると、どこか得した気持ちになる(与那国島は飛行機移動が便利なため、荒れ狂う海を往来するフェリーはどちらかというと貨物用)。

小笠原村・父島からのライブ配信も

そうしたレアキャラ探しや最果ての離島が好きな人には、本州から一番遠い地と言われる「小笠原諸島」の父島の港を映し続ける「live1 bonin」もお薦め。週に1~2度しかない大型旅客船「おがさわら丸」の出入港が見られたら“超ラッキー”といえそう。

おがさわら丸の出航直前に小さな船が急に慌ただしく出港していくシーンも見どころで、一生に一度の訪問となってしまうかもしれない来島者が再び島へ戻ってきてくれるように、海上から「いってらっしゃい」の掛け声で見送る“恒例セレモニー”のためで、東京・竹芝桟橋から片道24時間近くかかる日本最遠の島の風景を思い浮かべるのも楽しい。

(3)ただ、眺めているだけで幸せな「富士山」

富士山のライブカメラは多く存在するが、日常生活のなかにある美しい富士の風景を映し出しているのがこちら。新幹線の新富士駅から近い静岡県富士市「田子の浦(たごのうら)港」の至近にある企業が独自でライブカメラを設置している。

海沿いに立ち並ぶ製紙工場の白い煙と、港へ出入りする大小の船が富士山の風景にアクセントを与えてくれ、微妙に変化する一枚の絵画を眺めている気分。天気の良い日中に見ると心が癒される。

もう少し動きがほしいという時には静岡市が設置している「静岡市さった峠 ライブカメラ」もお薦め。

大海原と日本の大動脈である「東名高速道路」や国道1号線、さらには東海道本線(在来線)とともに富士山が眺められるという絶景。古来から日本人が愛し続け、描いてきた風景も、現在はリアルタイム映像でいつでも眺められるようになっている。

(4)深夜の寂しい時間帯も心強い”鉄道ライブ”

鉄道が見える場所に設置されたライブカメラは全国に数多くあり、一例を挙げると「新宿駅近く」や「JR名古屋駅の俯瞰」、「新大阪駅近く」など、各地で行き交う電車を観ることができ、鉄道が好きな人にとっては「たまらない映像」がリアルタイムで配信されている。

そんな数多くの鉄道ライブカメラのなかで、お薦めなのが埼玉県の「さいたま新都心駅」近くに設置されたこちら。

昼間は京浜東北線や湘南新宿ラインなど無数の電車が行き交うので見続けているのはちょっと慌ただしいが、見どころは23時以降の深夜帯

通勤電車が少なくなってきた頃に活発な動きを見せるのが画面の奥側で行き交う「貨物列車」で、24時間ずっと走り続けている。そして、終電後には線路工事用の車両が現れることも。普段はなかなか見られない“もう一つの鉄道風景”を映し出してくれる。

画面の背後にそびえる2棟の高層ビルにも注視したいところ。どちらも国の「合同庁舎」となっており、経済産業省や国土交通省、厚生労働省などさざまな役人の人々が働いているオフィスだ。深夜なのに明かりがともされているフロアを見つけると、自分も頑張らねば、と少しだけ勇気づけられる。

(※)なお、飛行機が好きな人には、大阪の街並みをバックに離着陸する「大阪空港(伊丹)」のライブカメラをお薦めしたい。天気が良い夜の夜景は必見。

(5)今は少し悔しい「スキー場&温泉」の中継

群馬県・草津温泉の「湯畑」やスキー場をリアルタイムで映し出しているカメラ群で、常に噴き出している湯けむりと、滑走しているスキーヤーやスノーボーダーの姿を観ることができる。

首都圏から遠い場所ではないので、普段なら今シーズンはいつ出掛けようか、などと予定を立てたり、考えたりもできるが、今はそれさえ難しいのが悔しいところ。

旅館の窓から湯畑をぼんやり見ているとか、レストハウスでのんびりスキー場を眺めているなどの気持ちで、想像を働かせながら、たまに気分転換で眺めてみるのが良いかもしれない。

なお、風光明媚な観光地にライブカメラは数多く設置されており、「天橋立 傘松公園24時間ライブ映像」(京都府宮津市※好天の日にぜひ)や「善光寺LIVEカメラ」(長野市※移動式)、「兼六園ライブカメラ」(金沢市※画質はいまいち)、「LIVE 道後温泉本館!!正面カメラ」(愛媛県松山市※建物だけでも見たい)、「上野城ライブカメラ 桜島と鹿児島市内」(鹿児島市※噴火の様子や鉄道も)など、“日本一周”的な楽しみ方も可能なので、外出できない憂さ晴らしにも活用したい。

なお、YouTubeで公開されているライブカメラは冒頭にCM(広告)が入ることがあり、5秒後に右下の「広告をスキップ」で飛ばすことが可能。

また、動画は受信容量が大きいため、スマートフォンで長時間閲覧する際は容量制限に注意しながら、“良き旅”を。

レポート・田山勇一(たやまゆういち):港北区在住のライター。全国の街歩き旅スポーツ観戦が趣味。2019年秋には日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で行われた「ラグビーワールドカップ」の試合を新横浜新聞~しんよこ新聞でレポートした

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