綱島・大綱橋たもとの花壇を東急が支援、「桃の里」の歴史伝える活動に | 横浜日吉新聞

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綱島の「桃」の歴史を伝える花壇が、東急の支援でその輝きを増しています。

東急線から見える綱島街道沿い、大綱橋のたもとの鶴見川土手にある「ピーチ花壇3」。綱島の桃の歴史を伝える“花桃”の木が植えられている(11月30日)

東急線から見える綱島街道沿い、大綱橋のたもとの鶴見川土手にある「ピーチ花壇3」。綱島の桃の歴史を伝える“花桃”の木が植えられている(11月30日)

東急株式会社(東京都渋谷区、高橋和夫社長)は、同社が2012(平成24)年から行っている沿線の緑化活動「みどリンク」アクションについて、2020年度の支援グループを認定。

新型コロナウイルス感染症の影響により実施が見送られた「花と緑が人をつなぐ~港北オープンガーデン」(同運営委員会、中村文太郎リーダー)や「日吉ブリティッシュマーケット」(同実行委員会、西脇秀人実行委員長)といった2つの大型イベントのほか、「花さく鶴見川プロジェクト・綱島」(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング、岸由二代表理事)など、港北区や日吉、綱島地区から4つの活動が支援の対象に選ばれています。

東急みどリンクの支援により、新しい「桃の木のある癒(いや)しの花壇」に生まれ変わった(11月30日)

東急みどリンクの支援により、新しい「桃の木のある癒(いや)しの花壇」に生まれ変わった(11月30日)

先月11月21日(土)に認定証の授与式が行われたのが、そのうちの1つ「港北みりょく発見団」(川口葉子代表)による、綱島駅(綱島西1)にもほど近い綱島街道沿い、大綱橋のたもとの鶴見川土手にある3つ目の「ピーチ花壇」こと「桃の木のある癒(いや)しの花壇」(綱島東1)。

1994(平成6)年に地域の有志により結成された同グループは、1997(同9)年から綱島の「桃」の歴史を伝える「綱島桃まつり」(飯田助知実行委員長)の企画運営に、同実行委員会の事務局を置き創設期から参画。

夏時期の「ピーチ花壇3」の様子。6月に植えたマリーゴールド、エキナセアなどの花たちが美しく咲き誇る(グループ花いっぱいTsunashima提供)

夏時期の「ピーチ花壇3」の様子。6月に植えたマリーゴールド、エキナセアなどの花たちが美しく咲き誇る(グループ花いっぱいTsunashima提供)

かつて「地元・綱島」で生産が盛んだった桃などを題材にまちおこしを行うことを目的とし、同イベントの運営や、1998(同10)年から、綱島駅東口近くのバス通り「子母口綱島線」沿いの綱島小学校入口交差点にある2つの「ピーチ花壇」、そして翌1999(同11)年からは、今回の支援対象となった大綱橋たもとに3つ目となる同花壇を設置。

綱島の街を行き交う人々や、東急電鉄の車窓から眺める乗客たちにも「綱島の桃」の歴史を感じてもらえるようにと、20年余もの期間、それぞれの花壇の手入れを継続してきました。

綱島の街に「桃」の歴史を伝えたいとの想いを継承

港北みりょく発見団が運営する「つなしまピーチネット」では、綱島の桃の歴史について詳しく伝えている

港北みりょく発見団が運営する「つなしまピーチネット」では、綱島の桃の歴史について詳しく伝えている

同グループが所属するよこはま緑の推進団体港北区連絡会(公益財団法人横浜市緑の協会)の副会長で、綱島エリアの緑化活動に取り組む「グループ花いっぱいTsunashima(綱島)」代表を務める真島(まじま)淳子さんも、この活動を長く支援してきた一人として、今回の認定を喜びます。

真島さんは、「かつて、大正時代から昭和初期まで、最初の駅名となる“綱島温泉駅”があった頃の鶴見川土手の風景は桜並木でした。河川敷には桃畑が広がり、綱島はピンク色に彩られていました。しかし、鶴見川の氾濫、戦中の食糧難などで桃畑は野菜に代わり、今は流域保護のため、河川敷利用や土手の躯体(くたい)へ木を植えることはなくなってしまったのです」と、綱島の街の歴史を語る上で欠かせない「桜」と「桃」が植えられていた頃の風景について言及します。

11月21日に認定証の授与式が行われた(同会提供)

11月21日に認定証の授与式が行われた(同会提供)

その後、地域で活動していた「港北みりょく発見団」の創設メンバー(故人)が、「綱島の原風景を一部でも戻そう」と、綱島市民の森(綱島台)の愛護会会長を務めていたの飯田さんの協力を得て、綱島商店街パデュ通り(綱島西2)や、綱島小学校(綱島西3)、綱島東エリアなどに「花桃」を植える活動を開始。

「たくさんの方が散策し、東横線の車窓からも眺められる土手に桃を植えようと発案し、鶴見川を管理する国土交通省に掛け合って、“土手の躯体に根が張らない”ことを条件に、花壇造成をしました。これが“ピーチ花壇3”なのです」と、真島さんは今回の花壇が作られた経緯を説明します。

生まれ変わった3つ目の「ピーチ花壇」で街の魅力を発信

認定式後に「春の花」を植える様子。日々の地道な作業が、美しい花と緑のまちを生み出す(11月21日、同会提供)

認定式後に「春の花」を植える様子。日々の地道な作業が、美しい花と緑のまちを生み出す(11月21日、同会提供)

1999年9月の造成時に、やはり綱島の歴史を伝える「花桃」や、昔の綱島に生育していたという山野草(さんやそう)も植えた「草花花壇」として誕生した3つ目の「ピーチ花壇」。

しかし、“レンガを積んだだけ”だったというこの花壇は心無い人たちに崩され、放置自転車が倒れ込んで草花を潰してしまうような状態の繰り返しだったといい、「花が絶えないよう工夫して来ましたが、崩れてしまった花壇は荒れがちになっていました」と、今回の東急の支援により、花壇が新たに生まれ変わったことを喜び、同グループの取り組みを激励します。

鶴見川土手、大綱橋(右)に立ち寄るのが楽しみになりそう(11月21日、同会提供)

鶴見川土手、大綱橋(右)に立ち寄るのが楽しみになりそう(11月21日、同会提供)

今回の支援金により、「花壇は堅牢(けんろう)に生まれ変わりました」と真島さん。

新しい花桃の木が植えられたばかりでなく、6月に植えた花(マリーゴールド、エキナセアなど)は大変きれいに咲いてくれました。先月(11月21日)の認定式には、春の花(パンジー、アリッサム、エリカ、ノースポールなど)がメンバーの手で植えられたのですよ」と笑顔で語る真島さんの存在、そして同グループの取り組みにより、「ピーチ花壇」、そして綱島の街全体の輝きが一層増していくことにつながりそうです。

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【参考リンク】

綱島再発見!!つなしまピーチネット(港北みりょく発見団)

支援グループ紹介~【2020】港北みりょく発見団(東急みど*リンクアクション)

活動レポート~2020年度『みど*リンク』アクション認定証授与式【港北みりょく発見団】(同)

2020年度 支援グループ紹介(同)※日吉、綱島の支援先など

第30回 綱島の桃ふたたび-日月桃の今日明日~港北区の歴史と文化(シリーズ わがまち港北)(公益財団法人大倉精神文化研究所)


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