高田の街に4人の新会長が就任、新しい「風」が吹き、地域が盛り上がるのでしょうか。
横浜市港北区高田エリア(高田西、高田東、高田町)で活動する「高田町連合町内会」(宮田寿雄会長)に所属する8つの自治会・町内会のうち、4つの会で、新会長が今年度(2020年度)から誕生しています。
毎月1回、月末近くに、それぞれの会長が集い、情報交換を行う「連合町内会」の10月末の会合時に、新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか活動が思うようにできなかったという4人の新会長に、就任にあたっての「地域まちづくり」への想いを聞きました。
高田駅近く「高田中央町内会」はファミリー世代の転入で活気も
まずは、4つの自治会・町内会の中で約600世帯と規模が最も大きい「高田中央町内会」。
高田西の高田駅に近い一帯がエリアとなっている同町内会では、昨年度(2019年度)まで10年以上にわたり副会長を務めていた青木通夫さんが会長に就任。
中央町内会について、「会員は協力しあい、一人ひとりの参加意欲によりまとまっている印象です。新型コロナでは、知る限りでは会員に感染者も出ていないこともあり、ほっとしているところです」と、これからも健康を意識し、安心・安全に暮らせる街づくりを行っていきたいとの想いを語ります。
最近では、大型マンションの建設や、一戸建て住宅だった場所に、土地を2分割、3分割した住宅が建てられることによる子育て世帯が居住をスタートするケースも増えているといい、「子どもたちの声が街に響き、活気が出てきているようにも思います」と、駅から近いエリアらしい利便性で、新しい居住者が増えていると感じているといいます。
高田東「自治会しらさか」では、地域活性化や防犯への想いを活動に
高田東の住宅地をエリアとする「自治会しらさか」では、門脇信博さんが新会長に。
「今から23年前にこの地区に住まうことになったのですが、転勤があり1年半前に赴任地から戻ってきました」と門脇さん。
約60世帯のみという小規模自治会ということもあり、「世帯主は1回は会長職をしなければなりません」と、順番でその任を担っていると説明。
「メイン通りから離れたちょっと奥まったところにあり、以前は街灯もなく暗かったのですが、最近、ようやくLEDの防犯灯が設置されて明るくなりました」と、特に防犯活動には力を入れていきたいとの思いを語ります。
働きながらの会長職ということで、「若い人が街にこないことには活性化がしない。どちらかというとかなり長く住んでいる人も多く、(街づくりに参加する)人も減ってしまうのではないかと感じています」と、地域の高齢化による衰退を危惧しながら、若い世代による地域活性化の必要性についても指摘。“できることをやっていく”というスタンスで会長職に臨んでいくとのことです。
高田西「高田西原自治会」では、“人の輪広げる”思い継承へ
高田西の都筑区東山田や高田町に接した一帯の住宅地、約230世帯が住まうエリアの「高田西原自治会」では、前年度まで会計を務めていた伊藤主宣さんが会長に就任。
50年前に山の一角を切り崩して造成された住宅地。「最も古い方でも50年くらいの居住となります。30代で入った方が、今はもう80代になっているということで、高齢化がやはり課題です」と、約230世帯だという地域の特性について説明します。
新型コロナウイルスの影響で、今年度は役員会や公園の清掃以外の活動はほとんどできていないといい、「何もなければ何もないのが一番いいという方もいる一方で、前任の会長からは、“隣近所が大好き、人の輪を広げましょう”という思いを聞いていました。実際には、そのようにしていかなければならないな、と思っています」と、特に若い世代などが「(会長職を)やってくれる」と自ら名乗りを挙げてくれることを待ちながら、その役割を担っていくのだろうとの未来像を描きます。
高田東「高田町親和会」では“入会してよかった”と思える活動を意識
高田東の日吉本町に接した付近から白坂住宅前交差点付近までの約460世帯をカバーする「高田町親和会」の新会長に就任したのは、前副会長の寺澤憲治さん。
「ちょうど町内会活動に参加して丸10年、今年で11年目になりますが、仕事をしている最中ぐらいから、前会長から声がかかり、仕事辞めてから2年くらいたってから“待ってました”と無理やり引きずりこまれました」と、活動に参加するきっかけを笑顔で語ります。
「副会長を6年務めて、前会長が勇退し、“ぜひ(会長になってほしい)”と。前会長が行っていた“安心・安全なまちづくり”の理念をそのまま継承し、時間が取れる時は、高田東小学校(高田東2)の児童の帰宅時の見守りを行っています」と、特に力を入れている活動についても説明。
通常の活動としては、1カ月に1回は行っているという防犯パトロールや、道路の清掃や美化活動等を行うボランティア団体「ハマロード・サポーター」としての活動、また町内会費を有効活用し、“つながり”をつくるための一環としての「出産祝い金」、「入学祝い金」や、葬儀の際の香典などの支払いも行っているとのこと。
今年一番困っていることとしては、やはり新型コロナウイルスの感染に関することで、「大きな活動ができていないことがあります。日帰りのバス旅行などもできずにいますし、敬老茶話会(お年寄りをケアプラザに呼んで食事を共にする)といった活動もできない。お年寄りの動向確認のための個宅訪問もコロナのため難しく、何割かはできていますが、100%の活動ができていないことが心残りです」と、フルに活動ができない悔しさを語る寺澤さん。
1975(昭和50)年に結婚するまで、東京の目黒にいたとのことですが、「結婚してこの場所に来たこともあり、東京よりも横浜の住民になってからのほうが長くなりました。骨を埋めなきゃと思っています」との思いを抱いているとのこと。
ゆえに、地域への想いも強く、「ほかの会長の皆さんも指摘されているように、後任の会長を選ぶ際に、若い方がなかなかいいですよ、やりますよ、という状況になっていません。自治会・町内会は、行政からのいろいろなお手伝いのようなことを多く行っているので、例えば行政(市・区)からの後任の推薦といったものがあるといいのでは」といった、行政からのさらなる支援、特に若手世代の活動への参加促進や、役員人事といった人材登用への後押しの必要性についても言及していました。
高田の街に誕生した「新会長」4人の新しい知見や想いが、どのように地域に届き、また新しい「まちづくり」の輪として広がっていくのか。
それぞれの活動を通じて、次世代の活動への参加を促す素地を作っていくことができるのかという点にも大きな注目が集まりそうです。
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【参考リンク】
・高田町連合町内会の紹介(港北区連合町内会のサイト)
・高田町連合町内会とは(助け合いのまち よこはま・高田)※高田地区の自治会・町内会について詳細を掲載
・高田地区の8つの町内会・自治会(同)※各会詳細ページへのリンク有
・つなぎ塾トーク<第3回:高田のみなさん>(港北つなぎ塾のサイト)※高田のみなさんが登場、地域まちづくりへの想いを熱く語っている