プロアイスホッケー「グリッツ」が地元開幕、“氷上の格闘技”の迫力と距離感 | 横浜日吉新聞

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地元・港北区に新たに誕生したプロアイスホッケーチーム「横浜グリッツ(GRITS)」が、いよいよ新横浜での開幕戦を迎えました。

本拠地のKOSE新横浜スケートセンターで迎えた「ひがし北海道クレインズ」戦(10月18日)

本拠地のKOSE新横浜スケートセンターで迎えた「ひがし北海道クレインズ」戦(10月18日)

今年からプロアイスホッケーの国際リーグ戦「アジアリーグ」(今シーズンは海外チームが参加できないため日本5チームによる暫定的な「ジャパンカップ2020」として開催)に参戦した横浜グリッツは、すでに今月(2020年)10月10日(土)と11日(日)に開幕戦を北海道・苫小牧で「王子イーグルス」と対戦。

王子イーグルスは創設95年という老舗チーム。アジアリーグでは上位が定位置となっている上、敵地の開幕ゲームで当たってしまったこともあるのか、横浜グリッツは、初日が1対8、翌日は0対12で完敗してしまいます。

港北区役所から栗田るみ区長が来場し開幕の祝辞を述べていた(10月18日)

港北区役所から栗田るみ区長が来場し開幕の祝辞を述べていた(10月18日)

それでも、10月17日(土)と18日(日)に本拠地のKOSE新横浜スケートセンター(新横浜2)で迎えた開幕戦の前売券を10月12日の10時から「チケットぴあ」で販売したところ、わずか5分ほどで完売してしまった(同チームによる)とのこと。

新型コロナウイルス感染症対策のため、観客数を制限しての開催となったものの、当日券が2試合とも110枚ほど(1階C指定席:1枚2500円)発売されたこともあり、関東近郊エリアや対戦相手の「ひがし北海道クレインズ」の本拠地・北海道釧路市や道内からの熱心なアイスホッケーファンが訪れるなど、熱き視線と声援が両チームに送られていました。

レッドカーペットの先での記念の「フェイスオフ」を行った後、試合開始へ(10月18日)

レッドカーペットの先での記念の「フェイスオフ」を行った後、試合開始へ(10月18日)

横浜グリッツは、運営会社であるGRITSスポーツイノベーターズ(中区新山下)の臼井亮人社長やジェネラル・マネージャー(GM)の御子柴高視取締役、チームの浅沼芳征監督ら慶應義塾大学スケート部アイスホッケー部門などのOBが中心となって2019年5月に立ち上げたチームということもあり、日吉や港北区にもゆかりが深い“地域密着を志す”チームとしてのスタートを切っています。

迫力ある試合シーンが眼前に(10月18日)

迫力ある試合シーンが眼前に(10月18日)

6月12日には、経営陣や選手ら11人が港北区役所(大豆戸町)を表敬訪問したほか、10月4日は、トレッサ横浜(師岡町)での「出陣式」も行っています。

おととい17日には横浜市の林琢己副市長、きのう18日には栗田るみ港北区長が試合会場を訪れ、試合開始前のあいさつや、パックを落とし入れる記念の「フェイスオフ」を行うなど、チームの“地域密着”を色濃く感じさせるアピールを行っていました。

ゴールの瞬間。身体じゅうで喜びを分かち合う(10月18日)

ゴールの瞬間。身体じゅうで喜びを分かち合う(10月18日)

試合は残念ながら17日が1対4、18日が2対4と、前週に続きいずれの試合も敗戦となってしまいましたが、選手がパックを叩きつける姿や、氷を削るスケート靴の音までも迫り来るかのような「観戦の迫力」は、地元区民として一見の価値がありそうです。

なお、ホームでの試合終了後に、環境保護と地域貢献活動の一環としての新横浜スケートセンター周辺でのゴミ拾い活動のイベント「LEADS TO THE OCEAN 海につづくプロジェクト」を18日に初開催。

得点シーンをこれからも多く見られることを期待したい(10月18日)

得点シーンをこれからも多く見られることを期待したい(10月18日)

当初は17日の開催も予定していたものの、雨天のため中止となっていたこともあり、現場に現れた氏橋祐太選手金子直樹選手金子透悟選手の3人の登場にファンらもその距離感を喜び、最後は記念となる集合写真の撮影も行っていました。

18日は、エキサイトした両チームの選手による激しい小競り合いによりゲームが中断するハプニングもあったものの、「もともと北米を起源とするアイスホッケーでは、選手どうしの激しいぶつかり合いはよく見られるもの」と、アイスホッケーリーグの関係者は、「氷上の格闘技」といわれるゆえんの、その激しさもこのスポーツの魅力の一つとも諭(さと)すかのごとくに説明します。

試合後の清掃活動イベントでの距離感も、新たな時代の選手とファンの交流の息吹を感じさせるシーンとなった(10月18日)

試合後の清掃活動イベントでの距離感も、新たな時代の選手とファンの交流の息吹を感じさせるシーンとなった(10月18日)

雨中のスタートとなった17日、試合の中断もあった18日。さまざまなドラマやシーンに彩られた地元チーム「横浜グリッツ」の新しい船出。

1990年10月に「新横浜プリンスホテルスケートセンター」としてオープンしてから30年を迎えたばかりの同スケートセンターの新しい時代を創るばかりでなく、2009(平成21)年に廃部というかたちで幕を閉じた「SEIBUプリンスラビッツ(旧国土計画アイスホッケー部)」以来、本格的なプロレベルのアイスホッケー観戦を楽しめる場所として認知され、広く関東近郊からの来客をも巻き込んでの地域活性化への舵(かじ)を切ることが期待できそうです。

試合後もスケートセンター前で多くのファンが迫力のシーンの余韻を楽しんでいるかのようだった(10月18日)

試合後もスケートセンター前で多くのファンが迫力のシーンの余韻を楽しんでいるかのようだった(10月18日)

なお、グリッツの次戦は、10月31日(土)と11月1日(日)に「東北フリーブレイズ」と、青森県八戸市のフラット八戸(FLAT HACHINOHE)で対戦。

来月11月7日(土)8日(日)には、再び新横浜スケートセンターで栃木日光アイスバックスとの「ホーム戦」を行う予定です。

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<レポート>アイスホッケーの楽しみ加わる、新横浜が本拠地「グリッツ」開幕(新横浜新聞~しんよこ新聞、2020年10月19日)※港北区在住のライターによる同日開催試合のレポート記事

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【参考リンク】

横浜GRITS(グリッツ)の公式サイト

試合日程~ジャパンカップ2020(同)※結果も掲載

NEWS ニュース~【イベント情報】LEADS TO THE OCEAN 選手と一緒にゴミ拾いをしよう(同)

新横浜スケートセンターへのアクセス(プリンスホテルのサイト)

【開業30周年記念】新横浜スケートセンターの1990年当時の様子を公開!(新横浜プリンスホテルのサイト)※「SEIBUプリンスラビッツ」時代の歴史についてなど


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