<横浜市>修学旅行の中止は小学校で3割、中学校は4割、各校で迫られる判断 | 横浜日吉新聞

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学校生活での重要な行事となる「修学旅行」や「宿泊学習」を実施するのかどうか、横浜市内の小・中学校特別支援学校が判断に迫られています。

修学旅行イメージ(Photo ACより)

横浜市では、実施の判断各校の校長にゆだねており、市教育委員会によると、今月(2020年)9月9日時点で修学旅行は小学校の約3割、中学校で約4割が中止する考えを持っており、特別支援学校12校中11校で中止を決めたといいます。

修学旅行を中止した場合には、他の学年で計画されている宿泊をともなう行事自体を実施しないという判断になりそうです。

先週9月9日に開かれた横浜市会の「こども青少年・教育委員会」で、市教育委員会が市立学校の現状を報告しました。

市教育委員会は、修学旅行や宿泊学習を行う学校に対しては、看護師の同行やツアーガイドなどの増員を支援するほか、中止を決めた場合も旅行会社への企画料やキャンセル料の公費負担を決定。計1億8000万円の補正予算を組み、この日のこども青少年・教育委員会で全会一致により可決されました。

市会での説明によると、修学旅行や宿泊学習が行われる場合でも、新型コロナウイルスへの不安から保護者の判断で参加させない場合キャンセル料は公費で負担する考え。同日までに市内の小学校4校、中学校3校が修学旅行を実施したなかで、小学校では児童3人、中学校は生徒1人が参加を見合わせたといいます。

新横浜駅から新幹線に乗る修学旅行の中学生ら(2019年、イメージ)

新型コロナウイルスの感染が終息していないなかで修学旅行や宿泊学習の実施には、密集や密閉状況を回避するため、部屋やバスを追加手配したり、人数を分散させて見学したりといった細かな感染防止対策が必要。学校内で感染者が発生した場合などは、直前で中止に追い込まれるリスクもはらみます。

一方、中止した場合には、新学期の長期休校で登校日数が削られたなか、児童・生徒にとって重要な思い出作りの場が失われてしまうことになります。

苦心して決行するのか、それとも安全面から中止するか――、すべての市立学校で、難しい決断を行うことになりそうです。

なお、川崎市では小学校の修学旅行を一律で中止として、市内にある「よみうりランド」に貸切日を設けて招待する計画とし、中学校は8月から10月に修学旅行を実施する方針を決めています。

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港北区の小・中学校は6/1(月)から再開、2週間は「分散登校」で短時間(2020年5月25日、前年度の3月3日以降、短時間の卒業式や入学式などを除き、4カ月近く臨時休校状態だった)

【参考リンク】

新型コロナウイルス感染症「くらし・経済対策」(令和2年8月)について(横浜市政策局、「3.新たな日常に取り組む」の9ページに「修学旅行等支援事業」を計上)


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