窓の開かないグリーンライン、コロナ対策で車両の「換気装置」を改修へ | 横浜日吉新聞

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グリーンライン車内での新型コロナウイルス対策が強化されます。横浜市交通局は、窓の開かない地下鉄グリーンライン車両で、車内に設置されている換気装置を改修するため1億9800万円の補正予算を組み、きのう(2020年)9月10日の横浜市会「水道・交通委員会」で全会一致で可決されました。2022年3月までには全17編成68両の改修を終えたい考えです。

グリーンラインの車両(日吉駅)

当初は少ない需要予測から建設コストの削減を求められたグリーンラインは、ブルーラインなどの地下鉄と比べて小型のトンネルと車両による路線となっています。同線を走る10000型(1万型)車両は、車内の騒音が懸念されることから窓は開けられない仕様です。

水道・交通委員会での市交通局の説明によると、同車両には、火災などの非常時に換気するための換気装置が設置され、約1分半で車内の空気を入れ替えることが可能。ただ、停電時の稼働を想定して電源には蓄電池を使用するなど、常時換気を行うための装置としては適しておらず、現在は高田駅から日吉駅間など、区間を限って使っているといいます。

グリーンラインの車両に設置された強制換気装置は約1分半で車内の空気を入れ替えることができるが、もとは非常用として設けられたものだという(写真はイメージ)

一方、新型コロナウイルスの感染対策には、電車やバスの窓は常時、一定程度を開けておくことが有効だとされており、駅間では車内が密閉された状態となってしまうグリーンラインでも対策が求められていました。

市交通局では年明けから順次、改修を実施するとともに、全車両の改修を終えるためには2022年3月までと時間を要することから、その間は現在の換気装置を常時使用する検討も行っていくとのことです。

【関連記事】

グリーンラインの混雑緩和へ「6両編成化」、9月からホーム工事に着手(2020年6月29日)

【参考リンク】

新型コロナウィルスに関する交通局の運行などの対応について(横浜市交通局、新型コロナウイルス対策の一覧)

市民の声「車内の強制換気を常時行ってください」(横浜市「市民の声」公表、2020年4月、市民からも常時換気の要望は上がっていた)※一定期間でページが消えます

市営地下鉄の列車の混雑状況について(横浜市交通局)


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