「コロナ禍だからこそ、治安の悪化に備えてほしい」――駅の利用客からの“声”に応えた訓練が実施されました。
港北警察署(大豆戸町、太刀野一夫署長)は、きのう(2020年)8月20日午前、来年(2021年)に開催予定の「東京2020オリンピック競技大会(東京2020五輪)」に備えたテロ対応訓練を、東急線日吉駅(日吉2)の地上改札前コンコースで実施しました。
国際的なスポーツイベントである東京2020五輪では、慶應義塾大学日吉キャンパス(日吉4)が英国代表チームの事前キャンプ地になっていることから日吉駅での訓練が行われたもので、同警察署のほか神奈川県警第二機動隊(中原区木月)、東急電鉄や東急セキュリティ、横浜市営地下鉄(グリーンライン)の日吉駅駅員ら約30人が訓練に集結。
不審者が現れ、不審物が置かれたという想定のもと、初期対応能力の向上や関係機関との連携強化を図るという目的で、合同での訓練が行われたものです。
この日は、日吉駅地上改札向かいの日吉東急アベニュー(日吉2)の10時のオープン時間にあわせ訓練をスタート。
不審者役(警察官が担当)の人物が、コンコース内慶應キャンパス側に黒い小さな鞄(かばん)の不審物を置き、その場から立ち去ります。通行人役(東急電鉄駅員)が日吉駅の駅員にこれを報告、実際に駅員が電話で警察に通報、駆け付けた署員らが不審者を取り押さえるシーンもリアルに想定しての対応も実施。
最後は、機動隊の隊員が不審物の中身が爆発物であるかなどを機械を用い調査、専用の器具で回収を行う場面までの約20分間の訓練を行っていました。
東急日吉駅の佐藤武志駅長は、「オリンピックに向けての準備はもちろん、コロナ禍においても防犯、治安面で心配だという利用客の声が多く寄せられていました。対策をしていかなければと思っています」と、今回の訓練の必要性に言及します。
訓練には、オリンピック開催時に重要な乗り換え駅となる東急菊名駅(菊名7)の駅員らも参加し、来年の開催に向けたテロ発生時の対応フローについての実践と確認を、日吉駅の駅員らとともに行っていました。
「警察や関係機関の皆さんとさらなる連携をはかり、安全策を講じていきたい」と佐藤駅長。
平日の日中にもかかわらず、駅や日吉東急の利用者ら多くの通行人らも訓練の様子を注視するなど、「いざ」という時の対策や対応についての“心構え”を、関係者のみならず、現場に居合わせた地域住民らも共有できる、貴重な機会になったといえそうです。
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【参考リンク】
・港北警備通信(港北警察署のサイト)※同署警備課では、テロ対策への市民の協力を呼び掛けている
・神奈川県警察機動隊(神奈川県警のサイト)