いざという時に備え、コロナ対策の「避難所セット」が発案・寄贈されました。
1971(昭和46)年に箕輪町で創業、現在は新羽町に事務所や工場などを構える株式会社バネックス(箕輪町3)は、先週(2020年)8月6日、横浜市港北区役所(大豆戸町)に、区内の地域防災拠点などで使用することを目的とした避難所セットを初めて寄贈。
贈呈にともなう避難所セットの設置デモンストレーションと、栗田るみ港北区長からの感謝状の授与が同区役所で行われました。
この避難所セットは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を懸念した同社社長の斉藤忠一さんが発案したもの。
斉藤さんは、日吉南小学校(日吉本町4)の地域防災拠点運営委員会の委員長を務めていることから、「コロナ禍において、個人の避難スペースの仕切りが段ボール、かつ背が低いものだと問題があるのでは」と感じていたといい、素材に水にも強く軽量のプラスチック段ボールを使用、高さもプライバシーを守れる程度のものと新製品「プラダン避難所安心空間セット」を考案・デザイン化。
高さ1.8メートル、幅・奥行が2メートル四方の2人用のパーテーションと、奥行1メートルの1人用、パーテーション内で使用可能なベッドをそれぞれ2セット、実際の製作を行った株式会社トーコン(本社:戸塚区品濃町、櫻井誠健社長)金沢事業所(金沢区鳥浜町)所属の日比大輔所長、増田佑隆さんとともに、組み立てながらの説明・披露を行っていました。
斉藤さんによると、プラスチック段ボールは保存にも場所を取りにくく、プラスチック素材で仕切りの高さを確保しているため、飛沫を防ぎやすいという効果も。
また「耐用年数は10年くらいではないか」と、その保存性についてもメリットがあると説明します。
パーテーションの色は「周囲から(透けず)見えにくいもの」を選定したといい、また高さもオーダーメイドで製作可能とのことで、斉藤さんは、「1セット(パーテーション2つとベット1つ)あたり、約8万円の製作費がかかっています。高さや製作数でコストも調整していければ」と、今後の普及への課題についても言及していました。
今回寄贈された「安心空間セット」は、来月9月27日(日)午前に日吉南小学校で開催される地域防災訓練でも組み立て披露することを計画しているとのことで、コロナ禍にも負けない避難所設営のモデルケースの一助となるかに大きな注目が集まりそうです。
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・※開催中止※高田周辺企業も初公開、2020年「港北オープンファクトリー」見学者を募集中(2020年1月8日)※株式会社バネックスは第6回(2018年)から連続参加している
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