<東急武蔵小杉>激変するヨーカドー付近の駅前風景、タワマン下の施設が完成 | 横浜日吉新聞

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2020年7月、東急武蔵小杉駅のイトーヨーカドーや法政二高方面への最寄りとなる「東急南口(日吉寄りの南改札側)」周辺で、また大きな変化を見せています。雑居ビルを中心とした駅前商店街が密集していた空間は、ビルの高層化による再開発で広場が拡大。駅前からイトーヨーカドーの付近にかけては、数年前の風景が思い出せないほど、歩きやすい街に一変しつつあります。

かつて商店街を抜けてアクセスする形だったイトーヨーカドー武蔵小杉駅前店(旧「武蔵小杉店」)」(2018年12月)

まだ武蔵小杉駅の東口が工場街で、タワーマンションの影も形もなかった時代の1983(昭和58)年4月から営業している「イトーヨーカドー武蔵小杉駅前店」(旧「武蔵小杉店」=グランツリー武蔵小杉店の開業により店名変更)は、駅至近にある総合スーパーとして、日吉エリアからも買物で利用した人が多いのではないでしょうか。

パチンコ店や飲食店が立ち並ぶ駅前の商店街を抜けて、たどり着く形の同店でしたが、今では大幅に拡大した駅前広場「こすぎコアパーク」からイトーヨーカドーまで見渡せるように風景が一変しており、まさに“駅前”という環境。「駅からこんなに近かったのか」と驚かされます。

「Kosugi 3rd Avenue(コスギサードアベニュー)」(写真右)の完成で駅前広場からイトーヨーカドーが見渡せるように(7月29日)

駅前を一変させることになったのは、「コスギサードアベニュー(Kosugi 3rd Avenue)」と名付けられた施設が竣工したためです。

これは、駅前の一部ビルや商店、公共施設「小杉こども文化センター」「旧中原図書館」、UR(都市再生機構)の住宅といった建物を一気に取り壊して再開発した建物で、39階建て519戸というタワーマンションと下層部に商業施設を加えた複合ビルとして先月6月末に完成。今月7月9日から一部テナントがオープンしつつあります。

イトーヨーカドーの駅側出入口の正面には商店街が形成されていた(写真上、2017年2月)が、現在は広場と新しい商業施設に変化(写真下、7月29日)

小杉町3丁目東地区」という名で呼ばれたこの再開発エリアは、川崎市を含めた土地の所有権者23人と借地権者2人によって再開発されたもので、「類(たぐい)まれな地権者主体の街づくり」(川崎市)が行われてきた特徴を持つといいます。

そうした経緯があるためか、テナントには「川崎市小杉こども文化センター」(8月1日開業予定)をはじめ、「川崎信用金庫武蔵小杉支店」(7月27日開業)や「田井歯科クリニック」(7月9日開業)、「メガネのオーサカ」(7月9日開業)など、かつてこの地にあった店舗や施設が目立ちます。

イトーヨーカドーの駅前側出入口の正面付近にあった1961(昭和36)年創業の老舗中華店「一番」も、同施設の駅側1階で「一番 喜龍」と名を変えて、今週7月27日(月)にオープンしました。

39階建てタワーマンションの下層部は商業テナントや公共施設となっており、写真右側のレンタルオフィスとカフェ&バーの「MID POINT武蔵小杉 DANTE COFFEE & COCKTAIL」などが先行オープンした

現在、全26テナントのうち13テナントが9月1日までに開業する予定で、残る店舗を含めたグランドオープンは11月上旬になるといい、周辺の広場や道路なども一部で工事が続きます。

今後は、駅前に広がる「こすぎコアパーク」のリニューアルも計画されており、イトーヨーカドーのある東急南口周辺での変化は止まりません。

昔ながらの飲食店街「センターロード小杉」は今も駅前に健在

一方、古くからの駅前飲食店街「センターロード小杉」は今も健在で、“タワマン以前の武蔵小杉”に愛着を持つ人にも落ち着ける環境が残されているのは、街の懐の深さといえそうです。

【関連記事】

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東急・武蔵小杉駅と直結のスーパー拡充、日吉寄り南口の「東急ストア」が復活(2019年4月18日)

【参考リンク】

Kosugi 3rd Avenue(コスギサードアベニュー)の公式サイト(テナントは2020年7月から順次オープン)

東急武蔵小杉駅の案内ページ(東急電鉄)


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