「一人ひとりにお礼伝えたい」と港北区長、日吉商店街の「マスク」1400枚寄贈で

横浜日吉新聞

「回収ボックス」に集まったマスクは1400枚超に―――日吉商店街協同組合(日吉商店街)は、先週(2020年)6月5日から19日まで、日吉駅前の5つの通り会(日吉サンロード商店会・メイルロード商店会・浜銀通り会・普通部通り会・日吉中央通り会)と共同で設置した「寄付用マスク回収ボックス」を通じて集めた未開封・未使用のマスクを、今週23日、港北区役所に寄贈しました。

「SDGs」(持続可能な開発目標)の理念を掲げ、実現したマスク回収と港北区への寄贈。日吉商店街の皆さんと栗田港北区長(中央)、高嶋副区長(右から4人目)

「SDGs」(持続可能な開発目標)の理念を掲げ、実現したマスク回収と港北区への寄贈。日吉商店街の皆さんと栗田港北区長(中央)、高嶋副区長(右から4人目)

「マスクを必要な人へ届ける」ことを目的としたプロジェクトとして、日吉商店街が理念として掲げる「SDGs」(持続可能な開発目標)の理念を具現化するための、「日吉(HIYOSHI) SDGs アクション(Action)」として実施されたこの取り組み。

各通り会の5つの店舗のマスク回収ボックスには、計1416枚ものマスクが集められ、中には、今回の商店街の取り組みに対する「感謝のメモ」が投函されたエピソードもあったといいます。

今年度から就任した日吉商店街協同組合(日吉商店街)の熊井理事長

今年度から就任した日吉商店街協同組合(日吉商店街)の熊井理事長

マスクの寄贈にあわせ、同区役所には、同協同組合の熊井憲一理事長(浜銀通り会会長)、重田清専務理事(日吉中央通り会理事)のほか、メイルロード商店会の篭山(かごやま)秀祐会長、浜銀通り会の佐相廣和副会長や池田紳一郎さん、日吉中央通り会の内田敏夫副会長や西脇秀人事務局長、普通部通り会の島名貴子さんなど計9人が訪問しました。

熊井理事長は、自身の今年度からの就任にも触れつつ、「いままでは平均年齢が75歳くらい(の通り会)がほとんどだったが、今年度からは(平均年齢が)55歳くらいになりました。これから頑張りたい」とあいさつ。

日吉商店街協同組合(日吉商店街)の重田専務理事も、自身の店舗「リカーショップ重田商店」にマスクの回収ボックスを設置した

日吉商店街協同組合(日吉商店街)の重田専務理事も、自身の店舗「リカーショップ重田商店」にマスクの回収ボックスを設置した

重田専務理事は、「日吉(の商店街)も、若い人の力で回りつつあります。今後とも、SDGsの取り組みに協力したい」と、やはり“若返った”という役員メンバーのここ最近の活発な活動について言及します。

今回のマスク回収プロジェクトの中心となった日吉サンロード商店会の杉谷拓紀(すぎやひろき)副会長が、今回の事業が、SDGsの目標のうち、3番目の「すべての人に健康と福祉を」と、17番目の「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成に貢献するためのものと説明。

日吉商店街で5月下旬に行われた、新型コロナウイルス感染症対策としての初のテイクアウト支援事業や、昨年度(2019年度)から本格的にスタートした商店街の美化活動などについても触れ、「誰一人として取り残さない」社会の実現を目指すSDGsの理念に基づいた、それぞれの活動の成果についても報告していました。

メイルロード商店会の篭山(かごやま)会長は、「秋にはハロウィンの飾りを行いたい」と新たなチャレンジに言及

メイルロード商店会の篭山(かごやま)会長は、「秋にはハロウィンの飾りを行いたい」と新たなチャレンジに言及

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までを期限とする、17のゴール・169のターゲットから構成された国際的な目標のこと。

横浜市は国(内閣府)から、2018(平成30)年6月に、「SDGs未来都市」の選定を受け、市の中期4か年計画(2018~2021)でも、“あらゆる施策”で SDGs を意識し取り組みを推進しているといいます。

マスクの寄贈を受け、栗田るみ港北区長は、「いろいろな気持ちを込めてマスクを寄贈してくださったお一人お一人に心からお礼を申し上げたい。SDGsの理念にかなった取り組み、その気持ちをしっかりと届られるように、これまでマスクがいきわたらなかった、区内で市民活動をされているボランティア組織といった場所にも配布したい」と、商店街の担当者自身も、新型コロナウイルスの影響で“大変であろう中”今回の取り組みを実現できたことへの感謝の思いを熱く語ります。

浜銀通り会の佐相副会長も、自身経営する「佐相写真館」にマスク回収ボックスを設置。横浜市経済局による商店街へのコロナ対策の支援もあり、会員も68会員に。「これからも(会員を)増やしていきたい」と意気込む

浜銀通り会の佐相副会長も、自身経営する「佐相写真館」にマスク回収ボックスを設置。横浜市経済局による商店街へのコロナ対策の支援もあり、会員も68会員に。「これからも(会員を)増やしていきたい」と意気込む

栗田区長は、テイクアウト事業でも、「区の職員が、ランチタイムに鶴見川を越えてオーダーを行いましたが、これまでは川を越えてオーダーするという発想がなかった」と、今回のコロナ禍をきっかけに視野や行動範囲が広がった価値観や発想の転換を与えられる機会になったとも“余談”として披露。

特に、昨年(2020年)10月に開催された「日吉ハッピーハロウィン(HIYOSHI HAPPY HALLOWEEN)2019」イベントにも言及し、ここ数年の日吉商店街の“団結力”や“活動力”について「素晴らしい」という表現で称えていました。

今回港北区に寄贈された1416枚のマスクは、港北区社会福祉協議会(大豆戸町)を通じて福祉施設などに配付される予定とのことです。

「(マスクを寄贈してくれた)一人ひとりに感謝したい」と感謝状を熊井理事長(左)に贈呈する栗田区長

「(マスクを寄贈してくれた)一人ひとりに感謝したい」と感謝状を熊井理事長(左)に贈呈する栗田区長

「コロナ禍」に負けないためのそれぞれの取り組みが評価されたためか、日吉駅前での各通り会への加入申し込みも“激増”しているとのことで、これからの日吉の街の活性化の「礎(いしずえ)」が築かれたエピソードとしても、後世に語り継がれていく出来事となりそうです。

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【参考リンク】

【公式】日吉商店街@HIYOSHI Marketツイッター

HIYOSHI SDGs Action!公式ツイッター

日吉商店街のSDGsの取組としてマスクをご寄附いただきました!(横浜市記者発表資料、2020年6月24日)

「SDGs未来都市」(“SDGsFutureCity”)(横浜市のサイト)


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