初の入学式に間に合うタイミングで、新たな「横断歩道」が敷かれました。
港北警察署(大豆戸町・太刀野一夫署長)は、先週(2020年)4月2日の午前、箕輪町2丁目の再開発エリア「プラウドシティ日吉」の南側、4月1日に開校した横浜市立箕輪小学校に隣接した道路(市道=箕輪第215号線)に、横断歩道の新規敷設工事を行いました。
この道路は、綱島街道の南日吉団地入口交差点から日大高校方面にあり、箕輪小学校の正門前、および新たな通学路として設定された同小の西門に入る同再開発エリア内の通路に面しており、これまでは、綱島街道の交差点と、突き当たりとなる場所にしか横断歩道は設置されていませんでした。
この横断歩道の敷設については、同小学校の開設準備を行う学校関係者や地域住民からの要望が強く寄せられたといい、また再開発地に数千人規模で住民や施設利用者が往来することも考慮。同署による新規敷設が決定したといいます。
港北区内には約2千本以上の横断歩道がある(同署)とのことですが、新規の敷設は、2018(平成30)年内に、大倉山5丁目の住宅街に1本、北新横浜2丁目の北新横浜公園前に2本設置されて以来とのことで、「警察官であっても、敷設の風景はめったに見られるものではありません」と、同署交通課の堀井健さん。
同課の島田庄一郎さんも、「当初は3月下旬(の敷設)を予定していましたが、天候が悪く、このタイミングとなりました。晴れた日にしか作業ができないので」と、前日の雨も上がった敷設当日の天候にほっとした表情を浮かべます。
同小学校では、児童の学校の出入口を、現在は道路に面した「正門」ではなく、再開発エリア内の「西門」に設定しており、「正門の前は、(日大高校側の)横断歩道にも近すぎることもあり、また道路の往来も激しいため、子どもたちは出入りをしないようにと、この西門にアクセスするための横断歩道を通学路に設定したようです」と島田さん。
西門に入る通路からは、「“少しずれた場所”に横断歩道を設置することで、安全確認をせず児童が横断歩道へ飛び出すのを防ぐ効果があります。特に綱島街道側からは(マンションギャラリーの)建物の死角になっていることにも注意してほしい」と、決して横断歩道があることに安心せず、左右の車や二輪車などに充分注意してから渡ってほしいと説明します。
この日は、横断歩道の敷設の作業に約10人の工事関係者が訪れ、1本の横断歩道と、車道の停止線、横断歩道があることを表す30メートルの「切れ間ない」中央線、信号がない横断歩道の手前30メートルと、50メートルの場所に、横断歩道があることを予告するための4つの「ダイヤマーク」を手際よく描き、また横断歩道の両端に目印として設置される2つの道路標識も、横断歩道の両端に新たに設置していました。
同再開発地では、まだ数年間にわたる見込みの工事による大型車両の出入りも頻繁に行われており、横断歩道が設置された道路は直線道路で、車や二輪車がスピードを出す傾向も。
また、今年(2020年)に入り、神奈川県内の交通事故死者数は全国でワースト1の51人(4月2日現在の概数、対前年でプラス20人)となっており、「人身交通事故件数は減っているのですが、歩行者や二輪車による死亡事故が増えています。車、二輪車、そして歩行者の皆さんも、くれぐれも重大事故の発生を減らすための細心の注意を払ってもらえれば」(堀井さん)と、今回の横断歩道の敷設による交通安全への意識向上についても、近郊エリアに強く訴えていきたい考えです。
入学式や始業式にも、無事に間に合うこととなった新しい横断歩道。「安心・安全な」横断歩道として使用するために、歩行者側はもちろん、通行する車や二輪車などの交通マナーや安全運転への認識も、この地域社会でより強く求められていくことになりそうです。
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・<箕輪小が開校>児童の居場所「放課後キッズ」、新校舎で初日スタート(2020年4月2日)
【参考リンク】
・港北区内の交通事故発生概況(港北警察署)※区内では3月に篠原町で1人、歩行者の死亡事故が発生している