【法人サポーター会員による提供記事です】宴会キャンセルは1千人超、この苦境をどう乗り越えていくべきか――日吉周辺の飲食店も、大きな打撃を受けています。
今年(2020年)3月で創業からちょうど45周年を迎えた日吉駅前の老舗飲食店「遊膳(遊ZEN)たつ吉」(本店)など、「たつ吉グループ」の3つの店舗(他にそば処たつ吉・中華名菜龍華=いずれも日吉本町1)でも、新型コロナウイルス感染対策としての会合や、宴会自粛による大きな影響を受けています。
特に本店では、定員4人から70人まで使用可能な個室での宴会も大きな売り上げ比率を占めていることから、その影響も深刻。先月(2月)下旬以降の累計キャンセルは45組、1029人(3月13日現在)にも達しています。
「今年2月の上旬、中旬までは、消費増税や学生さんが少なくなった影響があるにもかかわらず、予約も好調に推移し、利用も増えていたので、今回の(大量キャンセルという)事態が本当に残念です」と、同グループを経営する二代目女将(おかみ)で、有限会社河合商事・代表取締役の島名貴子さん。
2月27日に国が全国の小・中学校、高校や特別支援学校に臨時休校を要請してからはさらに宴会自粛ムードが強まり、3月中旬頃までに留まっていたキャンセルが、それ以降の4月中の大型予約にまで及ぶように。
さらに、完成したばかりの慶應義塾大学・日吉記念館(日吉4)で3年ぶりに開催される予定だった卒業式の中止、そして入学式の延期が発表されたこともあり、まさに「先が見えない状況となってしまいました」と、島名さんは、今から9年前の東日本大震災(2011年)以来ともいえる宴会の大量キャンセルに、大きな衝撃を受けているといいます。
3月末までの新サービスで「感謝」を伝えたい
同グループが経営する各店舗で算出した3月の売上高の見込みは、遊膳(遊ZEN)たつ吉(本店)が66%減、中国名菜龍華では28%減、そば処たつ吉では22%減といずれも減少。
宴会キャンセルの余波を受ける本店の減少が最大となっており、「学生スポーツや式典、地域イベントの中止や、企業などでの宴会自粛の影響も大きいと感じます。社員・スタッフの休業や時短勤務も心苦しく行っている状況です」と島名さん。
最近の地域活動で大きなつながりを得つつある若手経営者らとも情報を共有、いずれの企業や店舗も「それぞれが大きな影響を受けており、“なんとか乗り切っていこう”と、仲間たちとも情報交換をしながら、励まし合っています」と、地域のつながりから、かつて例を見ないこの“世界的な感染症の危機”から、少しでも経営を立て直そうとする動きも、少しずつ広がってきているとのこと。
それでも、「2階と3階が宴会場の遊膳(遊ZEN)たつ吉(本店)では、9年振りに予約なしの日々が続いている」こともあり、島名さんは、3月31日(火)までの利用時に、個室料(コース料理・飲食代金の10%)を、4人以上の利用で「無料」(前営業日までの来店または電話予約時のみ・最長1時間30分・20時開始が最終)とすることに。
また、そば処たつ吉でも、同じく3月31日(火)まで、小学生以下のお子様の来店時に、デザートのアイス(またはシャーベット)のプレゼントを開始しています。
どうしても、昨今の新型コロナウイルスの広がりの中では、大規模な宴会の開催が難しいことも理解しているという島名さん。それでも、「お客様が少しずつでも来店してくれることが大きな励みになっています」と、一人ひとりの来店客に、心からの感謝の想いを伝えたいとのこと。
「この(新型コロナウイルス)騒動が収まったら、ぜひ、今回の分まで、多くのお客様をおもてなししたい」と島名さん。
45周年を迎えた日吉の老舗和食店も「変わらず」受けた今回の感染症による“悲劇”を、いつかの「笑顔」に変えることができるのか。
地域からの支援、そして声援により、きっと、またあの賑わいが、必ず、いつか戻ってくるはずです。
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【参考リンク】
(法人サポーター会員:たつ吉グループ~有限会社河合商事提供)