もし慶應日吉キャンパスで「まさか」のテロ災害が起きてしまったら――いよいよ来年(2020年)7月24日から8月9日まで開催される予定の「東京2020オリンピック競技大会(東京2020五輪)」で、慶應義塾大学の日吉キャンパス(日吉4)が英国代表チーム事前キャンプ地となるのに先駆けての大規模テロ対策訓練が初めて行われました。
先月(2019)年11月26日の午後、銀杏並木黄色に染まりつつある同キャンパス内に、同大学や港北警察署、港北区役所、横浜市消防局の特別高度救助部隊や除染技術を持つ戸塚消防署、港北消防署のほか、横浜労災病院の横浜救急医療チームYMAT(ワイマット)などの関係機関の職員・スタッフ100人超が集結。
同キャンパス内協生館2階のイベントホールに、「不審者が侵入、何らかの液体を散布し、多数の負傷者が発生した」という設定での、関係機関の連携と災害対応力の強化を目的とした合同訓練として実施されました。
今回の訓練に参加した同大学の教職員や学生は約50人。まず、不審者に扮した警察官がイベントホールに侵入、ボンベに入った不審物を散布するところから訓練がスタート。
教職員や海外からの留学生含む学生らが避難を順次行う際、昨年(2018)年、新たに港北消防署に導入されたという、日本語・英語・中国語・韓国語で音声を流すことができる「4カ国語メガホン」や、言語が通じなくても、視覚的に避難誘導を促(うなが)すことができる「ピクトグラム」を使用しての誘導も実施。
多数の負傷者が発生したとの想定での救急医療対応や、港北警察署による不審者確保、災害情報を集約する指揮本部の設置、消防隊などによる液体の検知や、無害化活動といった訓練も行われていました。
実際にテロが発生した場合などは、今回の訓練のように全ての機関が、速やかに同キャンパスに駆け付けることは難しいものの、「一つひとつの事態に備えていくためにも、訓練を積み重ねて、検証を重ねていくことで、それぞれの役割を認識し、関係を深めていくことで、“いざ”という災害時にも対応を円滑に行っていきたい」と、訓練を主管した港北消防署と同大学は、今回の訓練の成果を、これからのより一層の非常時対策につなげていきたい考えです。
【当日の様子】
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【参考リンク】
・ニュース~日吉キャンパスでテロ災害を想定した防災訓練を実施(慶應義塾公式サイト)
・慶應義塾大学日吉キャンパスにおいて関係機関と連携したテロ災害対応訓練を実施します(横浜市・記者発表資料)