“人とのつながり”が、響きわたる「第九」の源泉に――。綱島地区が発祥の港北第九合唱実行委員会(佐藤誠三会長)は、今週末の(2019)年12月1日(日)13時30分から15時30分まで(開場:13時より・終演は予定)、大倉山駅から徒歩約7分の港北公会堂(大豆戸町)で、ベートーヴェンの交響曲第九番「歓喜の歌」(第4楽章)などを披露する、恒例の「こうほく第九演奏会」を開催します。
幼少期から小学生時代を日吉で過ごしたアルト・合唱指導の北澤幸(さち)さんは、当イベントの初回立ち上げの際、前実行委員会会長で、前綱島地区連合自治会会長の故・大谷宗弘さんから「日吉には慶應義塾大学、大倉山には大倉山記念館がある。綱島は温泉街のイメージ。綱島により文化的なものを根付かせたい」と、当時の「綱島第九」の企画を打診されたといいます。
「大谷さんとのつながりで、第九に招かれました」と北澤さん。以降、北澤さんとのつながりがあるソリストらが多く企画に参画。その人気の高さもあり、当初の綱島地区センター(綱島西1、現在は練習会場)から、港北公会堂に会場を移し、「こうほく第九」として規模を拡大しての“区民イベント”として成長するに至ります。
いよいよ今年で第10回目、港北区制80周年での記念開催という、「節目の演奏会」を迎えたことへの感謝を語る北澤さん。
「参加者の皆さんが、1回歌うと、次の年に向けての意欲や気持ちがより高まり、継続して参加してくれるだけではなく、来場した方たちの中からも、“私も歌いたい”と感じ、新たに合唱に加わってくださるようです」と、特に綱島や港北区の街に住まう人々がスタッフとしても活動に尽力し、一人ひとりが「助け合い」ながら、イベントを継続してきたことへの感謝の想いを語ります。
また、北澤さんは「この演奏会を通じて、仲間のつながりをより強く感じています」と、指揮者やソリストたちとつながる縁についても、その大切さを強く感じるイベントであることを強調。
今回は、やはり“音楽仲間”のつながりから、過去にテノールとして出演した、神奈川県横須賀市出身で東京藝術大学卒・同大学院を修了の湯川晃さんを新たに指揮・合唱指導者として招へい。
玉川大学卒で、同大学芸術専攻科を修了した佐藤恵利さんも、やはり北澤さんとのオペラ共演がきかっけで、今回のソロを担当することになったといいます。
現在も、玉川大学で生徒の指導にあたっている佐藤さんは、「玉川大学では、大学1年生の一般教養で第九を歌うカリキュラムを実施していますが、ドイツの詩人・シラーによる『全ての人はきょうだいになる』という意味の第九の歌詞を歌い上げる時間を重ねていき、本番で歌ってみると、感動のあまり駆け付けてきてくれる学生もいるほどなんです」と、「第九」に込められた人間愛、人類愛といった壮大なテーマや理念、そして世界観の素晴らしさについて熱く語ります。
「第九を通じ、綱島がより素敵な街になったと感じています」と北澤さん。
合唱のドイツ語指導も行う北村哲朗さん(バス)、学生時代から合唱で参加し、ソロとしての歌の披露は2回目となる松原悠馬さん(テノール)、ピアノ伴奏の児玉ゆかりさん・大隝(おおしま)恵さんら、北澤さんやそれぞれが“人として”つながる「第九」の演奏会。
会場を港北公会堂に移す前までは、合唱メンバーとして同演奏会に参加していた司会の宮田佳奈さんも、地元・日吉在住。譜めくりを初めて担当する中谷(なかや)佳恵さんも、北澤さんと桐朋学園短期大学時代の同級生というつながりから参加するとのことで、より「アットホーム」で、より「地域に密着した」イベント機会としても、純粋に楽しめる時間となりそうです。
なお、「第九」は、第4楽章の、冒頭など通常のオーケストラ演奏部分を一部省いての「ソロ」および「コーラス」部分(全て、伴奏はピアノ連弾)の演奏となる予定。
演奏会のチケットは前売り・当日券ともに999円。購入・問い合わせは、綱島地区センター(電話:045-545-4578)まで。
【関連記事】
・100名規模の大合唱を年末に、綱島発祥「第九」は12/9(日)に港北公会堂で(2018年12月6日)※昨年の記事
・クラシック音楽のプロから学ぶ「うたのひろば」、5/20と6/10に綱島地区センターで(2018年5月15日)
・数々の試練乗り越え今年も「第九」を披露、12/17(日)午後に港北公会堂で(2017年12月15日)
【参考リンク】
・12月1日(日) こうほく第九演奏会(港北公会堂)
・港北公会堂へのアクセス(同)
・綱島地区センター公式サイト ※イベント記事へのリンク有・問い合わせ・チケット販売先
・こうほく第九2019。(北澤 幸・ポンパドゥールの扇子~Amebaブログ)
・玉川の「第九」(玉川大学・玉川学園)※玉川大学では、1年生全員が「第九」を毎年合唱、演奏している。