港北区内の“トップ2”は日吉に置かれた投票所でした。先月(2019年)7月21日に投開票が行われた参議院選挙で、区内に置かれた44投票所の個別投票率がこのほど港北区選挙管理委員会から公開され、大型団地を抱える日吉の投票所での高さが目立つ結果となっています。
港北区内では、前回3年前と比べ6.88ポイント減の49.75%という低投票率となった先月の参院選。そんななか、個別の投票所を見ると、26の投票所では平均以上の投票率を記録していました。
港北区内で高い投票率だった投票所(参院選)
(※)港北区全体:49.75%(4月市議選時:41.39%)[有権者数:28万9,705人]
- コンフォール南日吉集会室(日吉本町4):59.54%(4月市議選時:51.43%)[有権者数:2,296人]
- サンヴァリエ日吉集会室(下田町4):55.77%(4月市議選時:44.76%)[有権者数:5,044人]
- 篠原地区センター(篠原東2):55.59%(4月市議選時:48.38%)[有権者数:2,574人]
- 大綱小学校(大倉山4):54.99%(4月市議選時:46.43%)[有権者数:1万174人]
- 篠原小学校(篠原東3):54.94%(4月市議選時:45.58%)[有権者数:4,931人]
- 港北区役所(大豆戸町):54.65%(4月市議選時:45.84%)[有権者数:4,897人]
- 大曽根保育園(大曽根2):54.34%(4月市議選時:47.04%)[有権者数:4,387]
- 大谷学園幼稚園(篠原台町):53.43%(4月市議選時:43.53%)[有権者数:3,135人]
- 大曽根小学校(大曽根2):53.22%(4月市議選時:46.28%)[有権者数:6,016人]
- 綱島小学校(綱島西3):53.10%(4月市議選時:43.25%)[有権者数:9,607人]
- 下田小学校(下田町4):53.04%(4月市議選時:42.90%)[有権者数:6,392人]
- 大豆戸地域ケアプラザ(大豆戸町):52.99%(4月市議選時:44.90%)[有権者数:5,275人]
- 日本大学高校(箕輪町2):52.94%(4月市議選時:43.96%)[有権者数:8,840人]
- 日吉台中学校(日吉本町4):52.91%(4月市議選時:44.60%)[有権者数:6,264人]
- 駒林小学校(日吉本町2): 52.75%(4月市議選時:44.90%)[有権者数:8,264]
- 港北小学校(菊名2):52.65%(4月市議選時:43.73%)[有権者数:7,142人]
- 師岡町会館(師岡町):52.25%(4月市議選時:43.90%)[有権者数:8,661人]
- 日吉台小学校(日吉本町1):51.97%(4月市議選時:42.20%)[有権者数:4,027人]
- 日吉地区センター(日吉本町1):51.74%(4月市議選時:41.36%)[有権者数:5,576人]
- 太尾小学校(大倉山7):51.28%(4月市議選時:42.91%)[有権者数:8,836人]
- 新田中学校(新吉田東5):51.09%(4月市議選時:42.19%)[有権者数:8,057人]
- 武相学園高校(仲手原2):51.01%(4月市議選時:41.55%)[有権者数:7,287人]
- 横浜きもの専門学校(篠原北1):50.66%(4月市議選時:42.31%)[有権者数:4,372人]※前回は「あざみビル」
- 菊名地区センター(菊名6):50.65%(4月市議選時:42.70%)[有権者数:6,529人]
- 高田小学校(高田町):50.04%(4月市議選時:42.53%)[有権者数:6,675人]
- 日吉南小学校(日吉本町4):49.87%(4月市議選時:42.63%)[有権者数:6,379人]
(※)港北区選管によると、投票日の当日に「指定された投票所」へは実際に行かず、事前に「期日前投票所」で投票を行っている場合も、指定された投票所での投票数(投票率)として計算されているとのこと
コンフォールは常に区内トップの投票率
区内の投票率トップとなったのは、日吉本町4丁目にある「コンフォール南日吉集会室」で、区の平均より9.79ポイント高い59.54%にのぼり、このエリアでは6割近くの有権者が投票したことになります。
ここは大型団地の「コンフォール南日吉」を中心とした「日吉本町4丁目10番地」のみを対象とした投票所で、有権者は2296人と少ないのですが、記録が公開されている2009年以降、常に区内トップの投票率を誇っています。
コンフォール南日吉自治会で会長をつとめる由井昌子さんは、「トップとなっている理由は明確ではないのですが、ありがたいことであり、誇りに感じています」と話します。
同自治会では、選挙前には月に2回発行する自治会ニュースで投票を呼び掛けるほか、エリア内に住む高校生などの若い世代に投票所の運営を手伝ってもらい、選挙に関心を持ってもらうような取り組みも実施。
また、コンフォール南日吉では、大手企業に勤務する人が借上げ社宅として入居するケースも目立ち、「自治会活動に関心の高い人が比較的多い」(由井さん)という特徴を持っているとのことです。
広範囲でも高い投票率のサンヴァリエ
区内で2位の投票率となったのが、同じく大型団地を抱える下田町4丁目の「サンヴァリエ日吉集会室」で、ここも多くの選挙で投票率の高さが目立つ投票所です。
日吉駅寄りの下田町1丁目から投票所のある下田町4丁目の一部まで、5044人という広い範囲の有権者を対象としていますが、「杖をついたり、バスに乗ったりして投票に来てくれる方もいて、投票所の責任者として、感謝の思いしかありません」とサンヴァリエ日吉自治会で会長をつとめる黒田喬治さんは話します。
一方で、「投票に来るのは高齢層の方が多いため、病気になったり、調子が悪くなったりすると、投票所で見かけなくなる人もいる」といい、「18歳まで選挙権が拡大されたのに、なかなか若い人には投票所まで足を運んでもらえない」(黒田さん)と将来に向けての不安も口にします。
投票率を上げるためには、地域ぐるみで若年層にどう関心を持ってもらうかという点も一つの鍵となりそうです。
なお、区全体の投票率に達していなかった投票所も18カ所あり、以下に一覧で紹介します。
港北区内で低い投票率だった投票所(参院選)
(※)港北区全体:49.75%(4月市議選時:41.39%)[有権者数:28万9,705人]
- 篠原中学校(篠原町): 49.71%(4月市議選時:41.12%)[有権者数:6,705人]
- 大豆戸小学校(大豆戸町):49.11%(4月市議選時:39.59%)[有権者数:1万796人]
- 北綱島小学校(綱島西5):48.82%(4月市議選時:41.09%)[有権者数:8,407人]
- 新吉田小学校(新吉田東6):48.19%(4月市議選時:41.05%)[有権者数:5,555人]
- 綱島東小学校(綱島東3):48.12%(4月市議選時:38.38%)[有権者数:9,862人]
- 樽町中学校(樽町4):47.97%(4月市議選時:40.06%)[有権者数:1万2,998人]
- 綱島東親和会自治会館(綱島東6):47.48%(4月市議選時:39.77%)[有権者数:4,000人]
- 矢上小学校(日吉3):47.02%(4月市議選時:36.96%)[有権者数:2,605人]
- 綱島地区センター(綱島西1):47.19%(4月市議選時:39.25%)[有権者数:2,852人]
- 宮前公会堂(日吉5):46.99%(4月市議選時:36.58%)[有権者数:5,920人]
- チロル幼稚園(日吉3):45.54%(4月市議選時:35.49%)[有権者数:2,668人]
- 高田東小学校(高田東2):44.77%(4月市議選時:37.85%)[有権者数:4,959人]
- 城郷小机地区センター(小机町):44.73%(4月市議選時:38.07%)[有権者数人:1万257]
- 城郷小学校(鳥山町):44.39%(4月市議選時:37.16%)[有権者数:6,083人]
- 新田地区センター(新吉田町):44.38%(4月市議選時:37.44%)[有権者数:1万690人]
- 新吉田第二小学校(新吉田町):43.95%(4月市議選時:38.28%)[有権者数:4,963人]
- 岸根高校(岸根町):41.81%(4月市議選時:32.23%)[有権者数:1万875人]
- 新羽小学校(新羽町):41.11%(4月市議選時:34.92%)[有権者数:7,258人]
北綱島小学校や綱島東小学校、樽町中学校といった対象とする有権者が多いエリアをはじめ、高田東小学校や岸根高校、新羽小学校のように投票所周辺に坂が多く、往来しづらい地域、また、新しい住宅が増えるなどで住民の入れ替わりが頻繁に見られる場所を抱えた投票所での苦戦が目立っていました。
投票率を上げるためには、訪問時に負担が少ないよう可能な限り投票所の数を増やしたり、期日前投票所を充実させたりといった“物理的な取り組み”も必要といえそうです。
【関連記事】
・<参院選>「れいわ」への投票目立った港北区、立憲や維新も伸びる(2019年7月23日、参院選の投票率や傾向)
・<参院選>綱島の期日前投票所は7/13(土)から5日間、日吉は開設できず(2019年7月5日、参院選では日吉に期日前投票所は開設できなかった)
【参考リンク】