【法人サポーター会員による提供記事です】300円とはいえ、もっとメニューを増やさないと面白味に欠ける――。そんな思いから料理と飲み物メニューの数をいきなり3倍に増やした店があります。
そこは、日吉駅前サンロードの“グルメバーガー店”であるメイドインハンズ(Made in hands)(日吉2)内で始まった「300円立ち飲みダイニング」。何事にもこだわりの強い同店店主にどんな思いがあったのでしょうか。
1つ1000円台のグルメバーガーを提供する専門店として、2016年に日吉駅近くのサンロードにオープンした「メイドインハンズ」では、店主の阿部和彦さんが、納得できるまで自らが手作りするスタイルを堅持。
味には定評があってファンが多いものの、提供までに時間を要することや、頻繁に通ってもらうには「若干敷居が高い面もある」(阿部さん)との思いを抱えており、そこで今年(2019年)4月、空いていた別フロアを使い、新たに始めたのが全品税込み300円という立ち飲みダイニングでした。
「メイドインハンズ300(Made in hands 300)」と名付けた同フロアは、2階にある店舗内の奥、さらに階段を1つ上った3階に開設。
「普段のお小遣いのなかで、ビジネスパーソンの方が息抜きできる場を」と、コスト削減のため店主が手作りして設けた“隠し部屋”のような空間ですが、生ビールにはオールモルトビールである「ハートランド」を使い、10種類ほど用意したメニューも多くを手作りとしました。
これで納得したのかと思いきや、店主はいきなり100円ショップを例に挙げ、「たくさんの商品の中から、自分の好みに合った掘り出しものを探す楽しみ、そしてどれを選んでも価格は同じという安心感は、膨大な品揃えあってこそではないでしょうか」と、外資系コンサル企業の出身者らしく持論を展開。
「初めから売れ筋トップ10の商品しか置いてない100円ショップがあったとしたら、便利かどうかはともかく、あまり楽しさはない」と分析し、ある日を境に、300円立ち飲みダイニングの食事メニューを一気に3倍以上に増やし、アルコールメニューもカクテル系を中心に倍以上の数に“変革”していました。
さらには「ずっとやってみたいと思っていた」と2~3種の日替わり料理の提供も同時に開始。「旬の食材を使ったり、メニューの考案時に閃いたりした料理など、自分が美味しいと納得できたものを出していきたい」と新たな試みも始めています。
「新メニューに加えた広島産カキフライは、粒が大きくて衣が薄く、きちんとした洋食屋さんで出てきそうなものを目指しています。骨付きソーセージも肉汁がジューシーで、骨を持ってかぶりつく楽しさが味わえますよ」といい、「コンビニでお弁当を買うなら、メイドインハンズの3階へ行く、と言われるような存在になりたいですね」と笑顔で話す店主の阿部さん。
とはいえ、開始当初の「スタンディングバー」から「ダイニング」と冠を変えたように、すべてのメニューが迅速に提供される多くの立ち飲み店や“角打ち(酒屋店内の立ち飲みスペース)”などとは違い、料理へのこだわりは相当なもの。
「鶏の唐揚げ」一つとっても、「出来たてで提供しないと味が落ちる」と注文を受けてから揚げるため、すぐに出てくる料理メニューはミックスナッツやチーズ盛り合わせなどの“乾きもの”系に限られます。
“うまい・安い・早い”のうち、「早い」という面ではあまり期待はできませんが、「うまい・安い」の2点では、店主が渾身の力を注いでいくことは間違いなさそうです。
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・日吉のバーガー店がまた新企画、店内奥の扉の先に「300円スタンディングバー」(2019年4月12日)
【参考リンク】
・「メイドインハンズ~Made in hands」の公式サイト
(法人サポーター会員:メイドインハンズ~Made in hands提供)