「マンションも建てられないような土地を横浜市が高額で買い取ったのは、やはりおかしい」――。
日吉をはじめ、港北区内外の住民らによる「横浜市の学校用地購入価格をただす会」(木間誠司代表)は、市が箕輪小学校(箕輪町2=2020年4月開校予定)の土地(約9500平方メートル)を不当に高額で購入したとして、横浜地方裁判所に住民訴訟を起こすとともに、今週(2019年5月)29日(水)に日吉地区センターでこれまでの経緯を説明する「住民学習会」を開きます。
箕輪小を建てている土地は、再開発地の一番奥まったエリアに位置。同団体では、野村総合研究所(NRI野村総研)のデータセンターとして使われていた時代の地下埋設物が残り、上部にはJRが所有する高圧線が通っているという環境にもかかわらず、市が他の良好なマンション用地部分と同じ価格水準で購入している点を問題視しています。
市はこの土地を40億5650万円という価格で購入していますが、同団体は、土地の評価額は地下埋設物の撤去費用を差し引くと最終的には33億4976万円になると独自に試算。
その差額である7億円超が市の損害だとして今年1月、市長や野村不動産が連帯して賠償することを市の監査委員(代表監査委員・藤野次雄横浜市立大学名誉教授)に求めていたものです。
この求めに対し監査委員は、「本件画地の認定及び評価において違法、不当な点は認められず、平成30(2018)年3月28日に締結された小学校用地の土地売買契約は違法、不当であるとする請求人の主張には理由がない」などとして、3月に請求を棄却する決定を行っています。
決定を受けて同団体は、「私たち288人(市民286人と2団体)が起こした住民監査請求を深く審査することもなく、『請求人の主張には理由がない』として退けたため」として、かながわ市民オンブズマン(代表・大川隆司弁護士)ともに先月(4月)17日、横浜市長らに7億円の賠償を求めて横浜地裁に訴状を提出し、さらに争う構え。
29日(水)の14時から日吉地区センターで開く学習会では、7月から本格的に始まる住民訴訟を前に、かながわ市民オンブズマンの大川弁護士も参加し、訴訟へいたるまでの経緯が説明されるとのことです。
【関連記事】
・箕輪小学校の土地価格は適正だったのか、10/4(木)夜に購入経緯を考える「学習会」(2018年10月3日)
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【参考リンク】
・住民監査請求の結果について(箕輪町2丁目「学校用地の取得に関するもの」)(2019年3月18日、横浜市監査事務局、横浜市の学校用地購入価格をただす会などによる住民監査請求の内容)