慶應ラグビー場で体と心の成長育む、キッズパフォーマンスアカデミーが新規開校

横浜日吉新聞

運動が得意でも、そうでなくても、地域の子どもたちに「自分自身」の成長を感じられるプログラムを――慶應義塾が新たな地域貢献のチャレンジをスタートしました。

慶應キッズパフォーマンスアカデミー(慶應KPA)が下田ラグビー場で開校。SDM研究科による「研究の一環」、そして地域貢献の一環として行われるところが民間などのスポーツクラブと異なる

慶應キッズパフォーマンスアカデミー(慶應KPA)が下田ラグビー場で開校。SDM研究科による「研究の一環」、そして地域貢献の一環として行われるところが民間などのスポーツクラブと異なる

日吉キャンパスを拠点とする慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM研究科)と、同大学の体育会ラグビー部(蹴球部)OB会が設立した一般社団法人慶應ラグビー倶楽部(東京都港区)は、新たに「慶應キッズパフォーマンスアカデミー(慶應KPA)」を、先週末(2019年)5月11日(土)に新規開校しました。

小学生を対象とした「体」と「心」の成長をサポートする教育研究事業として開校された同アカデミーでは、同大学院が研究の一環としてプログラムの設計と検証を担当、日本最古のラグビーチームとして知られる同ラグビー部や、同大学の体育会各部、外部のスポーツクラブなどとも連携し、同ラグビー倶楽部が運営を行うものです。

慶應義塾大学下田ラグビーグラウンドの広々とした空間で思いきり体を動かすことができる。慶應SDM(大学院)がデータ計測・分析なども行う

慶應義塾大学下田ラグビーグラウンドの広々とした空間で思いきり体を動かすことができる。慶應SDM(大学院)がデータ計測・分析なども行う

SDM研究科は、2017年6月に横浜市港北区と「地域の課題解決」や「スポーツデータの活用」での連携協定を締結。日吉台小学校(日吉本町1)の生徒を対象に「スポーツデータサイエンス教室」と題した特別授業を実施するなど、スポーツ教育でのデータ活用や地域でのスポーツ振興についての研究・検証を行ってきました。

子どもたち一人ひとりが自分の「体」と「心」に興味を持ち、その能力を実感できるプログラムを提供することを目的とし、走る、跳ぶ、投げるなどの運動能力と、考える、話す、挑戦するなどの思考・行動能力に着目し、その能力への興味喚起と向上を目的としたプログラムを設計するとのこと。

ラグビーや陸上、体操分野での日本代表やトップアスリート、慶應義塾体育会各部学生の育成に携わるプロのコーチ陣などが中心となり指導を行いながら、慶應SDMによるGPS受信機ドローン高速カメラなどを駆使したテクノロジーやデータを活用しての研究や、アカデミー生へのフィードバックも行っていく予定です。

宇宙の研究でも知られる神武直彦教授。横浜市港北区との連携協定締結や日吉台小学校での「スポーツデータサイエンス教室」などを通じ、スポーツを通じた地域社会への貢献を具現化するチャレンジを行っている

宇宙の研究でも知られる神武直彦教授。横浜市港北区との連携協定締結や日吉台小学校での「スポーツデータサイエンス教室」などを通じ、スポーツを通じた地域社会への貢献を具現化するチャレンジを行っている

同日、主な実施場所となる慶應義塾大学下田ラグビーグラウンド(下田ラグビー場、下田町1)で行われた開校式・レッスン公開には、慶應SDMの神武直彦教授、OB会「黒黄会(こっこうかい)」理事長で同ラグビー倶楽部の市瀬豊和専務理事、同倶楽部の理事で同ラグビー部の和田康二ゼネラルマネージャー、事業提携先の株式会社ケイアイスポーツ(同渋谷区)池田敬子代表ほか現場のマネジメントスタッフ・コーチ陣やアカデミー生、児童の保護者らが参加。

和田ゼネラルマネージャーは、「『先づ獣身(じゅうしん=けもののように強くたくましいからだ)を成して後に人心を養へ』と慶應義塾の創立者・福澤諭吉先生が唱えたように、まずは自分の体、そして心についても、その成長を感じられるようなアカデミーにしたい」と、まずは基礎的な運動能力、その先のスポーツにもつながる心も育んでもらいたいと今回の開校理由を熱く語ります。

ディレクターとして今回の開校に尽力した神武教授も、「この広々とした慶應ラグビー場の芝生の上で、楽しみながらスポーツに親しんでもらえれば。研究の一環として、データや数値の計測なども行いながら、プログラムを実践していきます」と、宇宙システム開発研究も手掛ける手腕も活かしながら、「日吉周辺に生きる子どもたちや、子どもたちを取り巻く地域社会に貢献していきたい」と意気込みます。

開校式では、慶大ラグビー部(蹴球部)監督を2013年から2年間務めた和田康二ゼネラルマネージャーが講師陣を紹介。「広々とした芝生の上で、地域の子どもたちに楽しくスポーツに親しんでもらえたら」と語る

開校式では、慶大ラグビー部(蹴球部)監督を2013年から2年間務めた和田康二ゼネラルマネージャーが講師陣を紹介。「広々とした芝生の上で、地域の子どもたちに楽しくスポーツに親しんでもらえたら」と語る

特に、「基礎的な運動能力」を高めていくこと、そして「心」も育んでいくことは、多様な要素から成り立つラグビーはもちろん、球技や陸上など、すべてのスポーツや、「健康的な運動習慣」にもつながるといい、「一人ひとりの子どもたちの可能性を広げていくことができたら。トップアスリートや研究者と触れ合いながら、ともに学び、遊び、そしてともに成長していきましょう」と、和田ゼネラルマネージャーは、地域の子どもたちのより多くの参加を呼び掛けています。

同アカデミーは月曜、土曜日のジュニアクラス(小学校1~3年生、16時15分開始)、シニアクラス(4~6年生、17時45分開始)の2コース(各1時間15分)。実施場所は下田ラグビー場をメインに、大雨などの荒天時で同大学内施設が確保できた場合は屋内で実施する予定とのこと。

ラグビー部員が駆使するドローンの登場に子どもたちも夢中に

ラグビー部員が駆使するドローンの登場に子どもたちも夢中に

募集定員は各枠で40名。入会金8000円(価格はいずれも税込)、更新費が年4000円(保険料800円)。月会費は8000円。無料体験会のスケジュールなどは同アカデミーのサイトなどに告知するとのことです(2019年5月30日追記:体験会の参加は無料ですが、保険料800円の支払いが必要とのこと)

慶應義塾から地域へ、また地域から慶應義塾へ。未来を担う子どもたちの成長を促す新たな試み、また研究機関と体育会、またOB会組織が生み出すビジネスモデルや地域貢献の在り方という多様な要素を取り入れているという点や、日本最古のラグビーチーム、そして日本ラグビー発祥の地・日吉からの「新たな挑戦」としても、国内外からの注目を集める一大事業となりそうです。

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【参考リンク】

慶應キッズパフォーマンスアカデミー(慶應KPA)公式サイト

慶應KPAを支える「慶應SDM研究科×慶應ラグビー倶楽部」(同アカデミーのサイト)

一般社団法人慶應ラグビー倶楽部公式サイト

日本代表のITラグビー、草の根に 慶應と横浜の挑戦 (日本経済新聞、2017年9月15日)※日吉台小学校の特別授業についての記事

慶應大学ラグビー部が「法人化」した理由~玉塚元一の「システムデザインを学ぼう」(日経ビジネス、2018年9月19日)※神武教授と慶應ラグビー倶楽部・玉塚元一理事の対談記事


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