今年(2019年)で23回目を迎える「綱島桃まつり」(同実行委員会主催)が今月(3月)10日(日)に綱島市民の森(綱島台)内の「桃の里広場」で行われます。
相鉄・東急直通線(東急新横浜線)の工事などによって桃の木が減っていくなかで、かつて生産高が日本一になったこともある「綱島の桃」の伝統を紡(つむ)ぐためにも、桃まつりは重要な役割を担っています。
100年以上前の明治時代に生まれた綱島の桃は、戦後に一度は途絶えたものの、旧南綱島村(現綱島東付近)の名主(なぬし=村の長)で桃栽培の元祖である池谷(いけのや)家(綱島東1)が綱島伝統の桃品種「日月桃」(じつげつとう)を復活させ、現代にまで至る桃の歴史を繋いできました。
しかし、池谷家の周辺は、相鉄・東急直通線の新綱島駅の建設や、トンネル掘削の拠点として活用されることになり、桃の木も一部が伐採されるなど、収穫面では厳しい状況が続いています。
こうした状況のなか、旧北綱島村(現綱島台付近)の名主である飯田家では、14代当主の飯田助知(すけとも)さんが綱島桃まつりの実行委員長をつとめるとともに、綱島市民の森に桃の木を新たに植え、まつりで披露する桃ジャムや桃酒用として収穫。
同実行委員会事務局メンバーで、綱島の桃を守り愛好する「綱島の桃の会」所属の堤キミ江さんも、「なんとか桃ジャムや桃酒を提供できて嬉しい」と、南北綱島の名主である飯田家と池谷家が協力して、この祭りが行われてきていることに「感謝の想いを抱いている」といいます。
このように桃をテーマに人々が集える年に一度の桃まつりは、綱島の街にとって貴重なイベントとなっています。
今年の綱島桃まつりでも、桃ジャムや桃酒の試食・試飲をはじめ、桃ジャムのロールパン作りや、桃にまつわる和菓子などの販売が行われるほか、綱島で収穫された希少な“桃”を使用した地ビールとして人気の高い「桃エール」(株式会社横浜ビール、中区)の販売も実施。竹細工や竹馬づくり、綱島囃子(はやし)の披露や野点(のだて=屋外茶会)も予定されています。
開催時間は11時から15時までで入場無料。雨天の場合は17日(日)に延期となります。会場へは「上町」バス停が最寄りとなります。
【関連記事】
・百年余の歴史継ぐ伝統の「桃の花」は今週末にも満開、綱島東の池谷家で(2017年4月7日、桃の歴史について)
【参考リンク】
・つなしまピーチネット(綱島桃まつりの案内も)
・2019年綱島桃まつり(毎年3月開催)(つなしまピーチネットのブログ)
・3/10(日)綱島市民の森・桃の里広場にて「綱島桃まつり」開催します!(綱島もるねっと)
・「綱島市民の森」の案内ページ(横浜市環境創造局)